【灼熱】秋吉理香子

灼熱

※インスタに投稿した記事より、一部加筆修正してお届けいたします。


　この作家さん、ずっと気になっておりました。
　書評を読む限り、イヤミスやサスペンスを書かれているそうで、多分私の好みに合うだろうなぁと思っていました。

　試しに、図書館で見つけたこの本を読みました。文章が軽妙でとても読みやすく、映像が頭に浮かんでくるような描写で、スラスラと読めました。
　しかも、噂通りのサスペンス！
　終始、ハラハラしっ放しで目が離せません。何となくですが、大昔にハマったシドニーシェルダンを読んでる時のような感覚が蘇りました。ストーリーテリングが素晴らしいのでしょうね。

　しかし、少し辛口を述べますと……読み終わって一息ついて頭が冷静になるに連れ、色んな不合理に気付き始めます。そんな簡単に、180度の心変わりをするものかなぁ、とか、そこまで真剣に償いを考えていたのなら……とか。
　他にも幾つかありますが、あまり書くとネタバレに繋がるのでやめておきます。ものすごく面白かったことには間違いありませんが、私の中では少し疑問符も付いた作品でした。

　しかし、すごいのは、読んでる時にはそういったことを全く感じなかったことです。
　文章の勢いとか読みやすさ、ストーリーの面白さ、サスペンスの緊張感、構成力、スピーディな展開など、とても秀逸だと思います。目が離せなくなるほどに一気読み必至の物語で、終始没頭してしまいました。

　この感覚が保証されるのなら、あと何冊かは読んでみたいと思います。




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