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時間に追われるより追いかけたい

"時間"

これほどハッキリと有限で私達を焦らせるものがありましょうか。…いや、時間があるから焦るのかしら?

子供たちは「時間がない」なんていう概念も考える間もなく遊んで今いる世界を学ぶ。5分もあれば素晴らしい遊びを思いついて一所懸命になっている。

中学生くらいで「時間」って言う概念に実感が伴ってきて、あ、自分は時の流れの中にいるんだ、ここにいて歳をとっていくんだ…なんて思う。

高校生にもなれば、友達との交流、勉強や進路のこと、部活動で日々大忙し…でもそれらを処理できる体力もあって、日々楽しくて。気づけばあっという間にその時間は過ぎてしまって、なんだかふいに寂しさがよぎったりする。

大学生活は、「高校生は時間があったなあ」なんて感じながら自分の時間を頑張って謳歌しつつも勉強し、課題をこなしていく。

仕事を始めたらプライベートタイムも減ってきて、「学生の頃は時間があったな…」としみじみ思ったりして。仕事もできるようになって中堅とよばれ、下っ端じゃなくなるとなんだか更に時間がなくなって、恋人ができたら自分だけの時間をどこにつくるか迷子になってしまったり。

それなのに、パートナーと同居や結婚して子供ができたら「今までって時間あったんだ…!?」と否応なく気付かされる。

気がつけば常に「前は時間があったなぁ」と言っているわけ。

子育てというのは、子供という未熟な存在がそばにひとり増えること。これってすごくて、ともすると人権を失いそうになるくらい自分の労力と時間を子供に割くことになる。「年を追うごとにどんどん時間がなくなる」なんてよく聞くけれど、私も例外なくそう感じていて、子育てが始まってからは尚更だ。

育休が明けて仕事が始まってからのタイムスケジュールをシミュレーションして実際にやってみて…本当に時間がない。時間がないけれど、私はどうしようもなくなって焦るのが大嫌いなので、より確実にできそうなやりくりを考える。考えて、これならいけるかも…と綱渡り。

もちろんこれでイレギュラーが起きたら(慣れてもいないし)テンパるんだろうなとも思いつつ、でもやるしかない状況なので世のお母さん達と同じく時間に追われながら日々こなしていくのだ。

まあ始まってみなきゃわからないことも多いから仕方ない。

ただ、気になってしまうのは「子育て」になると途端にマイペースでことを運べなくなり、気がつけば「時間に追われて」日々を過ごしているということ…これは、打開できない問題なの?

…そこを解決する鍵は、やっぱり心の余裕になるのだと思う。限られた時間の中でどう余裕をつくるか。同じ「時間がない」なら、なるべく時間に追われて焦りたくない。同じ「時間がない」なら、ちょっとでも隙間時間をみつけたら「ヒャッホーイ♪みつけたぞー!」と楽しめるようになりたい。同じことをやって同じ時間を過ごすなら「時間に追われる」から「時間を追いかける」へ、変えたい。

やってみたこと、ひとつはやっぱり早起き。育児休暇中から「日中は家事をしない!」と決めた。日中っていうのは、仕事をはじめたらそれがそのまま仕事をしている時間帯になるから。朝早く起きて夕飯と子供のご飯の仕込みと洗濯物を済ませてしまう。そうすると、昼間子供が寝ている時間にしていた家事を意図的に「やらない」ということも実行できて、「完璧じゃなくていい」という肩の抜き方も一緒に体得できた気がする。「こうであるべき!」は一切必要なかった。

もう一つは「私だってやりたいことがあるのに!全然できない!」という焦りを「常にやりたいことがある幸せ」という思考に切り替えた。「時間ができたら休憩もできるし、やりたいこともできるのに!」と、焦らないようにした。人は常に「何かやりたい!」というモチベーションと、それができない葛藤で生を感じているじゃないかと。やりたいことがなくなったらそれは生きてる意味を問うことにもなってしまう。人はそもそも満たされない生き物なんだから、時間がないことに「焦る」ことって意味がないよな…と。人の条件は諸々ちがうし、最初から前提条件が違う人だっている。子育て中という条件に今いるだけなのだ。そしてやりたいことは時間を追いかながらやれる時にやればいいのだ。

同じことをやっていても意識が変わるとフッと軽くなることがある。だから「時間と勝負」したり「時間に追われ」たりと思うのはやめて、追いかけてみたい。そんなふうに意識を変える心がけをしてみた。

責任感を強くしすぎず、パートナーと仕事家事育児の内容(=時間)をなるべく共有して、意識を変える。ここはちょっと大変なハードルもあるけれど、頑張れば前向きになれるのではと思う。「逃げるように追われる」のではなく「まてまてー!と追いかける」へ。

そうすると、なんだか自然と「ここまでできていなければ」とかそういう義務感がなくなって、日々の生活を楽しめるようになった。

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