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会社を巻き込んでダイエットしようとしたらSDGsの取り組みになってた話

こんにちは。PILOTでデザイナーをやっているMです。

SDGsについて何か書いてきてと言われたので、「すべての人に健康と福祉を」に関連して、リモートワーク1年半で会社に新たに導入した”Pタイム”(勤務時間を使って運動していいよ という制度)について書いてみようと思います。

140字以上の文字を書くことなんて普段ほぼ無いので見苦しいところだらけかと思いますが、よろしくおねがいします。

はじめてのリモート太り

コロナ下で弊社もフルリモートワークに移行しました。
最初の頃は、合計2時間分減った通勤にかかる時間、毎日の煩わしい朝の準備もしなくてよくなり自分の時間が増えて、在宅勤務最高〜!今日の昼は何食べようかな~なんて毎日浮かれていました。

危機感を覚えたのは半年以上経ったとき。2ヶ月半ぶりに会話した美容師さんが劇的にシュッとしていて、「ダイエットを思い立ち、毎朝出勤前に筋トレをして走っていたら15キロ痩せた」と言うのです。

え、偉すぎる……でも確かに、10年前から知ってる美容師さんですが、数年前に結婚して子どもができてから、言われてみれば順調に幸せな丸みを帯びていた気がします。40過ぎたらそんなことは当たり前だと思ってたんですが、そこから意識変えて人はここまでまたシュッとできるんだ……と感心すると同時に、「自分…やば」と思いました。

なぜなら確実に太っていたからです。

もともと立ち仕事から座りっぱなしのデザイナーになって8年、毎年の健康診断で着々と増えていく数字。20代前半のときと違って夜ご飯を抜いたくらいでは減らない体重。

そしてそこに追い打ちをかけるような、リモートワークによる引きこもり生活。
スマホの歩数計を見ると、1日の歩数が300歩以下なんて日もざらにありました。それなのに、その頃の私は気にせずトーストやパスタを朝昼楽しみに食べてました。ちょうど納豆トーストがマイブームだったんです。

このままではいけない。

ひとりでダイエット

私も美容師さんにならって少しでも運動をすることにしました。半年後に健康診断があるので、増えた体重分も加味して、1年前の数字よりも減らすことを目標にしました。

昼の時間や仕事が終わってから30分ほどリングフィットをすることにして、朝昼の主食をもち麦やオートミールに変えました。ほんのちょっとで息があがって、次の日はすごい筋肉痛。半年で落ちまくった筋力と体力を実感しましたが、たったそれだけの運動でも身体を動かすのは気持ちがよく、肩こりがひどかったのも解消されました。

リングフィットをしたときのほうが集中力が生まれて仕事の効率も上がっていると気づきました。そのうち、フィットボクシングも追加して合計1時間くらいの運動を週の半分以上やるようになりました。

半年後、健康診断ではなんとか前年より1.5キロ減ってました。そもそもコロナで3キロくらい増えてたので、4キロ以上痩せたことになります。やったね。

しかし健康診断を目標にしてたので、終わったらなんだか急速にやる気がなくなってしまいました。そして久々にあった美容師さんも、もとの丸みに戻ってました。

「運動やめちゃったんですか?」「うん、忙しくなったからやめちゃった……」

そう、ダイエットで一番難しいのは、痩せることではなく続けること。私もそこから数ヶ月、また気を抜いて運動をさぼってしまったのです……。


会社を巻き込んで、制度をつくってみよう

運動をまたほどほどにしかしなくなって数ヶ月、自分のことだけでなく、会社全体にうっすら危機感を感じるようになりました。

社員のひとりが雑談チャンネルで共有した「現代人の集中力は8秒しか続かず、これは金魚の9秒を下回る」という記事に心当たりがすごくあって、

集中力が全然続かない、午前中は脳がぼんやりしてる気がする。リモート会議で聞くみんなの声も覇気を感じられない。
健康だけでなく、メンタル面でも不調な人が増えている…‥というか、会社全体にぜんぜん元気が無い気がする!

このままではいけない……!(2回目)

ちょうどその頃はリモートワークになって1年半ほど。世の中的にもコロナ禍による運動時間や人とのコミュニケーションが減ることで起きるカラダの不調、健康二次被害が問題になっていました。

いままでダイエットの面でしか気にしてなかった運動不足が、もしかしたら会社全体の問題になってるのでは?と思い始めました。
リングフィットをやっていたときに気づいた、リモートワークでだらだらとせずに集中力のメリハリを持って仕事をするコツは、運動にある。
そして、従業員の運動不足を解消する責任は、もはや会社にあるのでは?

従業員が運動不足のままで良いことなんて、会社にとっては何一つ無いし。

それで「社員の健康にたいして何かしなければならないのでは」という話を、会議で持ち出してみることにしました。


Pタイム制度の設立

Pタイムの提案は、『一日の就業時間のうち30分を、運動に使っていいことにする。』です。

労働時間が1日8時間。お昼の時間が間に1時間。労働時間外で運動してたときは、別にやりたいことをやってるわけではないのに1日の自由な時間が減るような気がしていました。
リングフィットはやりはじめると結構楽しいけど、やり始めるまですごく億劫です。貴重なお昼の休憩時間の半分を使ってしまったら、その前に昼の準備して食べてお皿を洗って…昼休憩なのに休憩する時間が無いじゃない と思っていたので、だったら運動の時間を仕事の一部として認めてもらえたら、仕事なら毎日やるし、ダイエットとしてもちゃんと継続できるかも。という下心です。

当然、色んな意見がありました。

「それなら30分就業時間を短くしたほうが、みんな好きなことに使える時間が増える」「やらない人はやらないから、なにかしらの強制が必要では」「モチベーションを保つ工夫はどうするのか?」


まあ、全部そのとおりだと思います。そこで上手く乗っておけば30分就業時間を短くできたらもしれないのに、チャンス潰したんですか?と他のメンバーに聞かれたら怒られるかもしれません。

でも、もともとインドア気質のうちの社員(というか自分)が30分の自由時間増えたところで自分の健康のために有効活用するとは思えません。
『これは健康改善のための30分である』という意識がなければ、一日の中に一瞬で埋もれる30分になってしまうと思いました。
とはいえ、そもそも健康に対する危機感がそんなにない人に運動を強制するのも合わないと思いました。忙しくてそれどころじゃないときだってあります。

ただ、「会社が業務時間の中に運動やリフレッシュの時間を用意している というだけで、充分意味があると思います。」

という説得をしてPタイム(PILOTタイム という仮名称がそのまま定着しました)としてまずはやってみることにしました。


ルールは以下の通り

・1日のうち30分を運動、もしくはリフレッシュの時間に使えます

・継続に意味があるので、昨日やらなかったから今日1時間 のようなことはできません

・30分離席していることが他のメンバーに伝わるよう、チャットにPタイムをはじめることを書くこと

・休憩時間と明確にわけるために、Pタイムで何をするのか(筋トレ/散歩等)を一緒に書くこと(これは他のメンバーの健康改善意識を高める狙いもあります)

導入した結果


Pタイムを導入して半年、社内の70%くらいの人が使ってくれているかなという印象です。全員に対する強制力は無い という課題もありますが、少しでも危機感を持って改善したいなと思った時に、会社でそういう時間が用意されている というだけでもまずは良かったと思います。

どうやったらモチベーションを保ち続けられるか、興味がない人にも自分の健康について意識してもらえるか、Pタイムだけでは補いきれないメンタルケアについては今後の課題でもあります。

個人的成果では、おかげで去年の健康診断よりもさらに4キロ減りました。やった!!!
リングフィットは起動等にどうしても時間がかかり、効果を感じる時間をやろうとすると30分以上必要になるので、最近はyoutubeの10分くらいで終わる筋トレ動画を2種類、ストレッチをひとつを組み合わせてやるようにしています。最初つらすぎて全然できなかった「ひなちゃんねる」の筋トレが、結局一番効果ある気がして続けています。

あと、ストレッチをするようになったおかげで、ガチガチだった身体が柔らかくなり、なぜか身長もこの年になって1センチものびました。なぜ?ありがとうひなちゃん。

SDGsとPタイムって全然関係無いと思ってたのですが、持続可能な未来の中に、「すべての人に健康と福祉を」という目標があって
従業員の健康問題は未来のことを考えると、会社の義務なのでは? と思ったこととちゃんと繋がってたんだなあということを知りました。
SDGsはもっと遠いものというぼんやりとした認識が、身近なことで、何かを良くしたい、変えたいと自分が思ったときの延長線上に繋がっているんだということがわかりました。

SDGsの目標としては当然もっと大きなことでしょうが、
すべての健康はまず運動から ということを身を持って実感しているので、ダイエットの下心も大いに含まれてたPタイム、今後も前向きに推進していきたいと思います。

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