練習時間vs練習内容

「先生は一日にどれくらい練習するのですか?」

ピアノを生業としていると、この質問は何度も繰り返される。

以前は、「最近は◯時間です」と答えていたけれど、これは本当の答えにはなっていないことに気付いてからは、違う答え方をするようになった。

そもそも、「何時練習していますか?」と質問される方は、実は具体的な時間を聞きたいわけではなくて、本当は、「どうしたらピアノが上達するか?」を知りたい。

例えば、年収500万円の人が年収5億円の人に、「何時間働いていますか?」と聞いて、「あなたの100倍です」と答えられたら、どんな気持ちになるだろうか?

むしろ、「あなたの半分程です」と答えられた方が納得できるのではないだろうか。

ピアノの練習にもこれと全く同じことが言える。

レッスンの課題を5ページ抱えている生徒に対して、演奏会やレッスンの準備を500ページ行う先生が、同じ練習内容を100倍の時間をかけてしていたら逆におかしい。

時間にはどうしても限界があるので、時間に頼れる限界もある。

ならば、時間ではなくて、効率や能力を高めていくしか、方法はない。

練習時間よりも練習内容が大切となる。

努力よりも能力が大切となる。

この2点をいかに伸ばしていけるかが、ピアノ上達には欠かせない。

しかし、この2点を伸ばすためには、まずは練習時間や練習量の限界に挑まなくてはならない…(つづく)

皆様からのサポートを大切に使わせていただきます!