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愛の夢バレンタイン企画:第2週

チャレンジ企画、第2週に入りました。

企画紹介→https://note.com/pianoduoruban/n/ndc64c8955e2d
第1週→https://note.com/pianoduoruban/n/n6d4b048ff70a

スコア→https://store.piascore.com/scores/130365


さてさて、チャレンジ企画第2週になりました。譜読みは進みましたか?

あんまり進んでない…という方もあまり心配いりません。
リストの和声は、実は意外とわかりやすいんです。


というのも、時は19世紀、音楽が貴族のため、教会のためだと言われていた雇われ作曲家の時代は終わり、一般市民が楽しむものとなり始めていた頃でした。特にリストはサロンで大勢の観客を前にパフォーマンスするのが大好きでした。

そのため、耳ざわりのよい和声感をなぞりながらベートーヴェンが大きなソナタで多用したドラマティック(というよりパテティック)な減七和音をメインに、超絶技巧を散りばめることで派手な曲作りをしたのでしょう。



ピアノチャレンジからは少し話が逸れてしまいましたが、大事なことは、「リストなんて難しくて弾けない」「あの超絶技巧の人でしょ?」とハナから抵抗感を持ってしまうのは少しもったいないのでは?ということです。


1) 和声感
長々と語ってしまいましたが、和声だけを取り出してみるとリストの曲ってそこまで難しくないんです。例えば、最初のページでは

❁︎譜例1



このように主和音1度や4度、5度へ以降するための借用和音こそあれど、行き先はわかりやすく、また一度目のメロディーと次に来るリフレインでも大きな差はありません。


⭐︎ここでメロディーを担当するプリモは心を込めてメロディーを歌うことと同時に、セカンドがこれらの和声を弾きやすいよう手のポジションを考えておく必要がありますね。


このように出来るだけ和声を単純化して見ていくと、前回触れたシャープ♯の多い調へ転調しても抵抗感が少なくなるのではないでしょうか?


ちなみになんと同じ和声進行なんですね。

❁︎譜例2



⭐︎伴奏の分散和音を担当することの多いセカンドはすぐに楽譜通り弾くことが難しくても下の楽譜のように分散和音のひとかたまりを一度同時に弾いてみることで、耳と指が和声を覚えてくれるので弾きやすくなります。





2) 超絶技巧(プリモ)
さて、待ってました!と思われるか、遂に来たか…と思われるか二手にわかれそうですが、25-26小節と62-64小節にやってくる超絶技巧の部分を見なくてはいけません。

前回はしれっと飛ばしてしまいましたが、重い腰を上げましょう。といっても今週頑張るのはプリモさん。62小節目を見ていきます。

なぜなら和声のところでセコンドがたくさん練習を積むことになるかと思いますので、プリモは先にここを潰しておきます。

実はこの部分、ソロバージョンから手を加えておりません。なのでソロでさらったことのある方はすぐに弾けるでしょうし、ソロで練習したい方にも役立つと思います。


まず半音階的にどんどん降りていくパッセージが続きますが、ただ音が並んでいるわけではもちろんありません。

❁︎譜例3



上で見られるように、右手はいつも長三度(例ミ-ド)の幅で二つの音が配置され、その距離感のまま下ります。
左手は似ていますが短三度(ド-ミ♭)の幅で下ります。なので右手はいつも長三度、左手は短三度、これを頭に入れて、同時に弾くなどして慣れていきます。




後半ではドミナントを基盤として上向きのパッセージが続きます。あくまで私の意見ですが、スピード感重視のここではうまく左手で手伝ってあげるのもいいと思います。

❁︎譜例4



今週はここまで!
アドバイスというより読み物が多かった気もしますが(笑)、作曲家の性格や背景を知ると、なんだか難しかった楽譜も少し見やすくなってませんか?


第3週は1/31(月)更新予定です!
ぜひ一緒に練習しましょう〜!

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