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情熱の鎖 -エクスプロージョンな西城秀樹-

私がここnoteにて、失礼ながらいつも"サエキ師匠"と書いているサエキけんぞうさんのコラムがTwitterで流れてきた。それは西城秀樹さんのデビュー50周年復刻第三弾のライブアルバムが出る、出た、という内容のコラムで、いつもクラシックから昭和歌謡までなんでも聞きます、と公言している私は興味津々で飛びついた。サエキ師匠のコラムだし、その世代を生きてた人間からすると、西城秀樹さんは心臓にガツンとくる。

とりあえずさらっと読み、秀樹さんを知ってる世代なのに何も知らないということを痛感し、より知りたいという興味深さが興起された。そして何度も読み返して秀樹さんと、それにまつわる文章の深さに打ちのめされてしまう。すごいのだ。当たり前に秀樹さんの歌も曲も知っている。しかしそれは一面に過ぎず、今回はライブ盤のプロモーションかもしれないが、ただのプロモーションでもなく、真の秀樹さんの一面を知ることができた気がした。以前からサエキ師匠が提供した歌詞だけじゃなく、秀樹さんについて触れているのはコメントやYouTubeなどでも知っていた。しかし今回、秀樹さんについて文章でここまで掘り下げられて、それを読めるのはとても幸せだ。師匠のいう秀樹さんは"日本のロックのオリジネーターの一人"というのも激しく納得だし、当時を生きていたものとして一部は知ってもいた。繰り返してしまうが、こういう掘り下げられた文章を読むのは視野を広げてもらえる。そこに居合わせたはずなのに、知らなかったことを知った気がしてしまう。そしてライブ盤一枚一枚の解説を読む度に聞きたくなってしまう。
私は広島市ではないが広島出身で割と近く、秀樹さんは地元のスターであり、聞き始めた頃はロック少年どころかまだまだ幼児だった。歌謡曲が世界のすべてだった頃で、レコードを買うのもねだって買ってもらっていた頃。秀樹さんも含め様々な歌謡曲を聞いていた。だからこそnoteにも"歌謡曲から感じたシティポップ、ロック"という稚拙な文を書いたりもしている。でも秀樹さんをあらためて思い出すと確かにロックの息吹がある。それも多分に感じていた。何枚かのシングル盤、テレビ、ラジオで流れる歌、曲。そして幼児から少年になり、そこから自分で選ぶようになっても秀樹さんの曲は聞いていた。例えば街のジュークボックス。洋楽と邦楽が半分ずつくらい入っていて、カッコいい曲を選んでいたつもりだ。背伸びをして洋楽も聞いたし、好きな歌謡曲もかけた。その中に秀樹さんの歌もあった。そういうつながりの延長。それを感じた。
このコラムを全身で吸い込み、ライブ盤を聞きたいと思った。普通この年齢なら大人買い、となるのだろうが、様々な問題がある私はそうもいかない。でも先ずは「西城秀樹 オン・ステージ」から聞いてみたいと思う。コラムを読むと二枚目、三枚目と聞き進むに連れ変化や刺激も増えてゆきそうだ。そしてそれが楽しみだ。また私にとってひとつ重要なのは、文中で触れられたサエキ師匠作詞のRock Your Fireで、また聞きたいなと思って調べたら、以前見たのと違う映像が、ライブ映像がYouTubeにあった。ただただカッコいい。もちろん秀樹さんだが、歌も歌詞も。秀樹さんのライブ盤への旅はオンステージの前にここから始まるんだなって思った。

Rock Your Fire


秀樹さんの歌の思い出は実にたくさんある。子供の頃のレコードとテレビ、ラジオが中心だが、そこに生きていて記憶に残ったものだ。その記憶は当時のそれにまつわることを思い起こし、またここに帰ってくる。その心に刻まれた歌、曲のことも書きたいが長くなったのでどこまで書くか悩む。とりあえず最初の頃のインパクトから。

情熱の嵐と激しい恋
最初に秀樹さんを聞いたのは情熱の嵐だった。レコードを持っていて聞いていた記憶。当時は幼児だったのでフィンガー5の晃さんのような、同世代のあこがれっぽい人をよく聞いていた。でも秀樹さんの情熱の嵐は青春ドラマに出てくる主人公のようなお兄さんで、歌がうまくカッコいい。そして歌謡曲ではあるがロック的な雰囲気を感じた。父親が持っていた外国人アーティストのレコードとは違うが、パンチが効いていた。それはあくまで秀樹さんの歌唱の素晴らしさだろう。自分の小さい頭の中ではあくまでも歌謡曲としての範疇でしかなかったけど。そしてそう感じるのは激しい恋も同じだ。よりドラマチックで男っぽい歌い方。爆発するような歌唱。テレビなどでファンの合いの手が入るのも同じように感じたところかもしれない。この二曲は私が秀樹さんに目覚めた大きな一歩だった。


薔薇の鎖
そして順不同かもしれないが薔薇の鎖だ。軽快で大好きだ。この軽快さの中でも秀樹さんの爆発するような歌唱はすごくて、こんなのを聞いたらファンにならずにはいられない。ヒデキシャウトとでもいおうか、とにかく爆発すると思ってしまう。広島出身ということで地元のスターというのもあるかもしれないが、新御三家の中で唯一レコードを買いたかったスター。もちろん新御三家の三人ともテレビやラジオで頻繁に聞いていて好きだったが、秀樹さんの歌は王道というか、素晴らしすぎた。もちろん三人とも個性がありそれぞれ好きなのだけど、私には秀樹さんは大道としか言いようがない。とにかくこの曲はカッコよくて最高だ。スタンドマイクを自在に操る姿にもシビレたから。


今聞けば曲がこうだったんだとか、こういう楽器でこういう感じだったとか、色々思ったりもする。しかし今回は当時の記憶をたどってみた感じ。いつもだらだら書いてるので今回もここら辺りまで。この続きもあるけど書くべきかどうかと思っている。ただのだらだらした思い出話だしね。ただ、サエキ師匠のコラムにより鮮烈に思い出した記憶。そして未知の側面、未体験のライブ盤、それらを考えると秀樹さんの刻まれた記憶は色褪せない。色褪せていない。それを再認識できたことも嬉しいし、ただの思い出話だとしても書く原動力にもなった。きっかけ、元にもなったコラムはライブ盤を聞き、そしてずっと読み返すだろう。あともう一つ、そのコラムのツイートが流れてきたときに多少の思いを引用ツイートした。そのコメントに"いいね"してくれた秀樹さんのファンの方々、その流れ、そしてその向こうを見て、秀樹さんの愛されている現実と人を引き付ける魅力、まさにスターとしか言いようのない感覚がよみがえった。現在進行形で秀樹さんの魅力に引き込まれ、心酔している人たちの気持ちがとても分かった気がした。それがあったからこそ少しだけど記憶に向きあう気持ちになった。楽しい記憶だしね。だからファンの人の力には敬服するばかりだし、それを知らせてくれて感謝しかない。


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