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肩の治療は多角的な視点から考えよう。鍼灸師がMMTを使って実際に評価してみたらわかったこと。

【この記事を読むとこんなことが分かるよ】
肩の治療を推論する上で押さえておきたい3つのポイントがあります。
3つのポイントから考えていくと課題も整理され問題の本質が見えてきます。鍼灸治療をする上で欠かせないMMTを活かし切りましょう。

ども、フィジカルアセスメント&運動療法担当のてっちゃんこと白石です。

ボクはこれまで"フィジカルアセスメント"と"運動療法"の記事を毎月2本投稿していたんですが、4月〜は月1本となったので交互に配信していきたいと思います。

今月は運動療法におけるMMTの実践について解説したいと思います。

みなさんはMMTと聞いて何を思い浮かべますか?

「現代貨幣理論のことでしょ?」と出てきたあなたは、逆に幅広く勉強していて凄いですw

MMTとは、Manual Muscle Testの略語で徒手筋力検査と呼んでいます。 

MMTって検査から臨床への繋がりが見えくく、「検査のための検査」に陥りやすい評価法でもあります。

そこで今回、症例を元に新人鍼灸師いくちゃんと一緒に考えていきましょう!

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MMTが苦手ないくちゃんのために、今回うってつけの症例を担当してもらうことにしました。

担当してもらうことになった症例は「右肩の不安定感」を訴えている80代男性ハム男さん。

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「右肩の不安定感」という訴えの患者さんを担当することは初めてだったこともあり、不安も感じつつまずは基本的な現病歴を確認することに。

いくちゃんが確認した現病歴はこんな感じ👇

【ハム男さんの右肩の不安定感に関する経過】
ハム男さんはラグビーを社会人の頃にやっていたこともあり、定年まで趣味でラグビーを続けていました。

ラグビーの試合中に過去数回右肩の前方脱臼を起こしていましたが、自己整復が可能だったため、整形外科は受診していません。

70歳頃から右肩に不安感を感じるようになり、台所の高い位置にある物を取ろうとする時や洗髪動作時に「脱臼するんじゃないか」という恐怖心を感じています。

また、肩コリや頭痛も時々みられ、週に1回鍼灸整骨院に通ってマッサージと電気治療を受けているもののその場限りで症状は変わりがなく推移しています。肩の痛みはありません。

足腰は何とか杖を使って外出できるレベルです。

ハム男さんは、脱臼を繰り返してきたにも関わらず、マッサージや電気治療のみしか受けておらず、特別不安定感に対する治療は受けていないまま現在に至っていることが読み取れます。

結構しっかり現病歴を聴取できていますよね。
この経過をてっちゃんに相談することに。

まずは課題を整理する必要があります。
以下の"推論していくための3つのポイント"を中心に考察していきましょう!

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