見出し画像

【とにかくノートに書く】面倒なルールは不要。忘れがちな人のための手帳術『メモ活』

メモやノートに関する本はたくさん出版されていますが、ルールがむずかしくてなかなか自分のモノにできないケースが多々あります。

ルールに縛られて、メモを書くのがしんどくなるようでは本末転倒ですよね。

今回紹介する『メモ活』という本は、複雑なノート術は一切書かれていません。

書いてあるのは、メモを書くとどんなメリットがあるのか?ということ。そして、シンプルに「とにかく書こう」というメッセージです。

クセがない本なので、誰もが共感するであろう役に立つ考え方が満載です。くわしくレビューしていきます。

「人は忘れる生き物」という考え方に立脚

この本は「人は忘れる生き物である」ということを前提にして、難しいことは考えずにとにかくメモを書くということを一貫して伝えています。

「人は忘れる生き物」というのは、よく言われる話ですが、それを常に意識してメモを取れてる人って意外と少ないと思うんですよね。結局、メモを書くのが面倒で後回しにしてしまい「あれ、何だったっけ?」と忘れてしまうことが多々起きてしまいます。

そういった意味で、基本に立ち返らせてくれる1冊でもあります。

メモ術やノート術に関する本は、たいてい著者独自のルールがあったりするものですが、この本ではそういったルールがありません。

強いて挙げるとすれば「A4の大きいノートを使ったほうがいい」「スケジュールと仕事系のノートは分ける」くらいのもので、それ以外にルールらしいルールは書いてありません。

そうなってくると、インパクトのない内容の薄い本という印象を持たれそうですが、もちろんそんなことはありません。

さきほど説明した「とにかくノートに書く」ということについて深堀りし、実際に著者がどんなことをメモに書いているのか?そのメモがどんなふうに仕事や勉強に役立つのか?ということをわかりやすく解説しています。

繰り返しになりますが、むずかしいルールがないのが本書の特徴です。そのため、読んだその日から実践できるところがこの本の1つの魅力でもあります。

「メモやノートの使い方について知りたいけど、小難しいことは苦手…」という人にはうってつけの1冊だと思います。

反対に、「何らかのルールに従って書くノート術を知りたい」という人には、バレットジャーナルがおすすめです。くわしい解説は以下の記事をどうぞ。

ノートは余白をとって、大胆に使う

僕も以前まではそうだったんですが、ノートを書くときってどうしても「もったいない」という気持ちが働いてしまい、小さい文字で省スペースに書こうとしちゃうんですよね。

そんなノートの使い方をしがちな人に知っておいて欲しいのが、本書で紹介している「余白の大切さ」です。

2、3行おきに書くくらいのつもり、左右も思い切り空けるつもりで、大胆に余白を使って書いていくほうが、すばやくメモが書けて効率的であることに、私は次第に気づいていったのでした。

私の場合は、1ページに書くのは10行ほど。キーワードが含まれた文章が10個ぐらい書いてある、という使い方です。

ノートを節約しようとして書くのはストレスがかかるし、あとで読み返すときに見づらいから、結局書いた意味が失われやすくなります。余白をとって大きくノートを使うというのは非常に理にかなっているというわけです。

ノートを大きく使うようにすると、

・あとで加筆しやすい
・読み返したときに要点がわかりやすい

というメリットがあります。

実際に僕もノートはかなりゆったり使うようにしていて、細かい文字でびっちり書くようなことはしません。そのおかげでノートを読み返すのは楽しくなるので、メモを書くモチベーションも高まりました。

また、仕事用のノートについては「1ページ1案件」という使い方が役立ちます。

1案件1ページなどと決めて、大胆にスペースを使っていきます。聞いたことをメモするだけでなく、見たことや感じたこともメモしていきます。

仕事に関するノートを書いたけれど「あの案件のメモをどこに書いたか思い出せない」というのはあるあるだと思います。

趣味のことや日記でも同じです。結局、どこに書いたのかわからなくなってしまうノートの取り方は非効率でしかありませんよね。

そういった不便さを解消するためにも、「1つのテーマで1ページ」というノートの使い方が役に立つと思います。

アポ以外の事務仕事(一人作業)も手帳に書き込む

みなさんは仕事用の手帳をどのように使っているでしょうか?

おそらく、多くの人が会議やアポイントの予定ばかりを書いているとと思います。

もちろん、そういった予定を手帳に書き込むのは大事ですが、それだけを書き込むのはもったいないと本書では述べられています。

アポ以外の一人で行う作業についても、手帳にスケジュールとして書くべきということです。

デスクであるべき仕事もスケジュール帳に書き込んでいないと、自分の時間は本当はいつ空いているのか、コントロールできなくなるのです。

仕事というのは誰かとのアポだけで成り立っているわけではありませんよね。営業の仕事であっても、デスクワークをする時間があるはずですから。

そう考えると、デスクで行う作業についても手帳に書いておいたほうが、仕事全体におけるスケジュールが見えやすくなるわけです。

「この時間帯は余裕がありそうだから、やりかけのあの仕事を片付けちゃおう」みたいな意識を持てるようになります。

アポ以外の予定を手帳に書き込むメリットは他にもあります。それは、過去の振り返りがしやすくなるということです。

そしてもうひとつ、スケジュール帳には、日々のスケジュールをコントロールする以外に、「そういえば、このころはどんな仕事をしていたのかな」ということがあとから見えてくるという利点があります。

少しだけ僕の体験談をお話しします。

僕は以前まで出版社で営業の仕事をしていたのですが、書店に行く予定やアポイントについては手帳にしっかり記入していました。

たしかに、このような「予定を書く手帳の使い方」というのは、その場では役に立ちます。アポをうっかり忘れるなんていう凡ミスもなくなりますからね。

しかし、後から読み返したときに、何も思い出せないのです。「◯◯書店に行った」ということしかわかりません。ただ過去の予定(事実)がわかったところで、役に立たないわけです。

この経験があるので「去年のいまごろは、どんな仕事をしていたんだろう?」ということを読み返せるように手帳を書くのは本当に重要だと思います。

さらにいうと、そのときの感情や気分まで書き込んでおくと「どんな気持ちで仕事に取り組んでいたのかな」ということまでわかるので、あとで読み返す価値がさらに大きくなるはずです。

これは仕事にかぎらず、私生活でも同じことがいえます。プライベートで起きた楽しいこと、悲しいことを記録しておけば、あとで読み返したときに役立ちます。

たとえば、いま自分がツラい境遇にあるとき「過去の自分がどんなふうに乗り越えてきたか」という解決策が、ノートを見ればわかるという具合です。

作業にかかった時間をメモしておく

当たり前の話ですが、ほとんどの人が手帳にこれからの予定を書いていると思います。

もちろん今後の予定を書くことも大事ですが、この本では「やった仕事」と「作業にかかった時間」を書くことの重要性も挙げています。

ある経営者が面白いことを語っていました。手帳にアポイントと会議の予定しか書いてない人は、明日からスケジュール帳の何も書いてないスペースに、「やった仕事」を書いていくといい。それを1週間続けてみなさい、と。

実際、経営者自身が若いころにこれをやってみて、驚いてしまったそうです。何をやっていたのか、よくわからない時間がたくさん見つかったからです。

自分のことに置き換えて考えてみると、たしかに「これからやる仕事」については書いているけど、「やった(やれた)仕事」については書いてませんでした。

これをやることで、1日のスケジュールで自分がどんな仕事をやったのかがわかるし、スケジュールどおりに仕事が進まなかった場合も反省することができます。

さらにいうと、その仕事にかかった正確な時間も記入しておくと非常に役立つといいます。

たとえば、資料作成に1時間かけるスケジュールを手帳に書いていたとします。そして、実際にやってみたら30分で終わってしまった。その場合、やった仕事(資料作成)のところに【30分】と記入しておきます。

これをやっておくと、今後スケジュールを立てるときに「資料作成には30分の予定を充てればいい」ことがわかるので、スケジュールを効率的に立てることができます。

「メモを取る意味ってなんだろう?」という人は必読

あらためて、ここまでの内容をおさらいしてきたいと思います。

・「人は忘れる生き物」だから、とにかくメモに残しておく
・ノートは余白をとって、大胆に使う
・事務仕事(一人作業)も手帳に書き込むと、振り返りに役立つ
・作業にかかった時間をメモしておくと、スケジュールが立てやすくなる

この本はむずかしいことはなしで、シンプルにメモを書くことの有用性を説いています。

だからこそ、多くの人に役立つ内容になっているのだと思います。

特におすすめしたいのは「メモを取ることでどんなメリットがあるの?」という疑問を持っている人です。

きっとこの本を読めばその疑問は解決できるし、いますぐノートにメモを取りたくなるはずです。

どんなふうに手帳を書いていこうかな?と考えている人も、きっと参考になると思います。

▶ 最短30日間で英語の本が読めるようになる【洋書の超入門講座】はコチラ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?