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自作の詩まとめ
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詩| 無題

詩| 無題

何も残さずお行きなさい
後ろなんて振り向かなくていい

あなたが進む終着点へと
さぁ お行きなさい

もしその羽根が飛び続けることを諦めて
あなたの苦しみに終わりを願うのなら

静かに降り立って
私の背中に縋ればいい

********************

▼寿瀬さんが、リクエストした私の詩を読んでくださいました

私が勝手に寿瀬さんの視点で書いた詩で
これを読んでくれないか、とお願いしまし

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詩| 蝉が鳴く

詩| 蝉が鳴く

蝉が鳴く
その先の、季節を恋しく思う
と、同時に
振り返る

果たして 自分は真っ直ぐ生きてきたのだろうか、と。

蝉が鳴く
短い生を精一杯。
まだ遠い「秋」に思いを馳せる

あの日の電話の音がこびりついて離れない

蝉が鳴く
「生きろ」と声が聴こえる

熱い風が身体にねっとりとまとわりつく

「嗚呼……熱い」

蝉が鳴く
夏と、遠い秋の狭間で。

芯にあるその炎は、まだ燃えているか
まだ自分は走

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詩| 今日も頑張ったね

詩| 今日も頑張ったね

帰りはどうだってよかった

濡れたら それこそ気持ちが良くて
手なんか広げちゃって

家に帰るまでが遠足 だなんて
小さい声で呟いて

追ってくる風に煽られて
さぁ 家路へと急ごう
無機質だけどそこは安心して眠れる場所

優しくバスタオルを広げてくれる人はいないけど
それは濡れた自分を包んでくれるもの

音なんか無い部屋で
軽く鼻歌なんか歌っちゃって
濡れた靴は自分が頑張った証

『お風呂が沸きま

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詩| 君の往く道に祈りを

詩| 君の往く道に祈りを

真新しい服に袖を通して
明日への希望に期待を抱いた君を見送った

どうか 光が君の味方であるように
どうか 心に影を落としてしまわないように

胸の奥で 見えもしない神様に祈りを捧げる

どうか 光の強さに立ち向かえる君であるように

どうか 

君の姿はこれまでにないほど勇ましく
晴れ晴れとした顔で進む君を
私はこれまで以上に誇らしく思った

ここから進む君の道が
たとえ雑草に覆われて
ぬかるみ

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詩| また明日

詩| また明日

大きく息を吸って
ひじをあげて
「また明日」
ここで待ち合わせしよう

泣き顔でも
腫れた目でもいいから
『明日』も会おう

辛くなってしんどくなって
どうしようもなくなったら思い出して 
君と『明日』を迎えたいやつがここにいるってさ

君の隣に居る権利が欲しいだけ
泣いてる君を黙って抱き寄せる権利が欲しいだけ

だから、ね
『また明日』
また明日も会おうよ

君の向かう『明日』の先に居させてほし

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詩| 情念

詩| 情念

聴かせるように 伝えた文字を
崩れた心で 受け止めて

君に触れたい
心に触れたい
どんなに悲しく叫んでも
守れないなら意味がないのだと

淡い色に心を染めて
知らない道が目前に迫っても
手をとりあい いけると信じた
純粋な眼のままで

騒がしい声は 聞こえないふりして
責め立てるように未来を迎えた

ほんのちいさな希望でも
残らない明日なら意味がない

まだ道の途中
帰り途など何処にもない
突き

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詩| さようなら

詩| さようなら

あれは9月のこと。
ひどく晴れた日のこと。

君を狭い箱に閉じ込めて
燃えさかる炎に投げ入れた

疑問に対する答えを聞けないまま
塵になる君

悲しみや憎しみの感情に果てはあるのかと
陽気な音楽を背景に
答えのないそれを
ただずっと考えていた

あれは9月のこと。
まっさらな青に翻弄された日のこと。

なんでもない一日のこと。

詩| 最後の愛に触れて。

詩| 最後の愛に触れて。

終わりを始めるために
君を愛するよ

未完成な僕らの
欠けたピースを集めるように

目を合わせて
リズムに乗って
指を絡ませて
重なる瞬間に
君と始める
愛のカタチ

振り返っておいで
君の進んできた道を。
『これから』を
『ここから』始めよう

終わりを始めるために
君と愛に落ちて

モノクロの世界に色をつけよう
君との『これから』を始めるための。

終わりの始まりを見つめてる

静かにそっと 

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↓こちらはお借りした写真です
『つぶやき』に載せる写真は自分で撮ってたんだけど…めんどくさくなって、お借りしてしまった

今日は配信聴きながら牛すじを煮込むだけの一日だったな🤣
先日1キロ買ったのだよ( ̄∀ ̄)フフフ
さ!お好み焼きつくろーっと
今週は牛すじカレーもつくろーっと

詩| また、ひとつ。

詩| また、ひとつ。

季節が変わるたびに
君が遠くなっていく
またひとつ遠くなっていく

またひとつ君のことを忘れていく

声を
笑顔を
温もりを
君の影すら

君をまた
君をまたひとつ

少しずつ、
少しずつ。

願いを祈りを吐き捨てるように
少しずつ。

君が居た春と
君が居ない春を

桜の花びらを千切るように

色が失くなっていく
さらさら、ときえていく

またひとつ、きみをわすれてしまう

また、ひとつ
このし

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詩| 君が「生きろ」と言うから

詩| 君が「生きろ」と言うから

気絶するように眠ったら
きっと色のある夢を見て
幸せな気持ちでいられるんだろうな

枕に染み込んだ涙が
見てた夢の内容を示している

何もかも失ったつもりで
ここのところ喪失感に支配されていたけれど

いつだって
何かを求めたら
何かを失くすことは
……わかってたはずなのにね

一筋の光が差し込んだら
立ち上がる準備をして
光に焼かれたら
倒れ込むことはできないね
爛れた背中が治るまで
立ち向かっ

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詩| さようなら 愛しい人

詩| さようなら 愛しい人

さようなら 愛しい人
さようなら 偽善者

言葉だけ欲しかったわけじゃないの
気持ちが欲しかった

さようなら 大切な貴方
さようなら 想い出

あなたの傍にいて「幸せ」だと感じたのは
ああ 私だけだったのね

詩| 一縷の・・・

詩| 一縷の・・・

吐き出されるその煙を掴みたいと思った
男の顔は もう知らない顔だった

煙は一つの線のように
それはか細く まるでこの先をあらわしているようで。

男は火のついた煙草をそのままアスファルトに置いた

赤い火に目を奪われる

「行こうか」

どこへ?と訊ねる前に
男の手が重なる

「二人しかいない場所へ」

そんな場所など存在するのだろうか

微かに震えた男の手が一層強く握りしめてくる

影がのびる

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詩| 秘匿

詩| 秘匿

飾り立てた空が 一瞬にして消える時
閉じた瞼の裏を 一瞬で白に染めあげる

遠い果てに記憶を置き去りにしたまま
明日もきっと歩けるとごまかすように
そっと 意識を手放した

罵声を浴びたあの日の痛みを
いまだ忘れられずに
逃げたくて逃げたくて
割れた硝子といっしょに 真っ赤な箱に閉じ込めた

遠い場所で 声が聞こえる
自由になる日はどこにもない
抗って抗ってどこまで行けるんだろう
忘れられない記憶

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