問診のカギは”声かけと沈黙”。思ったよりも会話を引き出せないあなたへ。
こんにちは。てっちゃんこと白石です。
問診シリーズもあっという間に3回目となりました。
前回のステップ1-2では、「入室してからご挨拶するところまで」という問診の前段階について解説してきましたが、今回はいよいよステップ3!
ステップ3”抽象”のフェーズとは、上記の説明にも記載しているように、
「問診を通してお困りの症状の全体像を掴む」
ということを目的としています。
要するに、”問診の総論”みたいなもんです。
「そんなの当たり前やん」と言ってしまえばたしかにそれまでですが、在宅医療の現場では特に重要だと考えます。
その理由はなぜだと思いますか?
少し頭の中で思い浮かべてみてください。
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在宅医療と外来型の鍼灸院での決定的なちがいは、
”ご自分で歩いて通院することができるorできないか”という点です。
ということは、
在宅医療の現場で出会う患者さんは必然的に要支援・要介護状態(何かしら手助けが必要な状態)となっていることが多くなります。
仮に「腰が痛い」と言われたとしても、局所だけみれば良いかというと、そうはいかないですよね。
在宅現場の患者さんの多くは、慢性疾患が複数ある多疾患併存状態であり、鍼灸師が保険適応となる疾患だけを評価・治療するだけでは十分な対応は困難といえます。
そういった点からも、患者さんの全体像を掴むことは優先順位の高い問診項目となります。
ステップ1-2のフェーズが終わり、アイスブレイクであなたと患者さんの中にあった緊張した空気感みたいなものはある程度和らいだところで、本題となるステップ3"抽象"に移っていきましょう。
1.使う表現によってリアクションはちがう
実際にお体の状態について聞きたい。そんな時、あなたならどんな質問を患者さんに投げかけますか?
下記のABから選んでみてください👇
一見、AB どちらも同じような質問内容なので、何がちがうのか気づきにくいですよね。多くの方は日常会話の中では何気なく使っている分、意識して言葉を選んでいないかもしれません。
何を隠そう、ボクは普段友人や家族と話す時は全く考えていません。
この2つの問いはどちらも体調について聞いているという点では一緒です。
両者のちがいは、”オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョン”という点。
すぐ気付いたあなた、さすがです👌
在宅でオススメな問診第一声は、”B:体調はいかがですか?”となります。
ただ、こういった質問って言われてみれば当たり前なんですが、意識して使い分けないと、Aも何気なく使ってしまうのではないでしょうか。
ただ、臨床現場では、こういった何気ない問いかけによって相手のリアクションも変わりますし、会話の盛り上がり方も変わってきます。
実際、オープン・クエスションを意識して使うとこんな感じで患者さんからリアクションをしてもらえます。
なんと、腰以外についてあれやこれやと患者さんは語ってくれました!
これがクローズドクエスションである「お元気ですか?」になると、一言「大丈夫です」だけで終わってしまう事もあるため、
「あれ、やけに患者さんとの会話が盛り上がらないな」と問診場面で感じたことがある方は意識的に言葉を使い分けて実践してみてください。
2.返事が遅くても怖がらない
オープン・クエスションという武器を手に入れたあなたは「体調はいかがですか?」という問いかけを投げかけました。
すると、患者さんは
患者さんに体調の話を聞いているのにも関わらず、どんどん脱線してしるのが分かります。
これ実際臨床現場で働いている鍼灸師であれば「あるある!」と感じるのではないでしょうか。
そんな時、ついつい話を遮って軌道修正したくなリますよね。
実際もし今回のような状況になった時、あなただった何秒くらいで話を遮るでしょうか。
医師を対象とした研究では、以下のような結果となっています。
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