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セラピストの条件

例えば、「政治家を名乗るなら、国民(県民、市民、町民)のことを第一に考える人であって欲しい」といった希望のようなものが、ヨガにおいても、ピラティスにおいても、セラピーの分野においても、私にはあります。

○○と名乗るなら

ヨーギ、ヨーギニ(ヨギーニ)と名乗るなら、アーサナヨガに取り組む時も、そうでない時もその文化体系に基づいた在り方をして欲しいと思います。お酒を呑んでは泣き叫んで周りの人を困らせたり、後輩に意地悪をしたり、嘘・大げさ・紛らわしい言動をして、周囲に悪影響を与えている人がヨガ講師などと名乗っていたりすると、「脳も筋肉なんかいな、アーサナの練習の前にやることあるんちゃう?」と、他人事ながら思ってしまいます。八支則を言えるかどうかなどではなく、体現できているかという在り方の話です。

ピラティスは哲学のようなものは直接的に付随しませんが、ピラティスならではの色香というものがあって、普段の立ち方や椅子の座り方などよく言われるところですが、それに留まらず、ピラティスの色香が反映された話し方、立ち振る舞いというものがあります。ツンツンしていないのに、品があるといった感じというとイメージしやすいのではないでしょうか。

セラピストと名乗りながら、他人を無配慮に他人を傷つける言動を取っている人も見かけます。とても残念な気分にさせられます。生きていく中で、他人を傷つけてしまうことは無論、あるでしょう。ただ、省みる(かえりみる)態度のようなものがセラピストには求められると思います。

「さっき、ちょっとキツい物言いをしてしまったかも」と、いったように。

こんな世情だからこそ

残念ながら、国の中枢にいる政治家は国の為に働くことなく、私利私欲に走り、震災復興も過去の経験も活かされている様子もあまりなく、嘆かわしい状況です。今、被災した人たちにセラピーをできる政治家はいないのでしょうか。セラピストとは生き方、社会との関わり合い方の態度のようなものですから。政治家には今こそ、セラピストになって欲しいと思います。

政治家に限らず、私たち国民もおおらかさを失い、自分の人生の満たされなさを、破廉恥な芸能人に石を投げて誤魔化している始末。芸能人のスキャンダルに憤る正義感の100分の1でもあれば、目の前のお年寄りの席を譲ることも、道に迷った人に話しかけることもできるでしょうに。

そんな盲目時代だからこそ、セラピストという肩書を名乗る人たちは、普段の在り方もセラピストでいて欲しいのです。また、共感くださる方はあなたがヨガ愛好家であっても、ピラティスインストラクターであっても、或いはシステムエンジニアさんであっても、周りの人にあなたの振る舞いを通して、セラピーをして欲しいと願います。トイレの清掃員さんに、駅員さんに、バスの運転手さんに、飛行機の乗務員さんに、コンビニの店員さんに。表情や言葉、話し方、聞き方、在り方を通してセラピーが、誰にでもできるはずなのです。

原田伸郎さんの柔らかさ

昨夜、行きつけのお寿司屋で、芸能人(フォークシンガー、コメディアン)の原田伸郎さんと隣になり、数時間、時間を共にさせて頂きました。最初から最後まで、ともかく「柔らか」だったのが衝撃的でした。物腰、雰囲気、話し方、エネルギー。なんと言えば、伝わるでしょう。程よい心地よい温度のお風呂というか、テレビで話すギャグを話し、寿司屋の大将と歌い、自分も他人も楽しく、心地よく、場を整える。原田伸郎さんは、まさにセラピストでした。

仕事柄、たまに芸能関係の所謂、セレブリティの人と関わることがあります。多くの人は良い人たちで、私はピラティスの専門家やセラピストという必要とされる役割で作られる関係性なので、嫌な思いをすることは稀です。ただ、彼らの中には壁を作ることで安全を保っている人が少なくありません。当然の防衛反応でしょう。でも、原田伸郎さんにはそれ(壁)がなかったのです。

「先生をしているんですね。先生は上に立とうとする人がいるけれど、上に立ってはいけないですよ。でもね、下に行ってしまってもいけないんやよねえ」

ギャグや笑い話とともに、年長者として、何か気づきを与えてくれるような言葉を、そっと、厭味なく置いていってくれます。説教くささもなく、心地よく、沁みる。

みんなを笑わせようとギャグを言い、常に心地よい自然な言葉選びで、一人称が"ぼく"で、ラジオやテレビのままで、実際、その時間、彼は上に立つことも、下にへりくだることもなく、ちょうど良い塩梅で見事に、一緒にカウンターで隣にいるその在り方で示してくれていました。完全な言動一致で、そして柔らかく圧がないので、スーッと染み入りました。「ひえ〜、なんちゅうセラピストや」と、子供の頃にテレビで観ていた芸能人に一本取られてしまいました。

良い夜でした。

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