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『小説 ゲゲゲの鬼太郎〜蒼の刻〜』を読んだ

2022/9/6、読了。

幼い頃からゲゲゲの鬼太郎が大好きで、文庫オリジナルの物語が読みたくて購入。アニメ第6期の脚本担当の方々による原稿である。

『妖怪おとろし』は、大人も楽しめるダークな要素が目立つ第6期ならではのかなり攻めた展開で驚いた。たしかに妖怪とは、受け入れ難い現実を変形してひとまず処理するための概念という面も持ち合わせる存在であるのかもしれない。別作品になってしまうが「妖怪のせい」だと言ってしまえば救われることもあるのだろう。

『ぬりかべ』は、普段寡黙なぬりかべ視点の意欲作。鬼太郎をめぐる複雑な気持ちや、自分の存在意義について悩むぬりかべを垣間見ることができてレア。ぬりかべってそんなこと考えてたのね。

その展開なら別に鬼太郎キャラを使わなくても成立するのでは?キャラ崩壊していないか?等疑問を抱かざるを得ないものも散見されたが、時代と共に上手くキャラクターをマイナーチェンジしてきた「鬼太郎」というコンテンツにそんな文句を言うだけ野暮なのかもしれない。直近の5期と6期を比較しても全くの別人なので、パラレルワールドとして楽しむのが正解なのだろう。続きものの短編集もあるらしいので気が向いたらまた買うかも。

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