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めざすは民主的な社会づくり【訪問:箕面こどもの森学園】

大阪府は箕面こどもの森学園を見学しました。

小学部・中学部の学びの実際や、校舎などを案内してもらいました。

2015年にはユネスコスクールにも認定されています。

学びの実際

複数学年でのクラス編成

1-3年、4-6年、中学生という3学年にわたる異学年でクラスを構成します。

サークルでの対話

朝と帰りに2回サークルになります。
朝は自分が話したいことなどを話す時間(パスあり)。
帰りは1日の振り返り(パスなし)
はじめはパスが多い子もだんだんと話したいことが出てくるとか。

基礎的な学習は「ことばとかず」

基本的には個別に教材を使って、必要に応じて協同して進めます。
みんなで取り組みたい「詩」「哲学」などの時間は「共同」という枠組で行います。
が、やるかどうかの選択は子供に委ねています。

突き詰める「テーマ」

クラスごとに設定された大テーマについて学期をかけて掘り下げます。
フィールドワークやゲストからの話、調査などをして、最後は自分に寄せた小テーマについて何らかの形で表現します。プレゼン、劇、絵などなど。
1学期の高学年は「子どもの権利」
こども基本法をとっかかりに深めていったようです。

各々が深掘りする「プロジェクト」

みんなで設定する「テーマ」と異なり、一人一人が興味や関心をもとに深掘りしてゆくのが「プロジェクト」です。
過去の資料を見ると、木工、手芸、料理、など何かをつくる、生み出す活動が多くみられました。
小6と中3は最終的な発表に向けて年間を通して取り組みます。

民主主義を実践する「ミーティング」

高学年、小学部、全校などさまざまな単位でミーティングが実施されます。
みんなに聞いてほしいことから、やりたいこと、困っていることなど様々について話します。
これらとは別にスクルワークという単位もあり学校行事について実行委員会や各々の組織で準備する時間も用意されています。
学校行事はやるやらない、何をやるというゼロベースから全校ミーティングで議論されます。
一人でも意義を唱える人がいたら押し切らない。
全員の納得するところを探すにはとても時間がかかります。

様々な教育理念、手法を取捨選択して実践しているというのが印象的でした。
実践上での議論も関係者で対話を重ねるという営みの連続だそうで、大人としても民主的な場を実践しているようす。

NPO法人として

箕面こどもの森学園を運営する認定NPO法人コクレオの森は、学校の教育活動にとどまらない多岐にわたる活動を展開しています。

こどもの森、おとなの森、こそだての森、ミライの森と大別すると4領域で「平和で民主的な社会」の実現をめざしています。

規模感と活動の幅がすごい。

お話を聞く中で
「民主的な社会づくりをしたい」
というフレーズが印象に残りました。

これまで「地域」とか「まち」と考えることが多かったけれども、これらと「社会」とはどういう違いがあるのか、自分なりに定義したいところです。
もし定義できたら幅が変わってくるのかなとも。

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