見出し画像

軽薄なフリーダム

今年七月、選挙直前に安倍元総理大臣の暗殺事件があった時、得もいわれぬ不安にさいなまれた。それは選挙の最中に元総理大臣が暗殺されたという現実にであり、その事実の強大さの不安だと思っていた。しかし思考の奥ではそれだけではないものを感じていた。それは暗殺事件という衝撃の大きさだけではなく、隠れた不安の本質というものだった。
その不安は安倍元総理大臣がいなくなったことによる安定の喪失で、それが今回の旧統一教会の騒動のような、馬鹿馬鹿しいモリカケの問題と同様、国政になんら必要なく意味のないことを助長していて、そういう意味のないことに対して構えるゆるぎのない大きな重心、そういうものを失った不安感だ。こういう意味のない行為は時間の無駄である。疑惑を追求という美辞麗句を並べ大切な問題を先送りにしているのだ。他の重要な問題を先送りにさせている首謀者は、大切な問題を議論すらする気のない目先の利益ばかりを追求する小賢しい特定の者共だ。本当に必要な議論を避け国難を助長している。この目論見を持つ特定の野党や特定の方向に誘導したいメディアにより冷静に判断できない人間が追随してしまっている現実。それを考え、憂う。今回の暗殺事件に漠然と感じた不安はそれを助長させる勢力そのものであり、大部分の民衆がそれに追随することへの憂いである。

私は家庭が浄土真宗というのはあるが、基本的には無宗教で特定の宗教を信仰はしていない。また自民党支持者でもなければ、特定の政党を支持してるわけでもない。ただ旧統一教会がどれほどの悪の組織かは知らないが、合同結婚式等で有名になった当時、霊感商法のことも大きく話題になり糾弾されたことは憶えている。しかし現時点であれからどれだけの時間が経ち、どれだけの訴訟があり、どれだけの悪が暴かれたのだろうか。そこを定量的に判断してゆくしかない。そうしてみると現在は霊感商法の相談件数も、被害の件数も、民事訴訟の件数も軒並み少ない。しかも安倍政権時には消費者契約法を改正し、消費者が詐欺商法で多額のお金を失った場合、お金を戻せるようにしたという。これを見ても正しいことだと思うし、煽っている側とは逆なのではないか。また旧統一教会と付き合いがあったとしても何が悪いというのだろう。しかも付き合いがあるというのはどういう線引きなのか定かではない。よくTwitterとかに書く人もいるが、本気でその宗教団体が与党、政権を牛耳って日本を動かしているとでも思っているのだろうか。はっきりって正気ではない。陰謀論も真っ青な笑い話だ。しかも宗教に目を向けたいのならそれ以前に創価学会等の問題もあるとは思わないのか。それを何年も放置し、今さらなにをいうのだろう。それに創価学会に問題がないのなら今回もなんの問題もないし、他の宗教も同様だろう。何か違法性があるならそれはそれを粛々と法にのっとってやってゆけばいい。センセーショナルに響く霊感商法という言葉を餌にして政権や与党を叩きたい、それだけに見えてしまう。その扇動によって流されただ叩いているだけの人は自由を何だと思っているのだろう。そんなに軽いものなのか。
私はもう十年以上テレビを見ていないのだが、一方通行の情報が垂れ流され、そういう情報だけに汚染されているのではないかと思う。現在はTwitter他のメディアで情報を得ているが、どうでもいいことが大ニュースになっていたりして知らないということも多い。垂れ流しの情報に右往左往しているのである。それはエンターテインメントとしてはいいだろうが、これは人間の自由の問題だ。そしてこの問題もやはり旧統一教会を叩く人が多い。だが、ネットで情報を知る場合は反対の情報もそれなりに入ってくる。Twitterのリプライにすら反対意見はある。それにも目を向けることはできるのだ。テレビ等のメディアを垂れ流しで見ている場合は、作られたすべてを受け入れることになり反対意見もあるように作っているのかもしれないが、それは大いなる結論の途中を飾るエッセンスに過ぎない。以前は家に帰ると見てなくてもとりあえずテレビを点け、情報を垂れ流していた。そういう人間が現在のようになった今はそんなことを思う。

今回の文の発端になった安倍元総理大臣だが国葬が行われるという。それに反対している人もいる。私は彼の政策のすべてを肯定するわけではない。経済対策はアベノミクスという華々しい名はついていたが、成功したのかは疑問だ。しかし外交においては安倍元総理大臣ほど近年素晴らしい功績を残した総理大臣はいないのではないか。それは自由で開かれたインド太平洋構想が構想から外交方針へ、安保法制を整備し普通の国への第一歩を歩みはじめたのは大きい。また歴代最長の通算在任日数や連続在職日数にも表れているように、世界に向けてもすぐに総理大臣が変わると思われていた日本の顔になれた。この歴代最長の通算在任日数や連続在職日数という事実だけでも国葬に値するとも思う。もちろん国葬でなくてもいい。だが決まれば反対するようなことは何もない。税金の無駄をいうのなら、コロなんとかという新型感染症対策の中の多くに無駄ものが多い。反安倍の人がいるのは分かっている。だが、功績は認めればいいし、認めないのならそれで仕方がない。だが、彼に対しての無責任な誹謗中傷や歪んだ正義感にはうんざりする。親安部でもない私だが、やっぱり今回の暗殺事件を聞いた瞬間は重いものを感じた。それが今回書いていることだ。そして私は彼は日本のために心血を注いだ政治家だと思う。何も知りはしないが安倍元総理大臣を尊敬できる人物だとも考えている。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?