見出し画像

結婚報告で20年来の友と疎遠になった話

表題の通りだ。女の友情なんて、砂上の楼閣。
20年もの月日をかけて立派に築いてきたように見えても、所詮それは砂。ちょっとしたことで、音もなく静かに崩れていく。


これを書こうと思ったのは、私の29歳の誕生日の日だ。

…私には、20年来の幼馴染、兼、親友(と思ってた)がいる。その子とは小学1年生の頃からもうすでにニコイチのような関係で、小学校時代途中でクラスが分かれようとずっと仲良しだった。
中学にあがって久しぶりに同じクラスになり、それからまた仲良しに。高校と大学は違ったけど、社会人になってからも頻繁に会ってはよく遊んだ。

そんな仲の良かった友だちだからこそ、
結婚という人生のひとつの祝福を、心から祝ってもらえていないと感じたことが寂しかった。

結婚報告は入籍の1週間くらい前。
仲の良い地元の友だちとの3人グループLINEで結婚報告をした。
その子からの返事は、こんな感じだ。
------------------
ちょっと待ってついてけないw
けどけど、おめでとう!
ちょ、また連絡するわw
------------------
それ以来、その子から「おめでとう」という言葉を聞くことはなかった。

もともと1年前から付き合っている人がいることは伝えていたけれど、お互い恋愛について話すような仲でもなく、私も「聞かれなければ自分の話は特にしない」タイプだった。こと、惚気とか自慢になってしまう話は尚更だ。

だから、あっさりした返答が来ても、そんなもんかと思いつつ、けれどやっぱり、この時点ですでに、心に少しのささくれができたんだと思う。

それから、ちょっとしたことがきっかけで、私からその子を遊びに誘った。その子の家で好きなアニメを一気見しようと誘った。

結婚の話は一切触れず、あくまでいつも通りに。
結婚報告をしてはじめて直接会った。

いつも通りの会話で楽しかったけど、
やっぱり「おめでとう」の一言もないんだなと少し寂しかった。

「私が逆の立場だったら」

こんな考え方がよくないのはわかってる。
人それぞれ考え方や受け止め方が違うのは当然。

だけど、親友に対して思わずにはいられない。

「私が逆の立場だったら」

私が逆の立場だったら。28歳独身で結婚願望はあるけれど恋人がいない状況だったら。

それでも私は、その子が結婚したら超超超嬉しいし、喜ぶだろうし、結婚祝いどうしよう!と楽しみながらプレゼントを選ぶだろうし、直接会ったなら、相手のこととか馴れ初めとか、根掘り葉掘り聞いてしまうだろうな。

そう思っていたから、自分に向けられた反応が寂しかった。

そして、29歳の誕生日。
その子からは毎年、長文のお祝いメッセージを受け取っていたけれど、結婚報告をしてからの誕生日LINEは
------------------
誕生日おめでとう
------------------
一言だけだった。
普通の友だちだったなら、わざわざLINEをしてくれるだけでとっても嬉しい。

でも、どうしても、そっけなさを感じずにはいられなかった。去年、一昨年と、今まで送ってくれていた熱いラブレターような誕生日メッセージとは、打って変わってしまっていたから。

「いい歳にしてね」とか、「今年も遊ぼうね」とか、そういう一言さえくれなくなったんだな。

親友だと思ってたから、そう思ってしまった。
それと同時に、私の中で"もう傷つきたくないフィルター"が確かに作動した。

結婚したからだろうか。
28歳の、世の中で言う"結婚適齢期"とやらで結婚できて、人生順風満帆じゃん。

て、思われたからか。

妬み?嫉み?

それ、表面しか見ない、想像できない人が持つ感情じゃないか。

寂しさ、悲しさという気持ちから少しずつ暗いドロドロが滲み出てくる。

私だって、無傷で結婚できたわけじゃない。

思えば、婚活をはじめたのは21歳の頃から。
それから28歳までの約8年間、街コン行ったり合コンしたり、縁結びの神社に行っては毎年のようにお守りを買い、神様にお祈りもした。
とにかくアクションしなきゃと、必死で婚活をしていた。

昔から結婚願望が強かった。
お嫁さんになるのが夢で、自分の家庭を持つことが人生の大きな目標だったから。

けれど中学時代、男の子たちからひどいイジメを受けて"男性恐怖症"になった。多感な時期に受けた傷はそう簡単には治らず、高校3年間もとにかく男性を避けて生きてきた。
大学時代、男性恐怖症を克服したくても、なかなかうまく話すことができない。
自然な人間関係から恋愛に発展させることができなかった私は、婚活市場に出た。

何回、街コンに行っただろうか。

20人くらいとLINEを交換したけれど、誰一人から連絡がくることはなく、唯一連絡が来たと思ったら、隣にいた私より若い女の子と勘違いされていたこと。


いい感じにやり取りが続いたと思っていたけれど、途中で返事が来なくなったこと。

会う約束までしたけれど、ブロックされてしまったこと。

多忙な平日を抜け、ようやく辿り着いた貴重な土曜日の昼を使ったのに、会った男がマルチ目的だったこと。

待ち合わせ場所に着いて30分。「着きましたよ!」「どこにいますか?」とLINEしたけど、相手が来ず、LINEブロックされていたこと。

相手から映画館の誘いを受けて、どうしようかと1日悩み、既読を付けなかっただけで「死ねばいいのに」と返事が来たこと。


聞くだけなら、たいしたことない。婚活では、よくある話。と思われるかもしれないけど、私はそのたびにしっかり傷ついていた。
もう街コンの男は嫌、婚活市場に出たくない。そう思って婚活をお休みした時期もあった。

それでも、それでも、私は結婚したいと思える人と出会いたかった。
できるだけ傷を負わないように、自分の歩幅で続けられるようなやり方で、また婚活をはじめた。

すごくすごく勇気がいた。
傷つかないように…なんて慎重になっても、やっぱり落ち込むことはたくさんある。
それでも、私は続けた。

そうして約8年。
今の夫との出会いがあった。

私の人生は、誰かに嫉妬されるようなものじゃない。

たくさん辛い経験をしてきた。こと恋愛においては、普通の人が負わなくてもいい、イジメのトラウマというハンデを持ちながら。

あの子が私に嫉妬しているんだとしたら、本当に虚しい。
私の表面しか見えていない、私の表面しか想像しようとしていない証拠じゃないか。

そんなふうに考えてしまう。

来年のあの子の誕生日、私は生後2ヶ月の母になっている予定だ。きっと、報告もしないし、誕生日のメッセージも静かに見送るだろう。

故意に避けるつもりはないけれど、
私からあの子に連絡することは、きっともうないと思う。




やっぱり寂しい。
このnoteで、もうこの感情を成仏させたい。
そう思って心のモヤを書き残す。
2022.11.19 8:19










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?