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【おすすめの5冊】「読書術を身につけたい」と思ったときに読むべき本

本の読み方って学校じゃ教わらないけど、じつはかなり役に立つスキルだと思うんですよね。

本が読めれば単純に楽しいし、得られる知識も大幅に増えるからです。

とはいえ、読書術について書かれた本は書店にもたくさん並んでいます。一体どの本が本当に役立つのか?

僕がこれまで20冊近く読んできて「読書術ならこれを読んでおけばOK」という、おすすめの5冊をご紹介します。

① 読んだら忘れない読書術

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まず1冊目は『読んだら忘れない読書術』です。

この本は樺沢紫苑さんという精神科医の先生が書いている本だけあって、科学的な説明が多くて納得感があります。

さて、この本では「読んだら忘れない」ために3つの基本原則を挙げています。

1. 記憶に残る読書術
2. スキマ時間読書術
3. 深読読書術

1. 記憶に残る読書術

ひとつめは「記憶に残る読書術」です。

忘れない=記憶に残す、ということなので当然の帰結なのですが、記憶に残すためにはどう読むべきか?っていうことを意識する人は少ないはず。

ここでは、記憶に残すための読書術として【アウトプット】と【脳内物質】の2つを重視しています。

脳が「重要な情報」と判断する基準は2つです。「何度も利用される情報」と「心が動いた出来事」です。

誰かに話したり、ノートに書いたりすると、その情報が何度も利用されますから、脳が「これは重要なんだ」と認識して記憶に残りやすくなります。だからアウトプットが重要なのです。

脳内物質にはノルアドレナリン、ドーパミン、エンドルフィンなどがあります。ワクワクしたり、ハラハラしたり、感動したりすると分泌されるですが、これらが分泌されることで読んだ本が長期記憶につながりやすいとされています。

ですから、読んだ本をアウトプットして、なおかつワクワクしたり感動したりする本を読むことが記憶の定着につながるというわけです。

これが、1つ目の「記憶に残る読書術」になります。

2. スキマ時間読書術

スキマ時間は、電車の病院での待ち時間、テレビのCM中、集合場所での待ち時間など生活のなかにたくさんあります。

そのスキマ時間を使って読書をすると、記憶に残りやすいとされています。

何か物事を行う場合、制限時間を決めると集中力がアップし、脳が高いパフォーマンスを発揮するからです。
何かの作業を行う場合、その集中力は、初めと終わりで特に強くなることが知られています。心理学では、この現象はそれぞれ「初頭努力」「終末努力」と呼ばれます。
15分で本を読むと、「初頭努力」で5分、「終末努力」で5分、合計10分の「記憶力の高い状態での読書」が可能になります。

つまり、①限られた時間で読まなければいけないという制限があり、②脳の記憶力が高い状態で本を読める、というのがスキマ時間での読書なのです。

これは僕も経験したことがあるので、おおいに賛成です。これを特に痛感するのは、電車内ですね。

電車は降りる駅が決まっているので、その駅に着くまでの時間が限られています。ですから、読み始めたときの集中力は非常に高くて、電車内での読書はとてもはかどります。

スキマ時間にスマホをいじるのが定番化している人が多いですが、なるべく文庫を持ち歩くか、スマホにKindleアプリを入れておけば本を持ち歩かなくても読書は可能です。

3. 深読読書術

この本では「読書をしても内容を覚えていなければ意味がない」というスタンスをとっているため、むやみに速く本を読むことに慎重です。

そうではなく、丁寧に本を読むことで質を高めて、質が高まったところで読書スピードを上げていくことを提唱しています。

「深読」は、読書の必要条件です。「深読」できるようになってから、より速く、よりたくさん読む、「速読」「多読」を目指せばいいのです。

僕としては「本を速く、たくさん読むことで深い読書もできるようになる」という考えを持っているので、深読については全面的には賛成できません。

ただ、深読そのものは非常に重要で、記憶に残すためには欠かせない本の読み方であることは確か。

多くの読書術の本が「読むスピード」を重視しているので、深読の重要性を説いてくれる本は貴重です。

② どんな本でも大量に読める「速読」の本

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「速読」と聞いて、眉をひそめる人は多いと思います。僕もその一人でした。

目を速く動かす、とか、写真のように読む、みたいなのってイマイチ信用できないですよね(もちろん、習得している人もいるとは思いますが)。

でも、速読とはなにもそういった技術的な本の読み方だけじゃないんだ。そう教えてくれたのが本書です。

この本は全然胡散臭くないので、信用できます。僕は読み終えたあとに読書感がかなり変わりました。

で、なにが書かれているかというと、「知らない本は速く読めないから、何度も繰り返し読んで読むスピードを上げていこう」ということが書かれています。

つまり、まずは知っている知識(ストック)を使って本をパラパラ読んでみて、それを繰り返すことで本に対する理解度を高めていくというわけです。

まずはざっと目を通して本の特徴をつかみ、こうした知識や情報などのストックを積むことで、次に読むときには最初より速く読めるようになります。
繰り返しよむといっても、目次だけ読む、まえがき・あとがきだけ読む、見出しやキーワードだけを拾いながら読むといった、気楽な読み方でも構いません。

本を読むというのは、1冊の本を時間をかけてじっくり読むのが正解とは限りません。

自分がわかる範囲の知識や、自分が欲しい情報をだけを拾いながら読むのも正しい読書の1つなのです。

全体を知ってからのほうが理解が深まる

これは僕も経験したことが何度もあるんですが、細かいところがよくわからなくても、全体をザッと読み通すことで理解が深まることがあるんですよね。

そもそも、振り返って冷静に考えてみると、速く読める本って全体像を知っていることが多かったり、周辺知識が多い本なんですよ。

だから、いきなり難解な本を速読しようとするのは無理な話で、まずは目次や見出しを見てパラパラと読んでみるのが1番。

それを繰り返していくと、ストックが貯まっていくので読むスピードがアップしていくというのが本書の読書法です。

③ 読書術

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なんともシンプルなタイトルですが、内容に自信がある表れとも取れます。

事実、この本はおもしろい。

読書術の本ってあまり著者の血が通ってないというか、表面的な読書技術の解説が多いんですが、本書は著者の加藤周一さんの言葉が生き生きと感じられる1冊です。

まず前提として、この本は岩波現代文庫です。”岩波”と聞いてドキッとする人もいるかもしれませんが、岩波なのに非常に読みやすい。

そして、1962年刊行という古い本にも関わらず、古さも難しさも感じさせない素晴らしい本です。

前置きが長くなってしまいましたが、この本で取り上げられている読書術は豊富です。

・おそく読む「精読術」
・はやく読む「速読術」
・本を読まない「読書術」
・外国語の本を読む「解読術」
・新聞、雑誌を読む「看破術」
・むずかしい本を読む「読破術」
(いずれも目次より抜粋)

こんな具合に、あらゆる読書技法について紹介されており、速読や精読に偏ってないのが特徴です。

見方を変えれば「自分に合う読書術ってなんだろう?」という疑問を持つ人に向いた1冊といえるかもしれません。

本を遅く読むことが、速く読むことにつながる

本の中から、僕が気になったポイントをいくつかご紹介します。

まずは精読術について書かれたページです。本を遅く読むことの効用について、以下のように書いています。

教科書(※ここでは入門書の意)をおそく読めば読むほど、そのほかの本をますますはやく読むことができ、教科書をはやく読めば読むほど、別の本の読み方がおそくなる。

ひとことでいえば、「入門書を読んで基礎知識をきちんと身につければ、他の本を読むスピードが上がるよ」ということです。

教科書的な基礎を学ぶ入門書っておろそかにされがちなんですが、そういう本をゆっくり丁寧に読んだほうが結果的に本を読むスピードが上がるというわけです。

損して得とれ、という感じですかね。

速読術ばかりの本を読んでいるとこうした知見はなかなか得られないので、僕にとってはかなり意味のある一節でした。

難しい本に挫折しても、自分を責める必要なし

むずかしい本を読んで挫折するたびに、「自分はダメだなぁ」と落ち込む人は多いはず。

僕もその一人なんですが、必ずしも自分を責める必要はなさそうです。

少しページをめくってみて、あるいは少し読みかけてみて、考えてもわかりそうもない本は読まないことにするのが賢明でしょう。一冊の本がわからないということ、ただそれだけでは、あなたが悪いということにもならず、またその本が悪いということにもならない。
世にいわゆる「むずかしい本」といわれるもののかなりの部分が、(中略)著者の責任であって、読者の側で、わからないことに劣等感を感じる理由は少しもありません。

本というものを神聖視するというか、絶対的なものとして考える風潮ってわりとあると思うんですよ。やっぱり出版社や著者って少なからず権威ですから。

だから、そこに書いてあることは正しくて、理解できるはずものだ。なのにそれを理解できない自分は全然ダメ。

こんなふうに思考が進んでしまうんですよね。

でも必ずしもそうとは限らなくて、本によっては著者(あるいは編集者)がいけないケースもあって、そんな本は読まなくていいし、読む必要もないというわけです。

著者を好きになれるかどうかで、印象は変わると思う

最初に述べたとおり、この本は著者の加藤周一さんの言葉が生きる本です。裏を返せば、著者の体験談や独特なモノの見方が色濃く反映されています。

「読書術を体系立てて学びたい」という人にとって、こうした著者の”色”は余計なものに感じるかもしれません。

ただ、僕は感情移入できる著者の本を読むのが大好きで、著者が好きになるとその本も好きになるし、なにより書いてあることが身につきやすくなります。

ファン心理に近いですが、「この人が言っているんだから、自分もやってみよう」という気にさせてくれるんですね。

そういう意味で、僕にとってこの本は、読書術以上に、良い著者と出会わせてくれた1冊でもあります。

④ 本を読む本

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こちらもタイトルは非常にシンプルですが、『How to read a book』という洋書の翻訳版です。

正直、内容はむずかしいのですが、書いてあることが深くて「読書術のことをそこまで深く追求するのか」と驚かされました。

この本では「文や単語」「命題や論証」といった単位で文章を分析して、著者の伝えたいことを読み取る技術が書かれています。

読書術というと、わりと精神論とか表面的な技術が多いんですが、それらとは一線を画しますね。

僕がこの本を読んで理解できたのは全体の60%程度です。

これくらいの理解度だとギリギリ面白いと感じるレベルだと思うんですが、この本は繰り返し読みたいと思わせる魅力があります。

その理由はなんだろう?と考えてみると、僕たちが無意識に思っていることをズバリ突いてくれる爽快感が1つの理由なのかもしれません。たとえば以下の文。

哲学者は一般に、自分だけにしか通用しない言葉を使うことで評判がよくない。

哲学の本を読んだことがある人なら体験したこと思うんですよ。「こいつ、一体なにいってんだ?」と思ってしまうくらい、訳わからない言葉の嵐を。

哲学では難しい文章がありがたられるという風潮があるようで、それが読者を混乱させる要因になっています。

それを一突き(一文)で言い当ててくれる強さ。僕はこの本に、正義のヒーロー像を見出したのかもしれません。

⑤ 読んだつもりで終わらせない名著の読書術

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ここまで紹介した4冊は、いずれも読書術全般について書かれた本です。

最後に紹介する1冊は文学作品に特化した読書術を紹介する「名著の読書術」になります。

名著や古典作品ってむずかしいことが多いじゃないですか。読みたいけど、読めない。そんなジレンマを抱える人は多いと思います。

文学作品についての読書術の本というのは教養書よりも数が少ないので貴重です。

さて、この本に書かれていることを一言でいうなら「有名作品はネタバレしてから読もう」ということです。

一般的に「ネタバレ」というのは後ろ向きなイメージで使われます。ネタバレしたら、もうその作品の面白さが半減しちゃうくらいの感じで。

たしかにそれも一理あるんですが、名著や古典作品は「ある程度内容を知ってから読んだほうが理解が深まるよ」というのが本書の主張です。

読書には、まったく未知のものに触れる喜びがあります。それは、当然のことながら読書の楽しみのひとつです。しかし、「だいたいの内容を知っているからこそ、あじわうことができる」という面もあるのです。

なぜこんなことが言えるかというと、ネタバレでストーリーやオチがわかっていても、文章のリズムや世界観を読むだけで楽しめる要素が名著にはあるからです。

そもそも、名著や古典作品は「読んだことがある」というのがけっこう重要だったりします。

作品そのものを面白いと味わうよりも、内容をだいたい知ってて、そこからエッセンスを取り出せるほうが良い。

こういう視点に立てばネタバレは問題ではなくなる。むしろ、ネタバレしていたほうが理解が進むから良いくらいです。

読みにくそうだから手を出さず、読まずに一生を終えるくらいなら、いっそネタバレをしてから読んでみる。

これくらいの気軽さで読書をしたほうが、本を読むのが楽しくなるのではないでしょうか。

読書術のおすすめ本【まとめ】

・読んだら忘れない読書術
・どんな本でも大量に読める「速読」の本
・読書術 (岩波現代文庫)
・本を読む本 (講談社学術文庫)
・読んだつもりで終わらせない 名著の読書術

僕はこれまで大量の読書術について読んできましたが、本によって考え方はバラバラです。

「目次は読め」「目次は読むな」、「速く読め」「遅く読め」などなど正反対の主張があることは珍しくありません。

で、結局どれを信じればいいの?という話なんですが、どれを自分に取り入れるかは自分次第なんですよね。

良くいえば自由に選べる、悪くいえば選ばなくちゃいけない。

だから、同じテーマの本を大量に読むと、情報を取捨選択する技術も自然と身につくんだなと、読書術の本を読んで感じたのでした。

結局、なにを読めばいいかわからない人に向けて

「5冊もあってどれ読めばいいかわからないよ!」という場合、

読書初心者の人 ➡ 読んだら忘れない読書術
読書上級者の人 ➡ 本を読む本 (講談社学術文庫)

という感じで選ぶのがおすすめです。

『読んだら忘れない読書術』は文章も読みやすいし、わりと気軽に読めます。

『本を読む本』はむずかしいですが、一歩踏み込んだ読書術が学べます。

「読む本が見つからない」→ 本の読み放題で解決

読書術を身につけることができたとしても、自分に合った本を見つけるのが意外とむずかしかったりします。

特に気になるのがお金の面です。

「これは絶対おもしろい!」と思って買ったのに、読んでみたらつまらなかった…という経験は誰しもあるはず。僕もよくあります。

そんなとき、潔く他の本に切り替えることができればいいんですが、これがなかなかできない。なぜなら、お金を出して買った本を投げてしまうのは損した気分になるからです。

「お金を出したんだから最後まで読まなきゃ…」という考え方が強くなると、やがて読書が苦痛になってしまい、そのうち本を読むのが嫌いになる可能性もあります。

そうならないためにどうすればいいか?僕は、気になった本を気軽に手当り次第読める環境を持つことが良いと思っています。

それを実現するために、僕は2年ほど前から本の読み放題サービスを使っています。AmazonのKindle Unlimitedというやつです。

書籍だけでなく雑誌やコミックも読み放題になるという太っ腹っぷりで、読める本の数は200万冊以上。圧巻です。

僕はKindle Unlimitedを始めたおかげで、読書の時間が圧倒的に増えました。そして、本選びが楽しくなりました。

ちなみに、Kindle端末がなくても大丈夫です。すでに持っているスマホやタブレットでも読むことができます。

30日間は無料でお試しができるので、ぜひ使ってみてください。きっと、読書観が変わります。

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