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太陽とロンドナーの関係

「今はもう夏だから油断せずにね」
初めて渡英したのは4月のことだったが、晴天続きのある日、ロンドン在住歴の長い方にニヤリとしながらこう言われた。

そう。ロンドンの夏はいつ始まり、いつ終わるか分からない。7、8月が暑いとも限らない。
そして、暗くて寒く長い秋冬は、気をつけないととことん気が滅入る。

今年の夏、私は長いことロンドンを不在にしており、友人に夏はどうだったかと聞くと、「It was very wet.」とのことで、ジメジメしていたようだ。
そういえば、まだ7月なのに「夏はもう終わった」と、別の友人も噂していたことがあった。
最近はいよいよ秋の気配を感じ、季節の変化に自分自身心の準備を始めていた。

ところがここ数日、夏がホリデーから戻ってきたかのように、陽射しの強く暑い日々が続いている。
9月6日付のEvening Standard(無料で街中に設置される新聞)にはこんな記事が載っていた。

Evening Standard - 6 September 2023

記事によると、この暑さが人々の支出を促すとして、経済の好転が予測されるようだ。素人目にみても、パブやアイスクリーム屋などいつもより賑わっているのがわかるので、この街では晴天が人々の行動を変える事実に頷ける。

単純に暑さを喜べず、予想外のヒートウェーブに気持ち悪さも感じている。
それでも、年間を通して陽射しを浴びる時間が限られているロンドナーの多くにとって、太陽は恋しき存在。
日が射すと街も公園も賑わい、人々は嬉しそうに道を往き交う。
そして彼らはアイスクリームがこの上なく大好きだ(ビールもかな)。