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TMR編集室月報23.12|目ざめの音、眠りの音

Podcast「Temple Morning Radio(略称TMR)」編集・配信を担当する遠藤卓也の、お寺や音に関する活動月報

TMR/音の巡礼のこと

今治へ

【今治記①】取材のため、今治へ。初日は栄福寺の白川密成さんとあかねさんに会いに。初めての栄福寺は午後の陽光に眩しく照らされてとても長閑。滞在時間は2時間くらいだけど、もっと長くいた気のするような多岐に渡るお話をして、コロナ期間中に出ていただいたポッドキャスト「お坊さんとカルチャー放談」の雰囲気を思い出す。心地よい時間をありがとうございました。

密成さんと

夕方になって、取材先である大下島へいよいよ初上陸!

人口約50名の離島

【今治記②】インタビューをさせてもらう大下島 法珠寺 の加藤正住職とはかれこれ20年くらいの妖怪仲間。十数年は妖怪のイベントやご自身の妖怪版画作品の個展などで上京される度に、僕の部屋に泊まりにきてくれていた加藤さん。今回ははじめて逆パターンでお寺に泊まらせていただくことに。

お寺で二人で鯛めし弁当をつつきながらビールを飲み「明日は大下島の音も録りたいんです」とお伝えすると、印象的な音として「船の音」を挙げてくれたので朝5:20に起きて、録音機材を携えて港へ。

大下港にて

朝イチの小型フェリーが出て行った後に、中型くらいの船が港に入ってきた時、その人工音や振動でまさに島が目覚めるような瞬間が訪れた。海は波打ち、いっせいに鳥が声を出し始める。マイクからヘッドフォンに伝わる音の変化に身を委ねながら、これまでもこれからも繰り返される ”島の目ざめ” に思いを馳せた。(この音と実感はいつか記事にしたい)

魚を釣る人と音を録る人だけの時間

【今治記③】大下島での取材は無事に終わり、最終日は加藤さんが親しい、大三島 万福寺の浅野執持さんがたまたま今治に来られていたので、初めましての僕も厚かましく車に同乗させていただき、おしゃべりをしながら万福寺さんへ。

亀老山展望台にて加藤さんと

道中、隈研吾デザインの亀老山展望台や大山祇神社にも寄ってくださり、しまなみ海道の景色を堪能させていただいた。


浅野さんとはこれまでお会いする機会がなかったので、お寺も見させていただきながらじっくりとお話しをお聞きできてよかった。加藤さんが繋いでくれたご縁を嬉しく思う。

大三島の港にて浅野さんと

いつもいつも各地のお寺の皆さんのおかげで、良き旅のひとときを過ごすことができている。愛媛でお世話になった皆さま、本当にありがとうございます。

大三島から大下島に帰る加藤さんを見送る

南房総へ

真野大黒天

南房総市にある真野大黒天さんにお参り。別の会合への道中であった為、短時間ではあったが、山内の清浄な空気と、大切に守られてきた仏さまたちを感じることができた。

ご案内してくださった伊藤尚徳さんは、2022年7月にTemple Morning Radioにゲスト出演。トークを聴いて「ぜひ会いたい!」と思い、すぐにアポを取って南房総へ押しかける予定が、ちょうどコロナの流行時期と重なり断念したという過去があった。

今回、ようやく初めて会うことができ、共に時間を過ごせたことが嬉しかった。同世代で音楽好き、そしてお坊さん。仲良くなれないわけがない。初対面なのに、図々しくも親しげにおしゃべりをさせてもらえて楽しかった。
真野大黒天にはまた改めてゆっくりお参りして、何か音を録りたいと思う。

左から|松本さん、伊藤尚徳さん、久住謙昭さん、遠藤

お寺のこと

取材記事|愛知県名古屋市 真宗大谷派 長善寺 蒲池卓巳さん

『月刊住職 12月号』は名古屋の真宗大谷派 長善寺の蒲池卓巳さんにインタビュー!
お寺で開催するマルシェにて、参加者の「感」の動くような場づくりを心がけること。それによって、お寺に縁のなかった方でも仏教に触れる機会となったり、ものの売り買いにおいても関係性が深まる可能性が出てくるというお話し。
地芝居の活動もなさっている蒲池さんらしい表現で、自分にも深く響いた。


お寺のWebサイト制作|愛知県名古屋市 真宗大谷派 長善寺

そんな蒲池さんが住職を務める長善寺さんのWebサイトを制作させていただいた。
"ともに「かぶく」寺" という印象的なキャッチコピーを体現すべく、(お寺としては)少し尖ったナナメのデザインでせめている。デザイナーは内山真菜美さん、ディレクションを遠藤が担当。
蒲池さんは編集の腕もたつ方なので、今後様々な読み物コンテンツも追加されていく予定。お楽しみに!


味の巡礼

  • 白楽天(今治)

  • アポニー(今治)

  • 浪花寿司(今治)

  • 禄 ROKUSAN(今治)

  • 焼鳥亭まさ樹(池袋)

  • やぶ忠(柴又)


音のこと

9+1=0 901Editions Party@神谷町 光明寺

12/2(土)に神谷町・光明寺にて「9+1=0 901Editions Party」というライブイベントが開催された。イタリア人の Fabio Perletta さんから自身のライブ演奏とレーベルのショウケースとなるようなイベントを行いたいと依頼があった。Fabioさんは過去に、故・岡田晴夫さんと共作をしていたというご縁に驚き、イベントの当日までサポートをさせてもらった。

忙しい最中に(苦手な)英語でのコミュニケーションなど難しく感じる時もあったが、結果的に行われたライブ全ての演奏が素晴らしく、楽しいひとときを過ごすことができた。特に、外装工事中のお寺のテラスに組まれた足場を使っての即興インダストリアル・ミュージックは面白かった!

お寺でインダストリアル!

音のお仕事|「ゆるやか死生学」更新

制作を担当しているポッドキャスト「ゆるやか死生学」12月の新エピソードは二つ。

特に、リスナーからの実感お便りを読んで、話し手の尾角光美さんがコメントする「#6 お便り回②」はこれまでの講義が立体化する感じがあって、インタラクティヴ性の大切さを思う。(自分もお便りを読む役で出演中!)


仕事部屋のブックシェルフスピーカーを新調。お手頃なDALIのSPEKTOR2にした。 ジョアン・ジルベルト「三月の水」が気持ち良すぎて、聴きながらねちゃった。


2023年の10曲

毎年、一年間に聴いたたくさんの楽曲から、特に印象深い10曲を選んでいる。SpotifyとApple Musicのプレイリストも作ったので、2023年を思い出しながら聴いてみていただけたら。今からほんの20日くらい前まであった別世界。


2023年の聴き納め

2023年聴き納めは、イ・ランさんのライブ盤だった。
2021年12月に急逝された実姉へのトリビュートとして一周忌のタイミングで、ソウルで行なったライブから。

ご家族にとってはじめてのマイカーだったという「PRIDE」という名前の車をモチーフにしたアートワークが美しい。

歌声にこもる熱情。聖歌のようなクワイアの歌唱。以前から好きだった「患難の世代」という曲は何度聴いても、胸にせまるものがある。このライブではなおのこと響く。

彼女にしかできない追悼のかたち。眠りの音。


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