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すなお

私は○○な人間だ。


一言にするなら、なんて表す?



「人は嘘つきだ」

そう思ったのはいつが初めてだったろうか。


「あなたには教えるけど内緒だよ」「絶対言わないでね」と言いながら自分の好きな人をみんなに教える女子達を見て
「秘密を教えたらバラされる」と小学生ながら冷めたことを考えていた。


いつも一緒にいるのに、他の人にはお互い悪口を言っているのを見て、なぜ一緒に過ごすのか理解できなかった。


「嫌いなら一緒にいなきゃいいじゃん」

そう思って嫌いな人とは必要なければ関わらない私は、一緒にいる子も自分が好きだから一緒にいるのだと思っていた。



けど中学3年の時、いつも一緒にいる子が私の悪口を言っていた。
一緒にいたけど、嫌われていたのだ。


ショックと同時に、人を信じるのが怖くなった。
クラスで仲良くしていたのはその子くらいだったので、教室にいるとなんとなくひとりぼっちになった気分だった。

早く卒業したいと何度も思った。


泣いてる子もいるのに、卒業できることが嬉しい、なんともいえない卒業式だった。



高校入学してもなんとなく人間不振で。
そんな時、金八先生の主題歌でもある海援隊の歌を聞いてふっきれた。(渋い)


信じられぬと 嘆くよりも
人を信じて 傷つく方がいい

(海援隊 贈る言葉より)


吹っ切れた直後に、同じ部活の同じパートの子から1通のメールが来た。
長々と書かれた文章の最後に
「沖縄に引っ越すことになった」


え?!せっかく出会ったのに…?

気づいたら私は泣きながら電話していた。
正直、彼女とは出会ったばかりでそこまでたくさん話したわけでもない。
あの時なぜあんなに泣いたのか私にもわからない。


彼女は私がバーッと話して一息ついた隙に笑いながら一言言った。
「最後まで見てみて」

…………

もしかして…


あっ、と思いながら最後まで見ると、その時やたら流行っていたチェーンメール、通称チェンメだった。

チェンメを知らない人に補足すると、要は「このメール回してね」というもの。内容は「回さないと不幸になる」とか「恋が叶う」とか、今回のような冗談の遊びに近いものまで様々。


大泣きした自分への恥ずかしさと、彼女は引っ越さないのかという安心感のみで、怒りなんて全くなかった。


「ほんとごめんね!バレにくいようにいじったけど、こんなことになるとは!」
「でも嬉しかった、ありがとう」



出会って間もないのに、彼女とは強い信頼が生まれた。
あれから15年過ぎた今も最も信頼する友人の1人として付き合っている。



素直と馬鹿は紙一重で、素直は馬鹿正直かもしれなくて
「素直」って、聞こえのいいだけの言葉なのかもしれない。

それでも私は素直に自分の心を感じたいし、人の素直な気持ちは素直に受け取りたいので

「私は素直な人間だ」と言う。

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