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特別支援教育の考え方を取り入れたら自分の生活がかなり改善した話

先日、ラジオ体操を日常に取り入れるためにiPhoneでオートメーションを設定した話を書いていた時に、数年前の自分もオートメーションを用いた環境構造化にかなり救われて生活が改善したことを思い出した。

改善前の状況

私は、特に朝の身支度がとても苦手であった。具体的には、何から手をつけて良いのかが分からずもたもたしているうちにあっという間に家を出る時間になって、でも身支度が終わらないから家を出られなくて、遅刻するとか引きこもるとか、そんなことがよくあった。


大学の学部生の時には特にそれが顕著であった。時間通りに身支度を完了できないとどうしても自己嫌悪になって自堕落になる。自堕落になると時間通りに身支度が完了できない、そうなるとますます自己嫌悪になる・・・という負の循環に陥って抜け出せなくなる。そのせいで全てがどうでも良くなって、結果的に体重増加、肌荒れ(にきびや蕁麻疹など)、気分の落ち込みなどが表れることもしばしば。自分と時間をコントロールできないことに起因するトラブルであるのに、当時の私は表面的な問題(肌トラブルなどの結果的に生じた問題)だけに囚われて、その解決を試みようとしていた。


その後院進し、研究の傍ら特別支援学校の免許を取得した。その過程で様々な教育的ニーズに応じた支援のあり方を知った。基本的には実態把握(実態観察→実態解釈)を多角的に行い、本人や周囲の困難感を緩和しQOLを高めるための支援を講じるという流れである。

修士の頃も相変わらずモタモタと身支度をしてしまう毎日だったが、数ある支援方法の中で、「構造化」という支援方法(「空間的構造化」や「時間的構造化」など)に出会い、自分の生活に取り入れたら今ある困難感が解消されるのでは?と思ったので実践することにした。なお、「構造化」とは「何かの活動を行う前に、その活動を行いやすくするために環境を整えること」である。
出典は以下リンク

朝身支度をする際の自分の行動についての内省(実態)


・身支度するのに1〜3時間ないしそれ以上かかる
・スキンケアや化粧の途中で手が止まる
・化粧ポーチの中身を広げて呆然とする 

▽実態の解釈→◯改善のための手立て

①▽時間感覚がない→◯「〜分間」というふうに時間を決め、始めと終わりが分かるようにする
②▽何から手をつけて良いか分からない→◯手順を可視化する

具体的な改善策

①「時間を決め、始めと終わりが分かるようにする」ための改善策ー"時間的構造化"

朝の身支度の時間を「起きてから30分間以内」と設定
30分間ウキウキ準備ができるようなプレイリストを作る。すぐに朝の支度に取り掛かれるよう、目覚ましのアラームを止めた瞬間にそのプレイリストが再生されるようにする 
スマホはiPhoneで、オートメーションを使用。以下手順

1 プレイリストを作成
Suddenly I Seeとか、LA・LA・LANDの楽曲はじめミュージカルソングとか、とにかくテンションが上がる曲で盛り盛りの約30分間再生のプレイリストを作る

2 iPhoneでオートメーションを作成
「起床アラーム停止」をトリガーにして、プレイリストを再生するという単純なオートメーションである

「音量を30%に設定」アクション+
「プレイリストを再生」アクション

②「手順を可視化する」ための改善策ー"空間的(物理的)構造化"

今までスキンケアセットはカゴの中に無造作に放り込んでおり、メイクセットもポーチの中に雑に入れていたが、仕切りのある入れ物を使って左から順番に取って顔に乗せていけば顔が完成するようにした。

準備するものは100均などに売っている仕切りトレー。サイズも色々あってよい

こんな感じの

顔の準備用品を置くスペースにもよるが、当時はカラーボックスの一角だったので何層か奥行きを持たせてトレーをセットし左から右、前から後ろへ工程順にモノを入れていっていた。1番手前の左端には化粧水、1番奥の右端にはフェイスパウダーとパウダーブラシ、的な。
こうすると何も考えずにポイポイとモノを取って顔に乗せて戻していけばいつの間にか顔が完成している
「何も考えなくてよい」というのがポイント


なお、服は前日の夜に決めておくことにした。
最初こそ感覚が掴めなかったが、1週間くらいでだいぶ慣れてきたように思う。6時過ぎに起きて30分以内に身支度を完了させて6時50分には宿舎を出て7時から研究室で研究するというスタイルをかなり継続できた。就職したのちも同じ方法で"30分身支度"は継続できた。もっとも、就職後は朝のうちに弁当を作ることをしていたのでそこまで早くは出られなかった。(修士の時は朝昼は食べず1日1食でよく過ごしていた)

実際これらの構造化をして環境設定に工夫を加えると、眠かろうがやる気が皆無だろうが全て自動で物事が運ぶようなスムーズ感があった。たまに時間内に準備が終わらないこともあったが10分以内オーバーにおさまっていたと思う。ボンヤリモタモタしている自分に苛々することもなくなり、時間を有効に使えるようになった感がある。


ちなみに最近は両方ともやっていない。これらの構造化で癖がついたからか、手順はしっかり身についた。ただ、近頃また準備が長引くようになってきた(休職していて出勤しないこともあり、朝非常にモタモタしている)。また音楽をかけて準備するようにしないとならないかもしれない。

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