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【詩】 未春

イヤリングのパールが 片方落ちて 行方知らず
好きになる前に なくして 諦める

いつもなくす 君は もうすぐ来る
惚ける声が もう聞こえる

ハットかぶる間に 側に来る
新しく買い揃える人を 元気づけて はに噛む
去年と同じ衣装を 楽しそうに 染めはじめる

とっておきなのに 言うには簡単で
君に 似合わない 浮物で
手を振ってから 後悔するのは
いくつになっても 変わらない

君への想いは イントロになる

春に背伸びした君 
春に目眩いした君 

春よりも近くに寄りたい僕


奪い去りたくて 淡く 凛とした陰影を

かすめて 君  濡れて 雨  





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