レヴィ=ストロース(随時更新)

「歴史」の相対化

構造主義
人間の社会・文化的現象の背後には目に見えない構造(差異の体系)がある
実存主義の息の根を止めることに

以前の哲学においてはヘーゲル的【歴史】、西洋文明の歴史が重視されてきた
それは他の文明や民族を考慮していない偏見でしかない
『人間によって歴史がより良い方向に進む』←価値観の押し付け

レヴィ=ストロースのいう未開人にはこの感覚が希薄
日々の成長や社会の成長などには関心を持たず
その日その日を成り立たせることに情熱を注いでいる

同一社会の過去と今を比較するのではなく
現時点でのそれぞれの社会や文化の差異や対立を研究することの方が有意義なのではないか
ソシュールの歴史よりも現在の言語の関係性を研究した方が合理的との考え方に類似

野生の思考

南米に住む【未開人】の研究

西洋の進化はいわば設計図のある進化
歴史を通して、ある地点に向かって合理的、論理的に進んでいくことを良しとする【科学的思考】
その先には戦争や環境破壊があった

一方、未開人の生活には設計図がない
西洋的な歴史すら存在しない
その日その日で、その場にある有り合わせの材料を使い、それによってただ生きている
【ブリコラージュ(器用仕事)】
このような未開人の思考を【野生の思考】と表現

未開人の思考は西洋の科学的思考とは別の体系
それはそれで違う方向性

例)【近親婚の禁止】(インセストタブー)
レヴィ=ストロースが構造に着目したきっかけ

西洋的文化では近親婚は禁止
【科学的思考】によって説明されてきた

南米の未開人の文化には近親婚の禁止という概念は存在しない
近親婚のデメリットについても科学的に周知されていない

その代わりに【女性交換】という文化
それぞれの部族内で女性を嫁がせる
→他部族とのコミュニケーションに
【科学的思考】ではなく【野生の思考】によって近親婚を禁忌としている

ソシュール的な認識の転回

言語が集まって全体である世界を構成しているのではなく、
全体という構造が先にあり、その中で対立や差異が発生することで
それぞれの言語が生まれる

このスキームを人類に当てはめると
個人が集まって社会が形成されているのではなく
社会・文化という構造が先にあり、その中の対立や差異により個人が成立している
と考えられる(日本的・ノコギリは外から内へ引く・神道の神理解と類似)
自由意志の否定

ソシュール:言語の差異や対立を研究することで構造を明らかにし
言語を真に理解しようとしたのに対し、

レヴィ=ストロース:社会や文化の差異や対立を分析することで
そこに眠る根本的な構造を把握しようとした


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