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危機状況における子どもの心の回復

自粛生活も長期化、学校も行けない状況は子どもにとっても危機状況です。ちょっと真面目なタイトルから始まりましたが、こんなことを書きたくなったのは、ムスコが最近よくピコママにガッツポーズをしてくれるのですが、あるCMの真似をしています。そのCMはムスコは気に入ってるようなのです。それは自分にちょっと状況が似ているから。それは見るとムスコが5歳の時に体験した初めての危機の時のことを親子で思い出します

そのCMはある生命保険会社のものですが、お母さんがある日「がん」を告知されます。入院して、そこに出てくる男の子が動画越しにさみしそうにお母さんにガッツポーズをします。その後お母さんは元気になって、授業参観で男の子がお母さんについての作文を読む、お母さんが今度はガッツポーズを返すという映像です。(皆さんも目にしたことあるかもしれません)

ムスコも実はちょうど5歳の時にピコママが「がんになる」という体験をしました。ちょっと治癒率の低いがんだったので、夫婦で非常に落ち込んだ時期がありました。(お陰様で今は奇跡的に良い状態で生活させていただけてます)もちろん子どもにも言えないし、理解できないだろうと思っていました。しかし隠し事をしていると子どもってすぐ察知します。爪かみや夜泣きが始まったのです。そこで5歳のムスコにきちんと話すことにしました。

がんという病気で、治療しないと死んでしまうかもしれない、つらい治療でママは寝ていることも多くなるけど負けない!というようなことを言いました。そうするとムスコは「ママかっこいい!仮面ライダーみたいにがんと闘うの」と言ってくれました。嬉しかった。勇気もらった。

さあ、それでもママが死んじゃうかもしれない病気にかかったというのは子供にはショックです。幼稚園での様子も心配だったので、先生にお話に行きました。そうしたら、すでに「お母さんがんなんですね」と言われたのです。なんでもう知ってるの?と思ったら、「お砂場で、「うちのママは~がんでね♪~戦うんだ~♬」とムスコが歌ってるというのです。

こう書くとなんと不謹慎と思われるかもしれませんが、子どもは遊びの中に危機状況を取り入れて自己回復させていく能力があります。これは震災の時にも子どもたちが地震ごっこをしたりしていたという報道がありましたが、不謹慎でやっているのではなく、遊びながら悲嘆を癒しているのです。言語獲得が不十分な幼児期は特にこのような遊びの中での癒しをします。ピコママは結構大掛かりな手術もしたので、しばらく入院もしましたし、傷跡も生々しく、それを目にした後、ムスコはお人形で手術ごっこをよくしていました。

ムスコはもはや7歳、言葉で気持ちを言えるようになったので、この危機的な状況を、「早く学校に行きたい」と言えますし、昔自分が受けた母の病気の告知というショックな体験をCMの登場人物とシンクロさせながらも、ガッツポーズをピコママに送って励ましてくれています。

子どもってすごいんです。だからなんか変な遊びしてる、変な歌うたってると思ってもそっと見守ってみてください。自分で自己回復させている作業の途中かも。
冒頭の絵は、ムスコがピコママのお腹の中にある癌の様子を書いてくれたもの
です。5歳の時の作

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