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強い信念で目指す教育を実現していく。【訪問:静岡あたらしい学校】

対話を重ね、一人一人が大切にされる教育の実現

静岡市の静岡あたらしい学校に訪問してきました。

静岡あたらしい学校は開講して6年ほどになるオルタナティブスクールで、現在は10名前後の児童が通学しています。

中には他の都道府県から一家で移住をして通学している児童もいました。(ここでも教育移住)

学習の実際

あたらしい学校では、学校の理念として、話し合いによる民主的な課題の解決や、一人一人が大切にされる学びの環境を重視しています。

個人からスタートして、徹底的に自由を追求するサドベリースクールやデモクラティックスクールとは少し味が異なり、ある程度の枠がある中での自由を教育の中で実現しています。

活動の前後で、児童がサークルになって話し合う時間があったり、各自のペースで、学びが進められるよう柔軟な1日の流れになっています。

ボランティアスタッフによる大人が提供する学びの時間も設定されており、教育以外の分野に軸足を置いているゲストティーチャーから様々なことを教わる場面もあります。

スタッフの方によると、学びの要素として「循環」が1つのテーマと位置づけられています。

例えば、作物については、春の播種から育苗、管理、そして、収穫、調理、さらには、廃棄部分のコンポストとしての利用があります。

学校の中で1つのエコシステムが循環するように、そしてそれぞれの旬を感じて学びが進んでいくように、カリキュラムや環境が整えられています。

校舎は、これまた素敵な古民家を利用しており、庭にはスパイラルガーデンの形で作物を育てる場所や、ピザなどを焼く窯などがあります。

何月何日は、この活動と言うような固定的な学習内容でなく、暑くて天気の良い日だから川に出る、作物が熟れたから収穫するなど、生活から学びへと展開する流れが生かされていました。

まつりとして旬から学ぶ
とんとん拍子に乗るという言葉が印象的でした

立ち上げから、これまで

立ち上げに際しては賛同する多くの方とこれまた対話を多く重ね、目指す教育の具現化に努めたといいます。

オルタナティブスクールは収益の構造的にスクールの維持が難しいと言われており、3年以内に事業が継続できないケースもあるそうです。

その中でスクールの建物や環境、スタッフの確保など難しい面も多々あるように感じましたが、子どもたちに目指す教育を提供するという強い信念を感じました。

また、コロナ禍の中で、人々の考え方が徐々に変化し、一人一人の子どもを大切に見ていきましょうという気分も高まっているといいます。

一方で、学校法人として経営していくためには、学校として求められている様々な条件を満たさねばならず、校舎に求められる要件だけでも、莫大な金額がかかります。

また、中学部の設立を求める声もありますが、中学校は、マンパワーが必要な部分が多く、ニーズが多い中ですが、難しさも多いそうです。

未来を描いていく

スタッフは先生ではなくエデュケータと呼ばれて、教育活動に参画しています。

エデュケーターのひとりひとりも教育以外の軸足も有しており、様々なことにトライしている印象がありました。

子供だけでなく、大人も生活の中から学びを深めていくイメージです。

あたらしい学校のこの先のイメージとしては、地域課題の解決があるそうです。

子供たちの教育サービスを受けるだけでなく、働くために、地域や大人と矢印を伸ばせるような関係を目指しています。

今後の地域の中での教育活動がますます期待されます。

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