ー2024 年4月薬学部入学者へー 6年制第1期生として薬学部を卒業した薬剤師が、もしも 2024 年 4 月に薬学部入学していたとして、薬剤師の資格が欲しい場合、きっとこんな6年後までの戦略を考えて過ごすよ という記事 その4[薬学部 2 年生 ◯◯実習を念頭において]

薬学部1年生時点までの前提が以下になります。


グループ1:
国立薬学部学生 及び 私立薬学部 入学偏差値60以上

1年生時点で
大学入試時点における もやもやをふっきっているという前提

ーーー
グループ2:
私立薬学部で薬剤師国家試験合格率 及び ストレート合格率がある程度高い

1年生時点で
学校になじみ、そこまで無理のない日常生活サイクルを築き、GPA 低過ぎも高すぎもない か、偏っている場合は環境レベルで補正に十分トライできている という前提

ーーー
グループ3:
私立薬学部で薬剤師国家試験合格率 及び ストレート合格率が 芳しくない学校の学生

1年生時点で
受け身でない環境づくりにある程度成功している、もしくは、成功していないため、お金、時間、頭の投資方法を具体的に実践に移している という前提

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薬学部2年生では
平日午後~夕方 複数人での実験+レポート作成等がメインになる
「◯◯ 実習」が始まります。

これをふまえ、2年生において
所属グループによらず、数多くの実習経験を通じて
自分の性質 の 理解を深めること
進路の再検討 特に「薬学部卒業しないパターン」における
多様な選択肢の自覚

が重要な戦術と考えます。


以下、具体的に説明します。


実習は
「ある程度 閉鎖的で選べない人間関係の中、一定期間一人で完結できない作業を協力して行い、評価される」環境です。これは特に 薬局・小さな病院など での仕事におけるあなたが受けるストレスの縮図となります。

また
「各分野における特徴的な動作、作業、考え方に対して 偏った強み/弱み」が各自に存在することが、この1年である程度明らかになると思われます。

具体的には
ガラス器具の取り扱いの得意/不得意、ピペットマンによる操作の得意/不得意、実習計画の読み取りの速さの違い、実習計画作成における見通しの良さ/悪さ、ちょっとした時間集中して待つ作業に対する適性、周囲に対する自身の影響の与え方...などです。


実験は3年生になると 医療系も多くなり、4年生では実務事前実習へと バージョンアップしていくイメージです。2年生時点で 少し苦手意識がある部分は以降で修正していく や、今度の実験はがんばろうぐらいの意識でよいのですが

「自分は◯◯は、なんとしても避けたいぐらい、いやだ」
といった性質が存在する場合は、以降もそういった作業が避けられない可能性が高いです。

こういった いうなれば
薬学生としての進路を 心から阻害するような自分の性質があるかどうか 

また、逆に
「◯◯は本当に楽しい」であったり を意識し、認識するきっかけとすること

及び、自身の得意・不得意 の分析
「どれも 心から楽しい わけではないけれど、・・・はきらいじゃない、こういった作業はやや得意かもしれない、逆にこういった作業で つい 後回しにしてしまうくせがある...」 の きっかけにすること が この時期の最も重要な課題であると考えます。


なぜそんな自己分析のようなことが必要なのか、ということについては、
回記事 薬剤師国家試験の分析
を ぜひ思い出してみてください。


国試の勉強が、偏りがあると 得点が伸びていかない構造にある という点をふまえると、極端に悲観的な例を創作するのであれば

薬学部2年時点において各種実習経験をふまえ、自身の性質を理解しておかなかった

→国試勉強の時点でようやく
「振り返ってみれば、2年生の頃から 生化の話はよくわからなくて、染めたからなんなのかと思っていたし、ピペットで混ぜるのだけうまかったけど、実習レポート丸写しでのりきってたんだよなぁ…」といった形で自身の性質を認識。自分の苦手に向き合ってこず、克服の工夫もしてこなかった状況

→生化系がずっと足を引っ張って 模試3回目でも 180 点ぐらい、不安と焦りで 得意な科目の勉強も固めることができないで、最も直前で点が伸びる時期にメンタル最底辺、動画で受け身の勉強している雰囲気だけ作って本番をむかえ、確信の持てない2択を積み重ねて、残り 10 点足りずに不合格、これなら来年受かるでしょ と 考え浪人してみたが… 

といった一つの流れが想定できます。


どんなに薬剤師の資格が欲しくて薬学生になっても、100 人にいれば、1~5 人程度、そもそも本当に向いてない人がいます。また、10 ~ 30 人程度は、あんまり向いてない人がいます。

薬学部2年生では、薬学カリキュラムの大体全ての基本パターンを経験し終わる時期といえます。そのため、2年生までの、特に◯◯実習 における多様な経験をふまえた 自身の適性把握、進路の選択肢拡充こそが大切であると考えます。

ーーー
次に、進路について、個人的な意見ですが
そもそも薬学生でなくても
日本人であれば、30歳 未満には 公務員があることを忘れないで」です。
公務員試験は 年齢要件しかなく、例えば中退でも 30 未満なら 受験 OK です。

これ、かなり心がほっとしませんか?費やした学費も時間も決して 無駄になることはありません。そして、大学入学まで、及び大学1~2年までに学んだ知識が十分すぎるほど活かせます。

具体的には
・国家一般職 化学職
・食品衛生監視員
・都道府県 化学・衛生職 をはじめ

情報系に苦を感じないのであれば
・国家一般職デジタル・電気・電子
・地方公務員の IT 区分
・国税専門官 区分 B
・財務専門官
・労働基準監督署 区分 B

などが、ほんの一例として、進路先にあげられます。


さらに、理系区分や化学系の区分にこだわる必要も、ありません。近年 公務員試験では、文系専門科目としての法律、経済学等を 筆記試験で課する所はどんどん減っています。原則として教養試験のみで大丈夫です。

薬学専門科目において、薬事法など、少し法律についてはかじっているはずなので、そのあたりが楽しかった人であれば、公務員試験の勉強を通じて法律について知見を深めていけば、新たな道が広がっていきます。

じゃあ実際の勉強は... などと考える必要は、薬学2年生時点においては不要です。しかし、選択肢を早めに意識しておくことは、とても精神衛生上よいと思われます。


以上です。

まとめると、薬学部2年生は 実習が始まる時期
グループによらず

自分の性質 の 理解を深めること
・進路の再検討 特に「薬学部卒業しないパターン」における多様な選択肢の自覚

を意識して 過ごしていく、学んでいくことが戦術として重要であると考えます。

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