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恥をかいたら、どうしますか?

蕎麦屋に行く

「行きつけのお店」
その響きが大人っぽくって、なんだかカッコいい気がします。もうわたしは40代後半なので十分すぎるほど大人なわけですが、わたしにも行きつけのお店があります。

数週間前、行きつけのお蕎麦屋さんに行きました。混んでいるときは本当に混んでいるのですが、その日はたまたま閑散としていました。

わたしは女将さんに挨拶をして、ほんの少し会話を愉しんだりしながら、蕎麦を待っていました。

恥をかく

すると、女将さんがスッとわたしの方に来て…
「隣のお客様に足を向けるは止めていただけますか」と。

隣のテーブルとは比較的距離があったものの、確かにわたしは外くるぶしを膝に乗せて、半ば無意識的にお尻まわりのストレッチをしていました。足裏は、隣の人に向いてしまっています。机があるので脚が隠れて見えないだろうという浅はかな思考で、いい歳をして行儀悪い姿勢で蕎麦を待っていたわけです。

こころの中の混乱

もう恥ずかしくて、恥ずかしくて…。
「あ、すみません」と足を床に下ろします。

すごく大切にしているお蕎麦屋さんの、尊敬している女将さんに蕎麦を待つ姿勢、わたしの振る舞いで注意される。

「恥ずかしい」
「情けない」
「悲惨だ」
「俺は、なんてダメな人間なのだ」
 

からだの中の混乱

身体を観察します。顔の表情は強張っていて、肩周りに嫌な緊張が強く現れています。胸は硬くなり、呼吸も浅くなっています。腋からも汗をかいています。

恥という感情

「恥ずかしい」という感情は、先日、Instagramでも書いたように他の哺乳類には見られない特殊な感情だと言われています。わたし達人間を含んだ動物には、「たたかう」か「にげるか」という神経反応があります(闘争逃走反応)。その両方に同時にスイッチが入る混乱状態が、「恥(shame)」という感情です。

海外のドッキリ映像などをテレビやYouTubeなどを、きっと観たことが一度はあるでしょう。例えば、人前でドッキリを仕掛けられて、すってんころりんと転ぶ。あるいは学校などの集団の中で、あるドッキリを仕掛けられた一人にスポットが当たる。他にもさまざまなドッキリ、仕掛けがあります。

ドッキリを仕掛けられた人の反応は、驚くほどさまざまです。

ある人は怒り出します。
また、ある人は泣き出します。
ある人はキョトンと、無表情になります(フリーズ、仮死状態)。
笑い出す人もいます。

恥ずかしいときの反応は本当にさまざまです。

資格コースの模擬レッスンでも

ピラティスの資格コースをしている関係で、受講生の模擬レッスンを見させてもらうことがあります。受講生にとっては、今回のテーマである恥の感情が同じように湧きあがる場面です。

他の受講生を前にして、一言も発せなくなる受講生。彼女は動物が捕食されそうになって、いきなりコテンと動かなくなる状態であるフリーズ、仮死状態になったわけです(生理学的に言えば)。またとても早口になる受講生もいます。その人は怒りの状態、闘争逃走の闘争側のスイッチが入っているのかもしれません。

どう立て直すのか

話を戻すと、行きつけのお蕎麦屋さんでやらかしてしまったわたしも、同じように恥という感情が現れ、神経系の混乱が起きていました。身体の反応からわたし自身の状態をキャッチして、呼吸から落ち着けるように自分自身で誘導していきます。少しずつ少しずつ、自分を落ち着けて、蕎麦湯を飲むところまで神経系のコントロールを続けます。

「観察」と「自分への誘導(自己催眠)」が混乱から立て直す鍵となります。若干落ち着いたあと、自分に問いかけます。

「このお店のことは好きである。でもとても恥をかいてしまった。情けない。また後日、自分は健やかな気持ちでこの店に行こうと思えるだろうか」

足が重たくなるだろう、と思いました。

「気づかない間に自分は日に日に、行儀作法が悪くなって、素行が悪くなってきているのだろう。こんなに大切にしているお店で、無意識にそんな姿勢をしているのだから、もっと緊張感のない場面では、目も当てられない自分なのかもしれない(あちゃ〜)」

状況の分析と判断(からだを観察して)

これはお見送りしていただく時に、きちんと「恥ずかしいです。大変失礼しました」と改めて謝るべきだなと。咄嗟に指摘された後の謝罪ではなく、もう一度、落ち着いた状態で誠実に謝ることで、自分は楽になるだろうと。

そんなことを思って謝罪し、すると女将さんも丁寧に対応くださって(謝ることもないのに謝ってくださって)幾分、スッキリした気持ちで職場に戻ることができました。

再度、身体を観察する

もう一度自分のボディスキャン(観察)をすると、神経系も落ち着いていました。あとは残っている筋肉の緊張(身体的に残存している心理的トラウマ)を、ストレッチセルフリリースで取り除けば、「セッションクオリティを落とすことはないだろう」と。反省しつつ、安堵しました(チャンチャン)。

自分の振る舞い、素行についてはみっともないのでnoteに書きたくはないのですが、その後の自己調整は我ながらうまく出来たと満足しています。何より、恥という感情は皆さん自身にも、皆さんの周りの人たちにも頻繁に起こるものなので、参考になればと思って書いてみました。何某ら、お役に立てば幸いです。

最後に

投稿内容とは直接的にほぼ関係ありませんが、東京と大阪でボディワークの個人セッションとグループレッスンをおこなっています。またオンラインでも個人レッスンやカウンセリング(こちらは投稿内容と関係のある神経系に働きかけます)もおこなっています。必要に感じてくださったら、問い合わせください。

また3月19日に三重県松阪市、21日に奈良県生駒市でワークショップをおこないます。興味を持ってくださる方は、是非ご参加ください。

【三重県】エクスパンションピラティスとWS開催のお知らせ
【奈良県】お知らせ

最後は宣伝になりました。よろしくお願いします!

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