Monthly Report 8月

前回に続き、毎月1度のペースで書く日記。今回が2回目。

前回から自分の中で色々と変化のある1ヶ月だった。気になっていたダイアログ・イン・サイレンスに行くこともできたし、友達に以前から薦めてもらっていた武術も体験しに行くことができた。武術についてはさらに面白くなって、入会もした。セッションや日々の生活の中でも気づくこと、発見があった。でも、こうして月1度しか文章として書き残さないと決めると、書くほどのことはなかったり、書かない方が良かったり、忘れてしまう程度のことが多い。そんなものなのかもしれない。

そういえば先日、「ピラティスでもっとも重要なこと、大切にしていることは何か?」といった質問を受けた。経営しているスタジオ(大阪のダゴバボディワークス)にながく通ってくださっている会員の方からだった。

筋力でもないし、柔軟性でもない。「ボディ・インエリジェンス」と答えた。長くおこなっていることなのに、すごく本質的な質問なのに、答えを準備していなかったので咄嗟にそう答えた。

ボディ・インテリジェンス。
身体の知性・身体に対する知性・知的な身体への向き合い方・知的身体観・身体的知性・身体を内観していく際の集中力etc...。
英語としてどうなのかは置いておいて、いくつかのニュアンスを併せて、ボディ・インテリジェンス。それの回復や育成が、ボディワーカーとしての自分の興味であり、役割の重要な1つなのではないかと思う。自分の先生であるエド・モーピン博士は、アウェアネス(気づき)だと言っていた。

振り返ると、自分は椎間板ヘルニアと腸閉塞を同時に患って数ヶ月入院生活を余儀なくされた時期があって、一時的に生殖機能も麻痺して失ってしまった(今は回復しています)。また同じように一時的に、排便の制御も麻痺してしまった(今は回復しています)。入院先で医師に確認するように言われて、射精ができなくなってしまったことに気づいた時。歩行器で近くにある個室のシャワー室に何十分とかけて入り、服を脱いでシャワーまで歩いて振り返ると、自分の便が床に落ちていたのを見てしまった時。あの時の呆然とした途方に暮れた瞬間から、自分のピラティスは始まった。ピラティスはリハビリから生まれたもので...とよく言うけれど、実際にリハビリとしてピラティスを使った。入院先のベッドで背骨を動かすことからスタートしたのだった。同じことをもう一度しろと言われると心底嫌だなので、我ながらよく頑張ったと思う。そんな状態からボディ・インテリジェンスが役立った。それしかなかった。だから、エクスパンショナルピラティスでもっとも重要な要点はそこだと思う。

そして、武術。まだ2回しか稽古していないので浅はかな理解かもしれないけれど、徹底的な反射を求められる部分が色濃くあった。瞬発力の必要な、尚且つ相手がいる複雑系の世界。「多裂筋と腹横筋のつながりを感じて息を吐きながら、大腿骨が内旋をともないながら伸展していく時に...」といったことを感じながら身体を動かすことは当然できない。ダンスでも野球でもなんだってそうだ。意識下に浮かび上がらせる身体感覚を無意識下に落とし込む必要がある。自分をここまで回復させることができたのは、ボディ・インテリジェンス、ワークアウトではなくワークインしていく身体の内側に入っていくことだった。自分自身の身体が次のフェーズにチャレンジできる日が来たことは、とても嬉しい。今まで以上にピラティスをする必要があるし、今まで以上にワークインしていくことが役立つだろう。



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