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ワークチェアと過ごす夏

 華麗なる夏休みである。もうとっくに言い尽くした、「嬉しいけど、また二学期の始まりが恐ろしいね」と。それでも、いくら言っても言い足りない憂鬱さをたたえているのが「9月」なのだ。
とは言え、とは言え! この「夏休み」とりわけ「まだ7月」の万能感よ。

 どんなふうに過ごしているだろう。
積極的に次々と予定を埋めることに奔走していることはない。なるべくのんびりしたいと思っているからだ。楽しいこともしたいわけだから、そのあんばいをうまく突きたい。
そんなこんなで、まだ始まって間もない夏休みなのだからさほど何もできていないが、今後の弾みをつけるためにも、ちょっと整理しておこうと思う。

 まず、夏休み初日は出勤だった。みんなで作業。自分は外での肉体労働が担当だったわけで、小一時間ほど従事した。
炎天。先を見据えて塩分タブレットを摂取しいしい、冷感タオルを首に巻き巻き臨んだわけだが、たぶん軽い熱中症になった。たぶんはじめて。ずっとあった睡眠不足も原因かもしれない。
今はもう大丈夫なのだが、一日くらいでは完全回復しないものなのだな熱中症、と知った。なにしろポカリが美味しくて、以来、なるべくポカリを持ち歩くようにしている。「夏は『ちょっとコーヒー飲もうかな』の代わりにポカリを飲むのがよい」とは、ふとTwitterで見かけた金言。気をつけよ。

 そして先日、ついに45日待ったワークチェアが届いた。


とても丁寧に、専属の業者さんが運び込んでくれる。せまくて申し訳ない通路を「触れたら爆破する想定?」と思うくらい慎重に慎重に二人がかりで。
見かねて、というより本当に恐縮して「あの、全然ぶつかっても大丈夫ですので」と言ってみたが、「アそうですか、ほな」とはならないのはプロの矜持か。
結果、最後まで丁寧に、もちろん一度も壁にぶつけることもなく設置と少しの組み立てを完了してもらう。
自分で言った言葉どおり、少々ぶつけられても本当にきっと特に何も思わなかっただろう。だから、作業終了後、なにやら嬉しい気持ちが胸に残り続けたのは、責任とプライドを持ってやり遂げた「プロの仕事」を見たことによるのだろう。立派だなぁ。


 椅子、座り心地はとても良好。ヘッドレストがあるのがやはり良い。リクライニングの使いこなしや、座面位置の前後、シートハイの高さ調節等、色々やってみてより快適性を求めていこうと思う。ちょっとした自由研究か。

 自由研究といえば、ベランダの観葉植物(というか、勝手にやってきていつのまにか大きくなった木)の葉に、3匹ほど蝶の幼虫がいる。
じっと見ていると、じっと見られていることが分かっているのかよというくらいの勢いでどんどん葉を食べる。上手だなぁと見惚れてしまうくらいに。
気づけば主脈だけ残して食べつくされた葉がたくさん。勝手に居ついた木とはいえもう長い付き合いならばそれなりに情はあり、こうして葉をぼろぼろにされるがままにしておくのはやや忍びない。でも、まだしばらくはいいか、という気も働いている複雑な心境。
ひとまず様子を見るつもり。葉は減るが、その分、日一日と育ついもむし。つい見てしまうのだ。

 そして今日、念願の図書館に行けた。「着るのはポロシャツ」、と変に意気込んでいた自分がおかしい。
とりあえず「新潮クレストブックス」の、ある時期から全然追えていなかった作品を一つ読みたくて探す。あとは、ライトなエッセイ。の計2冊を今回はひとまず。

 自分にしては午前の早い時間帯から動き出せた今日。一日が長くてとても良い。
このあと一旦昼寝するのもいいかもしれない。のんびり過ごすことこそが、この夏、自分に課すべき最大のお題なのだから。

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