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BCG イノベーション企業ランキング

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は毎年、イノベーション企業(最も革新的な企業)ランキングを発表しています。2022年12月と2023年1月に行われた1,000人以上のイノベーション・エグゼクティブを対象とした調査に基づき、BCGは4つの視点から企業のパフォーマンスを評価しています:

  • グローバル・マインドシェア:全世界のイノベーション・エグゼクティブからの得票

  • 同業他社の視点:自社と同じ業界のエグゼクティブからの得票

  • 業界の分断:業界を超えた票の多様性指数。

  • 価値創造:2020年1月から2022年12月までの3年間における自社株買いを含む総株主利益率。

これをランキングしたのが下の表です。

イノベーション企業ランキング

4年連続で Apple が世界で最も革新的な企業とされています。Apple は2005年以降、2019年を除いて毎年首位に立っています。

BCGは、ドイツのボッシュ(37位)を含む数社について、報告書の中で補足を加えています。BCGによるとボッシュは、130の拠点に84,800人の従業員を擁するグローバル研究開発組織を有しています。また、ボッシュは2018年から2021年にかけて、研究開発費(売上高比)を7.6%から8.2%の間で維持しています。

もう一つの目玉はサムスン(7位)で、2021年に170億ドル(約2兆4000億円)以上(年間売上高の9%)を研究開発に費やし、イノベーションに最も投資する企業の一つとなりました。また、サムスンは2022年に6,300件の米国特許を取得していますが、これはどの企業よりも多いそうです。

このランキングからもわかるように、革新的な企業はハイテク企業だけではありません。マクドナルド(34位)は、BCGによって「技術革新と投資における外食産業のフロントランナー」とみなされています。

例えば、マクドナルドは最近、音声ベースの技術を開発する新興企業Apprenteや、オンライン・エクスペリエンスを専門とする企業Dynamic Yieldを買収しました。マクドナルドは、これらの技術を活用して注文時間を改善し、より良い選択肢を顧客に提供することを目指しています。

国ごとのランキング

次に、国ごとのランキングをみてみましょう。次の図は、2013年と2023年のランキングの国別内訳を比較したものです。

国別ランキング

2013年からシェアを伸ばしたのは米国と中国だけで、ドイツ、英国、イタリアなど欧州諸国の企業を寄せ付けません。また、日本や韓国の企業が大きく減少していることも確認できます。

中国の経済成長を考えると、今後もBCGのランキングで中国企業の占める割合が多くなる可能性が高いでしょう。今のところ、同国最強のイノベーターはファーウェイ(8位)で、2014年に50位でランキング入りして以降、毎年トップ50にランクインしています。

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