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トランスジェンダーの女性スポーツ選手問題

娘たちとオリンピック及びスポーツ大会について話をしていて、トランスジェンダーの女性スポーツ選手が競技への参加を認められる事例が増えている一方、それに反対する声も根強く存在することや、心身の性が一致している女性選手でも、アンドロゲン過剰症の場合、対象選手はテストステロン値を下げるための薬を服用した場合のみ競技に出場できる、というルールが変だよね、という点で意見の一致をみました。

「テストステロン値が高い女子選手を陸上競技から除外するのであれば、極端に背の高い男子はバスケットボールできないルールにしないとバランスが取れない」

「男女問わずひとつの遺伝因子だけで競技から除外するのは非科学的」

「薬でテストステロン値を下げるなんて、ドーピング認定されなくても立派な薬物使用。オリンピック精神に反しているのでは」

「競い、順位がつくから気持ち悪いナショナリズムや違反行為が発生する。競争が人の熱狂をあおり、スポンサーがそこにつけこむ。今は学校の運動会も順位がつかず、学芸会も主役が何人もいる時代。オリンピックも『ただみんなでスポーツを楽しむ会』にしたら、まったり盛り上がらない大会になって、でもそれはそれで参加することに意義があって良いかも」

などなど、だらだらと話したわけですが、
テストステロン阻害薬には肝臓毒性などの長期的な副作用があるというのが私の理解です。高いテストステロン値が女性の競技パフォーマンスの重要因子であることを証明する明確な科学的証拠はまだない、とされている以上、薬物使用を競技に参加する条件にするのは倫理的にいかがなものかと思います。

そして、トランスジェンダーの女性の女子スポーツ参加については、私はアスリート自身が自覚する性別の選手として競技に参加することに賛成です。元ハンドボールの男子オーストリア代表、ハンナ・マウンシー選手は性転換前に男子の世界選手権にも出場していて、性転換手術後に女子選手として2度目の世界選手権切符を手にし、賛否両論が沸き上がりました。でも、仮に身長190cm、体重100kgのトランスジェンダーではない女子選手であれば問題になったのでしょうか。性別に関係なく、とても体格の小さい人もいれば体格の大きな筋肉質の人もいます。「スポーツで勝つこと」と「自分の自覚する性が尊重されること」を天秤にかけたら、私は後者がより大切だと思います。


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