見出し画像

映画「ロスバンド」とコンバースのグルカサンダル

 いやはやしんどい一週間だった。しんどさが単一のものでなく、複数要素によるものになれば、ステージは「しんどいの向こう側」に到達する。うぅ。
かなりの確度で共感しあえる人がいるのが不幸中の幸い。
「帰りますね!」と、なるだけ爽やかに仕事を切って、金曜日を退勤。

 まだ店も開いている時間帯だったので、コーヒーをテイクアウトして遠回りルートで歩いて駅へ。
最寄りに着いてもまだ真っすぐは帰らずに、本屋へ。
仕事につながる本ではなく、完全に趣味で一冊買おうと思って。
いしいしんじさんの『書こうとしない「かく」教室』を購入。楽しみ。


ファストフード店でひたすら無為な時間を有意義に過ごして帰宅。NBA系YouTubeを聞きながらいつのまにか寝落ちる。


 さて土曜日。
朝から歯の定期検診。「ものすごくきちんとしている大人な自分」を思える、そんな予定だ。
念のため早めに処置しておきましょうか、という2か所が見つかったので、2週間後に予約。
完全にストレスによるものだろう、最近あまり食欲がない。「食べたい」という思いに駆られない。それでいてアイスとか爆食いしたくなることもあるのだから、トータルで見ると太ったかもしれない。結論、アイスがいちばん美味い。

 そういうわけで、街に繰り出すのだけど「そっちで良いランチを」という選択にはならず、歯医者を出た近場つまりふだんよく行くカレー屋でランチ後、街へ。

 今日は映画。「ロスバンド」という青春ロードムービー。


先週観た「ウエスト・サイド・ストーリー」のときの予告編で知り、ア、良さそう、と思ったのだ。
ノルウェーのロック大会に出場するべく、キャンピングカーで縦断を決行。
北欧の、若い子によるロックもの、ということで、いつか読んで最高に最高におもしろかった小説『世界の果てのビートルズ(ミカエル・ニエミ著 岩本正恵訳)』が過ぎったのかもしれない。
映画は、肩肘張らずに楽しめる、良作だった。そのままだけど、レスポールを、フロントピックアップで弾きたくなった。


 今日おもしろかったのは、その後だ。コンバースのグルカサンダルを買った。
まさに昨夜、帰宅前に立ち寄った本屋で、久しぶりに開いたファッション誌で目にして気になっていたのだ。「いいかも!」と。
せっかくだから実物を試してから買いたいなぁと思っていた矢先、映画館出てすぐのところに移転オープンしていた通称「コンバースの聖地」にて発見。手に取ると、思っていた以上に良い感じ。
作りもしっかりしていてかっこいいし、コンバースらしさ満点でおもしろくもある。


「箱はどうしますか?」とお会計のときに訊ねられ、一瞬迷って「無しでいいです」。すると、横に座っていた好々爺の店主がにこにこと頷きながら「かさばるもんな」。
初めてここで買ってから20年くらい経つけれど、いつだって全選択を肯定してくれる店主さんなのだ。
あらゆる背景がひとつになって、満足のいく買い物ができた。気に入ったので色違いも買う、みたいな近未来が来たらいいなと変なことを思いついた。


 しかしつくづく、週末のnote、「書く前」と「書き終わるころ」で心持ちが全然違う。むろん、「書いて良かったー」。
本当に憂慮することばかりの日々なのに、書くと案外そうでもないようにも思える。
もはや口癖みたいになっているが、やはり思うことはひとつで、俺は、俺の土曜日を愛している。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?