ー2024 年4月薬学部入学者へー 6年制第1期生として薬学部を卒業した薬剤師が、もしも 2024 年 4 月に薬学部入学していたとして、薬剤師の資格が欲しい場合、きっとこんな6年後までの戦略を考えて過ごすよ という記事 その 3

2024 年 4 月薬学部入学生を おおまかに3つのグループに分類し、薬学部1年生までの戦略について公開済です。

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本記事は、薬学生として1年目以降の過ごし方を考えるにあたり、ゴールである薬剤師国家試験について試験概要、必要な勉強のイメージの認識共有を目的とする 記事 になります。

【薬剤師国家試験 概略】
必須 90 理論 105 実務 150 問 合計 345 問
1問2点、大体 225 問正解をとればいい試験
合格者数は大体 10000 人になるよう調整され
合格率は 70% 弱


ほとんどの薬学生は
6 年生の時に 薬ゼミ模試(本番と同じ 345 問の模試)を 3 回受けて
その点数の推移で 勉強の進度を確認させられる

模試平均点が 回ごとに 上昇する傾向が見られる
初回模試の平均は 120 点 程度
2回目模試の平均は 160 点 程度
3 回目模試の平均は 200 点 程度
→国試本番で 合格 というのが 目安 の流れ

・120 (3.5割) → 160 (4.5割) → 200 (5.5割) → 240(6.5割)
のステップ がある とイメージしておくとわかりやすい印象

前提として、薬学部 6 年生まで進級し
薬剤師国家試験を受験する 学生
= CBT はクリアしてる
= 必須問題レベルについて、実務を除いた 6 割は取れる実力はミニマムとして保証されている

そのため、必須 50/80 はデフォルト
理論 30/105、実戦  40/150  ぐらいが初期状態


グループ1の大学生、つまり、国立大学生や上位私大薬学生も、始めの模試は 120 の段階が多い 
← 薬学部でのカリキュラムを受け、単位を得ただけだと 120/345 問 (3.5割) 正答がデフォルトである試験であるということ

特殊な点数 アップ のための作業が必要な試験 
= 過去問演習を通じた 得点力 up が必要な試験

過去問という「同じ問題セット」からの学習力の差
+「そもそもの時間問題」が
合否を分けることになる試験が
薬学生には待っているということ

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120 → 160 のステップは
必須の得点率 up + 実務問題慣れ
例)アムロジピンね、たしか Ca チャネル...だよね?
→アムロジピン Ca チャネルは 100% 自信ある!

160 → 200 のステップは
必須+α 問題のある程度の得点率 up
過去問知識の 必須ー理論ー実務 の関連化がある程度進行する
例)アムロジピン → Ca チャネルの分類まで 理論で出てたな
L 型だったよね確か、降圧剤だから ACE,AT,...あたりが理論の 問 153 でみたやつで、実戦では、使われていたのが 20 歳の人で、なんかの副作用が問われていたことがあったよなー

200 → 240 は
必須、必須+α の 高い得点率 get が
まんべんなくできるようになること」

あいまいを減らし、確実が増えている
例)アムロジピン → L型、降圧関連で連想するのは 1:エナラプリル → ACE 阻害 代表的副作用 空咳、ブラジキニンと同じ...  機序問われたら、この図見て考える... 

240 と書いたが
この段階で 260 ぐらいまで 誤差がある。


260 ~ 300 超え あたりは
「合格に不要な勉強 まで できた人」のゾーン であり
だからこそ、このゾーンへ行った人が「必要」と思うことが
ほとんどの人にとって不要である
という点に特に注意が必要な試験である

例)
・漢方マスターレベル など
・有機化学 大学院試 記述レベルまで 深める
・薬物動態学 複雑なパターン演習
・薬物治療学 治療薬マニュアルの
細かい内容や添付文書を自分なりにまとめていく など


・伸び悩みがちな理由はシンプルに
勉強時間の配分問題 

得意な科目のみをやった場合 120 → 240 までの学習のうち
一部しかできていないことになる。

この伸びは「アミノ酸スコア」に似ていて
苦手分野が残っていると、そこに大きく足を引っ張られる

このため、ある段階から
勉強時間をどんなに増やしても
スコア不足の科目の勉強が 160 → 200 段階未満のまま
→ トータル点数が 200 付近をうろうろする
→このペースの伸びなら 浪人すれば大丈夫 と(当然)考える
→無駄な勉強を重ねる というループに
入りがちなゲームといえる。


この構造を意識した上で
勉強における科目バランスを考え、かつ
自分の健康状態やメンタルを整えつつ調整が試験合格には必要

そして
薬学生という集団の中で、本番において
大体 65% 上位に入る必要がある と考えれば
そりゃあ 平日ルーチンが整いやすい現役有利、宅浪不利

結果、現役が上位を占有するから
浪人生にとっては倍率が高いゲームになる。

このような試験が待っている中で
2年時以降、薬学生としてどうすごすべきなのかについて、次回の記事以降でさらに戦術を考察する予定です。本記事は以上になります。

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