親知らずをでかい病院でちょっとチャラい先生に抜いてもらった話

「神経に近い親知らずなので、もしかしたら舌とか唇にまひが残るかもしれないですね。出た場合もほとんどの人は1週間とか2週間で収まるし、長引いても3カ月とかで治ります。ただ、その中でも数人の人はマヒが残って1年~2年治らない人もいます。こればかりは、神経に触っているものを動かす場合は医者がどう頑張っても防げないので、ご理解くださいね」

最初は「ふ~ん」と思ってたし、まあそんなにない話なら大丈夫っしょ、と思っていました。弟も母親も下の親知らずを口腔外科で取ってたけど、そんなことなかったし。

と、思っていたんですが。抜歯の日が近づくごとに恐怖感はマシマシです。一度片方の親知らずを抜いてるのに、めちゃくちゃに怖い。というのも、片方の親知らずは近所の先生に抜いてもらえたんですが、今回抜きにいったのは大きい病院。最寄りの先生から「神経に近すぎてうちでは抜けないので」って紹介されたんですね。紹介先の先生はもちろんでかい病院の先生なだけあって、去年は1000本くらい親知らず抜歯してたくらいなので腕はいいはずなんだけど、なんとも怖い。だってなんだかちょっとチャラかったんだもん。と、そうこうビビってる間に当日になり、ガクブルしながら診察室へ向かったわけです。

待合で待っていたらすぐ呼ばれた。もうびっくりするくらいすぐ。予約してたから当たり前って言えばそうなんだけど、気持ちが全然できあがってない。深いところの親知らずだから、麻酔効かなくて痛かったらどうしようとかマヒが残ったらどうしようとかそんなことばっかり考えていました。というかそもそも歯医者が怖い。あの無機質な器具何?

通された診察室ではラジオがかかっていました。
ええ~~!?!?初めてやけどそんなん!?!?って思いながら診察台へ。目の前に台があるんだけどそこにもう銀色のなんか怖そうな器具がザっとおいてあって、しかも麻酔薬が入ってるみたいなでかい注射みたいなのもある。怖え。弟が別のところで抜いたときは、麻酔の効きが悪くて神経に直接ブスーーーッとされてあほほど痛かったみたいで、その話が脳内を駆け巡った。

「体調悪いとかないですか~?」って先生がきいてくれる。先生はめちゃくちゃ優しい感じ。ちょっとチャラく見えるけど柔和な関西弁を話すからこっちもちょっと落ち着いたから「めちゃくちゃ緊張してます」とだけ言っておいた。「深いとこにあるだけで、やることは前に抜いたとこと同じなんでね」と言われたけどその深いのが怖いんじゃい。とは言わずにおとなしくなる私。

そして始まる麻酔。奥の歯茎に打たれるのはそんなに痛くないけど、歯と歯茎の隙間に入れられる奴はちょっとチクっとする。チクっとするだけ。このときからなんとなく「前よりも効いてる気がすんな」って思っていました。そしてかぶせられるシート。口元にだけ穴があいてるやつ。

「表情が見えないので、痛かったら手をあげてね」と言われ、(言われなくても秒で上げるぜ)と思っていざ決戦の時。

結論から言ってしまうと、一回目よりもすぐに終わったんですよ。やっぱり先生の腕が、難しいやつを年間1000本抜いてるだけあるのか。15分くらいでほとんど終わってますよ~って言われてました。

案じてた痛みは全然ない。ちょっとしみたから一回だけ麻酔追加してもらいましたが、それで完全に大丈夫でした。それよりも抑えられる顎が痛い痛い。もう顎閉じないんじゃないかと思いました。そんななか先生は「顎がガクって言いますね~笑」って。知ってます。顎関節症なんですわ。
と、そんな軽口を挟んでくれたこともあって気持ちは結構軽かったです。前に抜いた先生は淡々とこなすタイプだったので、緊張感が少しあったのかもしれない。

今回の先生の何がよかったかって、まずひとつひとつ状況を教えてくれること。水が出ますよ~とか、音がしますよ~とか。私の親知らずは下に埋まってるやつだったので、歯茎と骨削って、親知らずの頭切って、残った部分を引っこ抜くやりかたで、「いま頭の部分取れましたよ~」とかいってくれるのもうれしかった。
で、もう一個、めちゃくちゃうれしかったのが合間合間に「口閉じていいですよ」って言ってくれたこと。これが本当にうれしかった。もちろん「私の顎外れてないですか!?」って不安を解消できるのもうれしいんですが、そもそも顎がすごく疲れるんですよ。なので、数秒でもいいから閉じさせてくれるのは本当にありがたかった。やっぱり経験値の差なのかな、と。いや、もしかしたら先生も「顎外れてんじゃねえか」って思ったんかもしれん。

そんなこんなで下が終わり、次は上。下が終わってから麻酔をされたんですけど、上の麻酔が一番痛いですよね。なんでなんだろう。まあ抜かれるときは痛くないっしょ、と思ってたら結構な衝撃でびっくりして手をあげたんですが、その一瞬で終わってた。びっくりしたわ。

と、そんなこんなで次回の抜糸の話コミコミで30分。ほんとにすぐ終わって、やっぱり優秀な先生って違うんだ~なんて思ったのでした。ごめんねチャラいとか言って。ちょいチャラとか思ってごめん。そんなの関係なかったね。

ところで私は「親知らずを抜いて腫れたらネタにして友達に写真を送ろう」って若干ウキウキしていたんですが、一回目は全然腫れなかったんですね。で、今回については事前に先生に「今回は前よりも深いから、腫れると思います」って言われてたのでこれまた若干ウキウキしてました。が、結果は撃沈。ちょっとだけぷくっとしてましたが、おたふく風邪のように腫れることはありませんでした。なんでなんだろう?下の埋伏の親知らずって、腫れやすいってよく聞くのに。

ついでに言うとめちゃくちゃ恐がっていたマヒについても全く問題なかったです。イエーーイ。

と、そんなこんなで私の親知らず×4はすべていなくなりました。めでたしめでたし。


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