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バッハ先生が教えてくれる、寄り道の演出(インベンション第4番)

作曲の山本雅一です。

今回は、J.S.バッハの作曲テクニックについて触れてみたいと思います。要は、寄り道もいいものですね的な内容です。

バッハの鍵盤楽曲は、ピアノ愛好者なら一度はどれかにチャレンジしたことはあるのではないでしょうか。
インベンション、シンフォニア、フランス組曲、平均律クラヴィーア曲集…他にもたくさんありますが、その曲数には本当に驚かされます。
この偉業は作曲家の鏡どころではない…さすが「音楽の父」!

その中でも、インベンションは2声の対位法で書かれており、比較的早くバッハの世界に触れる事ができる曲集ですね。
15曲あり、舞曲や声楽のスタイルなど、当時主流だった音楽を当てはめて作られています。また、それぞれ違う調性で雰囲気や構成(ストーリー)も違います。

インベンションは現在ピアノ学習の定番として扱われています。実際バッハは「2声部をきれいに演奏する」「カンタービレの奏法を身につける」「作曲への強い興味と愛好を呼び覚ます」といった目標を前書きで掲げています。もちろん3声のシンフォニアはその延長ですね。

インベンション第4番のストーリー

タイトルにもある通り、今回はインベンション第4番を見てみたいと思います。速く情熱的な曲ですが、指に馴染みやすいのでインベンションの中でも比較的取り組みやすい曲です。

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