How to Avoid a Climate Disaster
ビル・ゲイツによる著書「How to Avoid a Climate Disaster」が US の Amazon でベストセラーになっていたので読んでみました．
( 邦訳版「地球の未来のため僕が決断したこと」も 8 月に発売されています．邦題がなぜか原題と全然違いますが… )
本書では，気候変動により生じている問題やその原因，解決策が体系的にまとめられています．データも豊富で納得感を持って読み進められました．
気候変動を食い止めるには，現在は年間 510 億トンの CO2 排出量を 2050 年までに 0 にする必要があり，具体的には以下の 5 つの要因の CO2 排出量それぞれにアプローチしていく必要があります．
1. セメント，鋼鉄，プラスチックの精製 - 31%
2. 電気の使用 - 24%
3. 動物，植物の育成 - 19%
4. 飛行機，トラック，貨物船による輸送 - 16%
5. 暖房，冷房，冷蔵庫の使用 - 7%
要因はそれぞれ独立していますが，解決策はオーバーラップしているものもあります．例えば再生可能エネルギーによる発電の普及は，2 の電気の使用にアプローチするだけでなく，他の要因に関してもエネルギー源を電気に移行することで CO2 排出量を減らしていくことができます．
また，本書で出てくる重要な考え方として グリーンプレミアム というものがあります．グリーンプレミアムとは，既存のエネルギー源から CO2 を排出しないエネルギー源に移行する際に追加でかかるコストのことで，これをできる限り下げていくことが重要になります．そして，そのためには政府による支援のもと，多くの技術革新を近い将来に起こしていく必要があります．
本書は気候変動の深刻さを理解させてくれるだけでなく，1 個人として CO2 排出量 0 に向けて何ができるかを考えるきっかけを与えてくれました．今年の夏も 35℃ を超える日が多く非常に暑かったですが，100 年程前は 25℃ を超えるとまさに「夏日」だったようです．すでにゆでガエル状態になりかけていますが，これ以上深刻な状態にならないために真剣に取り組んでいく必要があることを改めて実感しました．
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？