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コンテナ物語 - 世界を変えたのは「箱」の発明だった

年始に読んだ「コンテナ物語」がとてもおもしろかったです.

本書では,起業家マルコム・マクリーンが 1950 年代に輸送用コンテナを発明してから普及するまでの道のりが描かれています.コンテナの普及により港での荷役作業を自動化できるようになり,さらに鉄道 - トラック - 船の間でシームレスに積み替えできるようになりました.結果として物流全体のコストを劇的に下げることになり,グローバル経済の幕開けとなりました.

ただし,普及までの道のりは長く険しいものでした.コンテナの導入により仕事を失う港湾労働者の激しい反発や,標準化を進めるにあたっての利害の衝突など,多くの困難と直面します.これら 1 つ 1 つと折り合いを付けていき,世界の物流を徐々に変えていくさまはまさにドラマでした.また,このような普及の過程はあらゆるイノベーションに通じるものであり,直近だと AI の普及が同じ過程をたどっているように思いました.

現在は当たり前のように輸送で使われているコンテナが,世界経済を一変させたものだったこと,そして普及までにこのようなドラマがあったことを知ることができ,とても刺激的な 1 冊でした.

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