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暗い部屋 / 詩

マッチを擦ると暗闇の部屋に燐光が走り、

どこから吹くのか風に焔がぼぼぼと鳴った。

その橙のほのめきに手をかざし、

もう軸に延びはじめた焔を蝋燭へ近づけて、

つと火がうつると、

部屋がぼうっと朧に浮かびあがった。

闇に紛れた場景は、

焔に潤んで、

ひそやかに震えていた。

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