2日目 小田原〜清水
■5月25日(2日目)
小田原~清水 83km
【日記】
6:00 起床
7:00 朝風呂
7:30 朝ごはん
8:00 出発
9:00 箱根の山チャレンジ
10:00 充電休憩@コンビニ
11:30 充電休憩@美術館
14:00 箱根越え達成
15:00 支援@自転車ごとヒッチハイク成功
16:00 清水着
17:00 支援@おでん
17:30 大学の友達と合流
19:00 支援@カレーうどん屋
20:00 支援@タピオカ
21:00 zoom@大学の友達
1.箱根の山チャレンジ
何事もなく無事に朝を迎えた。「よっかた~何もなかった」
昨日、友だちからの心配を受けて不安に駆られたわたしは眠りが浅かった。
早朝ドタバタしている音で起きた。
どうやら、おっちゃんは仲間と朝のランニングを終えて帰ってきたらしい。
さすが、元自衛隊。尋常じゃないくらいの体力の持ち主だ。
わたしも前の会社で自衛隊の人に営業していたとき
「自衛隊入らない?」と勧められたことを思い出した。
もし選択肢として、自衛隊の道に進んでいたらどうなっていただろう?ふと想像してみる。
入ったら入ったで、きつくて悲鳴を上げてるだろうけど(笑)
おっちゃんは自衛隊飯といわれる、味噌と梅の拳より大きな巨大おにぎりを作ってくれた。
自衛隊の訓練では、山に数日こもって塩と水と少量の食料だけで生活するという過酷な特訓をするらしい。
これだけで一日の食料は余裕で持つらしい。
朝ご飯をもたせてもらって出発。
今日は旅一番の難関。
高低差800m以上の箱根の山にチャレンジ。
険しい上り坂に、電動とはいえ、自転車もカタカタと苦しそうに音を立てていた。
それでもグイッグイッと力強くペダルを踏みながら進む。
体力的にはがんばれそうだ。
だが、すぐにバッテリーの残高をみて気づく。
異常に充電の減りが早い…。
予想外だ…。
箱根の山越えは、平坦の3倍くらい充電をくった。
予定を立てる時は予想の2倍ゆとりをもって計画を立てた方が良さそうだ。
本当は箱根の山を越えきるまで充電が持つ想定でコースを組んでいた。
だが、このままではとても頂上までもちそうにない。
40分走ったところでギブアップ。
かと言って山の中。周辺に建物も少ない。
(やばい~~~。ピンチ。)
Google Mapを確認すると少し行ったところにコンビニを発見。
まだ充電は残っていたけど、ここで補充できなければ
この先充電が切れた時を考えると恐怖だ。
数少ないコンビニに望みをかけて入店。
「すみませーん。今から電動自転車では箱根越えたいんですけど、充電が切れちゃいそうで。
コンセントお借りできませんか?」
「えええ!今から?チャリで?何、コンセントでいいの?」
驚きながらも、外のコンセントを貸してくれた。
待っていると、パンと飲み物を差し入れてくれた。こちらが助けてもらっている上に食べ物まで恵んでくれてありがたや~。
これで、越えれられる。
と思いきや、またまた充電不足のピンチ。
もう一回どこか立ち寄らねば…。
近くに静かな美術館を発見。他に行く宛もないので交渉。
不思議な顔をされつつも、あっさりOKしてくれた。
あいた時間でSNSの更新。次のルートの確認。
今14時30分。ここからあと3時間かかる。
さらに、1時間30分の充電タイムを足すと少なくとも4時間30分。
到着時間早くても19時か…。かなり遅くなってしまう(泣)
想定時間甘く見すぎた…。18時までには着きたかったのに~。
計算しながら焦りつつもどうにもならない現実に諦める。
充電食いすぎて思いの外ロスタイムを食らって萎えた。
とりあえず、前に進もう!
頂上を越え、山道を一気にくだる。
(上りよりも下り坂の方が転倒しないように走るのが怖かった)
何とか、箱根の山を乗り切った。
2.本日の支援~自転車ごとヒッチハイク~
大通りは、暑くて景色が変わらない。
飽き飽きしながらも急ぎ足ですすむ。
すると一台のトラックが。
「暑くて大変でしょう。よかったら乗ってく?大阪までいくけど」
仕事中のトラックの運ちゃんに遭遇。
自転車ごと積んでくれて、初ワープに成功。
思わぬ幸運に、飛び上がった。文明の利器、最高~!
沼津から清水まで一気に飛んだ。よっしゃー!
頑張っていると必ず救世主が現れる。
ピンチのときには助っ人が現れる。
諦めなければ何とかなる。
「変な人に捕まらないように気をつけてね」そう心配され、
次からは助けてもらう前にお話をして、人を見る目を養おうと思った。
トラックに乗せてもらった後、あることに気づく。
「あれ、1100km東京から福岡まで走り切るって言ったけど、チート使っちゃったな~(笑)」
最初の趣旨と変わってしまった。1100km走りきれなかった(笑)
言葉と行動が不一致に違和感。本当は自転車で走りきりたいわけじゃなかったのかな・・・。(まぁいっか。)
「1100km電動自転車で走り切る」
はじめに決めたコンセプトを、後に新しいコンセプトに更新することになる。
3.大好きな友達と再開
あっという間に清水についた。
大学時代によく遊びにきた3年前を懐かしむ。
待ち合わせの時間より、1時間半遅れる予定が
ヒッチハイクのミラクルで、1時間半早く着いた。
日も傾き、久しぶりの再開に今か今かと待つ。
遠くから「えびちゃ~ん!」と陽気な声が聞こえた。
駅の方を振り向くと、アズがかけよってきてくれた。
自転車旅の話を聞いて、すぐに連絡をくれた一番最初の友達だ。
再開を果たすと、アズはバイク、わたしは自転車で家に向かった。
「ただいま~」家に帰ると、安心感に包まれた。
まだ旅が始まったばかりだけど、出発前の不安や初日のドキドキ感でわたしの心は張り詰めていた。
気心知れた友達がいるだけで、一気に肩の力が抜けた。
落ち着ける居場所に安堵した。
「一番仲良い友だちも呼んでいいすか?多分えびちゃんの話とかすごく好きな子なんすよね」
わたしは二つ返事で、新しい友との出会いを待ちわびた。
30分後。バイクでさっそうと現れたのは、小柄でかわいらしい女の子。
アズとシルエットがそっくりだ。類は友を呼ぶとはこのことか。
わたしはアズの大切な友達を紹介してもらえたことが嬉しかった。
大切な人達同士、輪が広がって心が温かくなった。
3年前は、毎月のように清水に遊びにいっていた。
今回も、清水に来たら必ず食べるカレーうどん屋さん「ぴょんきち」へ向かった。
わたしが今まで食べた中で一番好きなカレーうどん。
もはやカレーなのか!?と疑問になるほどクリーミー。癖になる味だ。
静岡に訪れたら一度は食べてほしい。
それくらい大好きだ。ヤミツキになる。ここにしかないお店。ここでしか食べれない味。だから価値があるのかも知れない。
全国展開してほしいと思う反面、みんなは知らないわたしだけの秘密な感じも、また良いのかも知れない。
続いて、アズ行きつけのタピオカ屋さんへ。
「こんばんは。友達連れてきました。最近どうすか?」
ラフな会話から始まるご近所付き合いのような雰囲気。
この街で暮らして7年目のアズ。
よく行くお店の店主さんとは知り合いになり、お隣さん、顔見知りが増えたみたいだ。
ホーム感に溢れているこの街。たいそう気に入っている様子だった。
すれ違う人みんな知り合いであいさつを交わし、見守ってもられる街なら安心感ありそうだな。
東京では隣に住む人の名前も顔も知らない。
人が多すぎて街ですれ違っても素通り。
そんな光景をみてきたわたしからしたら、人間味を感じる村社会が羨ましくなった。
わたしもいつか大好きな仲間を集めた村(コミュニティ)をつくりたいな。
帰宅後。
アズから、大学時代の仲間が心配してることを教えてくれた。
「もしよかったらzoomでみんなに話しませんか?
えびちゃんも旅の途中であれこれ言われるのストレスだと思うし
あいつらも旅を止めたいわけじゃなくて、心配してるから安心させてあげたいし。」
アズはどちらの気持ちも汲んで提案しくれた。
両方の立場になって考えれるアズを尊敬した。
大学時代からさらに思考が深くなっているアズに、すげぇーと関心しつつ、提案をOKした。
だって、心配されたくてやってるわけじゃない。仲良しな友達にこそ応援されたいもん。
21時。ビデオ通話をはじめた。6、7人くらい参加してくれた。
「気になる人、私に質問、言いたいことがある人は参加して~」
久しぶりの顔ぶれに喜びと、心配させて申し訳ないという複雑な気持ちで再開した。はじめは、シリアスな空気が流れたものの、すぐに他愛もない会話になった。「とにかく気をつけて」「無事でよかった」「変な人につれていかれないようにね」「何かあったらすぐ連絡して」
最後は、快く送り出してもらえた。
情に厚くて、離れていても支えられてる。
心配してくれる友達のおかげで安全を保てているのかも知れない。
散々、注意喚起されて耳にタコが出来るくらい。
ある意味、危機管理能力が高いのかもしれない。
わたしが危険な道に逸れないように、必ず誰かが忠告してくれる。
今まで対人関係で大きな痛い目に合わなかったのは、まわりの人が守ってくれているからかもしれない。
やっぱり本音で関われる人って大切だな。
テレビ電話が終わり、隣で寝転がってるアズとあれこれ話しながら
いつのまにか眠りに落ちていった。
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