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なるべき者になる、その道中で

月末に西村由美さんから依頼を頂いて、オンライン上で講師をさせて頂くことになりました。

「物語のようなグループレッスン(ワークショップ、セッション、講義...)ができるようになりましょう」ということが、講座のゴールになっています。

物語、或いは物語性のある○○

実際、人生は物語そのものです。歴史上の人物の一生はもちろん、名もなき人その人。善人だろうが悪人だろうが、どんな人の人生も物語があります。少なくとも物語性を持っています。

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裕福な家に生まれる。経済的には恵まれた幼い頃、父には暴力癖があり、度々虐待を受ける。思春期に両親が離婚、バブル崩壊や父の散財が重なり、家は傾き始める。母は学生時代に恋焦がれた男と恋愛関係になるが、その男に利用され、多くの金銭を騙し取られてしまう。そのことに気づいて、母を説得しようとまた行き場のない怒りを母に向けて暴力を振るってしまう。その姿を見た幼かった妹は事情もわからず、心を閉ざしてしまう。学校ではいじめられ、登校拒否になり、自殺を考え始める。死にきれず、格闘技をはじめ、状況を変化させていくものの、友達付き合いもうまく出来ず、恋人とも長く関係性を深めることもできず、人間関係に苦しむ。就職から数年が経ち、起業するも失敗。鬱になり、数年、引きこもり生活。食うか寝るか、死について考えるか、詩を書くか。投薬治療やカウンセリングでは回復することもなく、時間は延々と過ぎ去っていく中で代替医療、鍼灸治療と運動、身体に対しての働きかけ(トレーニング、後にピラティス、ロルフィングなどのボディワークへ)で回復(変容)。途中、母は病死、その後、父と数十年ぶりに会うことを決意。老いた父を受け入れる為に、自分自身の為に瞑想内観をボディワークと並行して取り組むようになる...

色々と端折っていますが、上の羅列は簡単な僕の人生です。もっと短くもできるし、長くも出来ます。名もなき僕ですが、こう書いてみると物語性を感じます(ただの羅列なのに)。過去の物語はこれからの物語をどう描くのかの参考になり、「自分を見つけること」の手助けをしてくれます。

自分を見つけること、自分は何のために存在しているのだろうか。
人生において、何が自分を幸せにしてくれるのだろうか。
正確に、自分は何者なのだろうか。
自らのどの部分から、自分は逃れようとしているのだろうか。

人生におけるかなり決定的な重要なヒントが、自分の人生の過去と現在に潜んでいます。

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人生という物語、この時間軸を1年、1ヶ月、1日と短くしていきましょう。さらに短くして、グループレッスンの1時間。目の前の参加者、どの人にも人生があり、それは物語です。提供する自分自身においても、勿論そうです。

例えば、ピラティスの代表的なエクササイズであるロールアップをする時に、目の前の参加者は何を感じているでしょうか。人生において、どういう意味があるのでしょうか。心の中にある感情や感覚、それを言語化すると一体どんなものになるでしょうか。

心地よさ、達成感、挑戦、不安、失望、戸惑い、違和感、充実感。

参加者の状況、背景によってそれらは違うかもしれません。いや、もしかすると同じなのかもしれません。同じ時間、同じ空間にいる訳ですから、場の共振によって何かがそこで生まれ、深い部分で共感し合っていることもあるはずです。

そして、レッスンを終えて、着替え、また日常に還ります。責任のあるポジションを任されて重圧で押しつぶされそうな人もいれば、退屈な毎日にうんざり気味の人もいるかもしれません。日々楽しく伸び伸び過ごしている人もいるでしょう。焦っている人、悩んでいる人、充実している人、ぼんやりしている人。参加者それぞれの日常も心の中も様々です。ですが、その1時間なり、レッスンの時間は目的や興味は違っても、より良い自分を目指してピラティスならピラティス、同じ取り組みをしたのです。

十分に、それだけで物語といえば物語です。でも、誰も物語だとは思っていません。人生にすら物語性を見出していない人がほとんどかもしれないですし、まして1時間にそれほどの価値があるとも考えていないはずです。

そこにこの講座を作った目的があります。

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インストラクターとして、良い物語の脚本を書くことができれば、つまり良いプログラムデザインができれば、どうでしょうか。インストラクターとして、良い物語の監督ができる、良い客演ができればどうでしょうか。

こういったことが考慮されているものとされていないものでは、潜在意識的なレベルではかなり大きな違いがあります。手前味噌ですが、それが僕のおこなうグループレッスンを多くの方が気に入ってくださる理由の1つになっています。そして、皆さんのレッスンやセッション等においても、同じことが起こることができるのです。

『WS情報【募集】プログラムデザイン~物語のようなレッスンを組み立てる~What & Whyレク』

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