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詩「遊離」
暗闇にひとり置き去りにされ
都合よく掻き乱されることにも
いつからか慣れ切っているのに
夜から守ってあげたいだけ、なんて
まったく縁のない糖度の高いことばに
凍った心は勢いよく穿たれ、弾け
等価交換の概念など寄せつけない
愚かな清らかさで
差し出せるものは何もかも捧げたいと
思ってしまった
常識をも覆う夜は
敵でもあり、味方でもある
うっすら立ち上る煙のように
知らぬ間に換気扇を伝って
自由に這い出してしまったら
張り詰めた空気にさえ少しずつ馴染み
いつしか同化できるだろうか
敵でもなく味方でもない
二分法では語ることのできない
宙に浮かぶ夜を何度も越えて
たどり着きたい場所を
ずっと探していた
心ばかり何度も切り離して
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