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一語の宇宙 | lest (~しないように)
英文法の参考書には必ず出ているが、現在ではほとんど使われない表現の1つとして挙げられる「lest」。
「lest」は、「lest + 主語 + should + 動詞の原形」で「~にしないように」という意味。
しかし、「lest」で検索すると、
「 #lest使わない 」という検索ワードが出てくる。
#lest使わない
上の動画(↑)では、受験英語で学んでも、実際にはほとんど使われないものとして、
関係代名詞の「whom」、
関係代名詞の「but」、
接続詞の「lest 」を挙げている。
#lestの語源
https://www.etymonline.com/jp/word/lest
lestという単語は、上の記事(↑)を読むと、どうやら「3つの単語」がひとつになったものらしい。
「一語の宇宙」を書くようになって、英単語の語源を調べているが、複数個の単語が一語になった例は「lest」がはじめてだった。
#quotation辞典で調べた
私の手元にある
「Oxford Concise Dictionary of Quotations」(オックスフォード引用句辞典)で「lest」を調べてみたら、一件だけ次の用例が見つかった。
#lestの用例
The tumult and the shouting dies--
The captains and the kings depart--
Still stands Thine ancient Sacrifice,
An humble and a contrite heart.
Lord God of Hosts, be with us yet,
Lest we forget--lest we forget!
この引用句は、
'Recessional(1897)'という、
キプリング [Rudyard Kipling(1865-1936)]の作品の中に見られる表現。
⚠️キプリングは「ジャングル・ブック」の作者として有名。
たしかに古い用例だが、文学作品に見られる表現だから、覚えておいて損はないだろう。
#whomの用例
''Whom are you?' he asked, for he had attended business college.
これは、
George Ade (1866-1944)の
'The Steel Box' in Chicago Record 16 March 1898
に見られる用例。
Who? Whom? [i.e. Who masters whom?]
これは、
Lenin(1870-1924)の
in Polnoe Sobranie Sochinenii vol.44 (1970) 17 October 1921 and elsewhere
より。
レーニンの言葉の英訳だろうが、やはり用例は古い。
#butの用例
接続詞としての「but」の用例はありますが、関係代名詞としての用例は引用句辞典の中では見つけられませんでした。
文法の参考書には、
There is no rule but has some exceptions.
(例外のない規則はない)が出ています。
この関係代名詞の「but」には、
否定の意味が含まれているので、
書き換えると、
There is no rule that doesn't have any exceptions.となります。
#lestが使われない理由
自分なりに「lest」が使われなくなった理由を考えてみると、否定の文脈なのに「not」を必要としないからではないか、と考えている。
例えば、
「unless」(もし~でないなら)よりも、
「if ~not」のほうがよく見かける。
「lest」(~しないように)よりも、
「so that S + not」のほうがよく見かける。
「not」を用いなくてよいぶん、
「unless」「but」「lest」を使った構文のほうがスッキリと書けるのだが、
「if」「that」「so that」が肯定文でも否定文でもどちらでも使うことができるのに対して、否定の意味でしか使えない表現は使い勝手が悪く感じられるせいではないかと、私は考えている。
私は否定したい気持ちを「not」「never」に載せるので、
「unless」「lest」「 but」を用いた、いっけんすると肯定文っぽい表現だと、なにか忘れ物をしたような気持ちなる。
あなたはどう感じますか?
簡潔な表現よりも、使い勝手の良さが優先されているような気がする。
今は使われることがほとんどないから覚える必要がないと考える人もいるかもしれないが、私は覚えて使いこなせるようになりたいと思う。
#参考
#whyever
「一語の宇宙」では、英単語を1つ取り上げて1つのエッセイを書きます。
こちらのマガジンに収録していきます。
#一語の宇宙
#lest使わない
#lest
#関係代名詞but
#whom絶滅危惧種
#キプリング
#lestキプリング
#whyever
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします