婚活

ついさっき、今朝、クライアントと少しお喋りをしました。彼女は婚活をしていて、婚活を通して知り合った友人の恋愛について質問を受けました。切実な質問というよりは、他愛もない雑談の類です。

友人は同い年の男性と知り合って、交際がはじまった。交際してすぐに彼の車(マツダのクロスオーバー)のドアを、彼女がシートベルトか何かを引っ掛けて傷つけてしまった。彼は「払ってくれるん?払ってくれるん?」と連呼し、彼女はドアの修理代として20万円余りを支払うことになった。さらに、修理の期間中の車が必要ということで、数週間のレンタルカー代金として20万円、計40万円を支払うことになった。友人は彼女(クライアント)に愚痴ったものの、今も彼を愛している。

「この恋愛について、どう思いますか?」といった、そんな質問でした。キミは、この恋愛どう思いますか?そして、僕になぜ、クライアントはこの質問をしたのでしょうか。単なる雑談だと彼女は思っているでしょうが、「ほうれん草が安かった」とか雑談の話題はたくさんあるはずなのに、なぜこの話題になったのでしょうか。

話を少し聞くと、(彼女の)友人の彼氏は消防士であることがわかりました。興味深いことに婚活会社に「消防士を紹介してほしい」という希望を出していて、たまたま消防士がその会社に登録していて、そこで知り合って…という展開だったそうです。

彼女の友人は、「消防士がいい」と要望した理由を「経済的な安定がある(失業の不安がないから)」だと言っているそうです。僕はそれが理由ではないだろうと思って「トヨタのような大会社の管理職でも、府や市の職員でも、まあ安定してますけどね」と返しました。

「それもあったかもしれないけれど、男性らしさ、逞しさのようなものを期待していたのかもしれませんね」

僕がそう付け加えると、彼女は思い当たる節があったようで、友人の離婚した元夫の愚痴などをよく聞いていることを教えてくれました。僕は人間の性(サガ)が哀しくも、同時に面白くも(愛おしくも)感じました。

「彼女にドアを傷つけられたと40万円も請求する、男らしさの欠片(カケラ)もない人ですけどね」

クライアントが帰った今、こういった僕たちの人生の滑稽さ(次の恋人に男らしさを求めた女性が、女々しい男に出逢ってしまい…)が、日々の物語には潜んでいることを味わい深いというか、少し反芻しつつ昼食を取りました。「どういった相手を望んでいますか」という婚活会社の問いに、「消防士」と答えている時点でこの流れは決められていたと思ってしまうのは、あまりに運命論者すぎるでしょうか。

 クライアントの友人のことはお会いしたこともないし、何も知り得ないので見当違いかもしれません。ですが、元夫との夫婦生活について。つまり過去についてもう少し向き合わないと、この消防士との関係云々に関わらず、どうあれ、あまり良くない方向に進んでいくのではないかという気がします。

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