学生FDの経験を振り返る
「FD」という言葉をご存知だろうか?
小学生の頃、学校で初めて触ったPCがWindows XPで、データを保存する時に使ったやつ?
それは、フロッピーディスク。
食品製造過程で意図的な異物混入を防止する取り組み?
それは、フードディフェンス(おそらくこの記事の読者向けのキーワードじゃない笑)
そのどれでもない「FD」という概念がある。
「Faculty Development」の頭文字をとって、FD。
Wikipediaを見たら、次のような意味だと書いてあった。
ファカルティ・ディベロップメント (Faculty Development、FD)とは、「大学教員の教育能力を高めるための実践的方法」のことであり、大学の授業改革のための組織的な取り組み方法を指す。
大学には、主に「教員」「職員」「学生」の3者がいて、大学によって重みづけは違えど、3者が一体となって教育環境をよくしていきましょうというのがFD活動の趣旨。
授業内容の見直しだったり、授業の運営方法だったり、はたまた校舎の環境について改善を図る場合もある。
その中でも私は、「学生FD」という取り組みに2年ほど関わっていた。
ちなみに母校の方針としては、「もっとこんな授業があったらいいのに」とか「大学・学部の特徴をもっと活用させてほしい」みたいな、学生主体のアイディアや改善を呼びかけるような、どちらかというと授業にフォーカスして改善をしていくもの。
学生FD自体は、国公立、私立問わず全国の大学で取り組み実績がある。
年1くらいのペースで全国の大学が集まって各校の取り組みを紹介したり、分科会を実施したりする学生FDサミットなるものも存在するような、結構大々的なもの。
大学生が他校と交流するというと、インカレサークルとか学祭とかのイメージが強いかもしれない中、「教育」というなかなか渋いテーマに関心がある同年代がいることには正直驚かされたなと。(そんな界隈に自分が参加したのもおもろいですけどね)
ただ、学生FD活動の難しいところは「学生が(基本)4年で卒業してしまうこと」。
つまり、最大4年しか関われない。
私の場合、3年生からジョインしたので、実質2年弱。
自分の学ぶ環境を変えたくて関わったのに、単位はほぼ取りきれてるし、就活あるしで、本質的な活動には関わることができなかったなと。
しかも、母校は総合大学ゆえに学部ごとの独立色が強く、本部というものは存在しつつも、いまいち押しが弱いというか。(私は本部主体の運営、認知向上の活動が中心だったので、自学部へのインパクトが少ない。)
その中でも所属していた学部は歴史も長く、伝統的な方針を取るスタイルだったというのもあり、個人が声を上げるには、ちょっと勇気が足りなかったということもあり、正直有意義だったかどうか、断言はできない。
就活でもPRネタにはしたけど、今振り返ると、結構不完全燃焼だったなと(笑)
私自身、組織を変えるのであれば、中の人が自律して進めるのが一番いいと考えている。
外部からのテコ入れは、対症療法になりがちだし、テコ入れありきの改革になってしまうから。
その観点からすると、在学生が関わるのは、悪くないんだけど、流動性が激しいから、結局教員、職員が運営主体になる傾向が強い。
でもそれって学生FDとは言いづらいよねと。
結局活動の予算をとってくるのは職員だし。
教員の本業は研究と講義なので、FDに協力的なのは良いけど、主体ではないはずなので。
一方で、中にいると、「組織内での立場」ということを意識せざるを得ないのもまた事実。
これは、社会人になったからこそ実感なんだけど、キャリアがどうとか、職掌じゃないとかみたいなしがらみは必須だと言える。
実際に知り合いの大学職員の方で、先進的な改革提案を行った結果、ものすごい頻度で異動になるみたいなこともあり。
大きな組織ほど、「痛いところは気づかぬふり」の風潮が強いかもしれない。
いざ卒業した第三者からすれば、母体が強いのにもったいないよねーとは思う。
「学び」と「社会」の関連づけは必要な工程だと思っていて、就職=社会人という安易な価値観をまずどうにかできないものか。
だって、学生で習った知識が仕事で活かせないとなったら、その学費は何のために払ったの?ということになりかねない。(友達作りだけで数百万支払うのは冷静に考えて無駄すぎる支出)
そのためには、大学で学んだことが無駄にならない生き方を体得できるような環境はあったほうがいい。
学ぶことは楽しいことのはずなのに、「授業を受ける」→「単位を取る」→「卒業資格を得る」→「卒業見込みの切符を持って就活する」資格しか発行しない組織はマズい。
より良いアウトプットを発信できるようにインプットしていく環境。
私自身がそういう環境を必要としているのかもしれない(笑)
大学じゃなくても良いので、そんなことをできる環境があると良いなと思う。
願わくば、1人だと不安なので、誰かチームメイトなり同じ空間に同じような目的で集まるメンバーが集うような。
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