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在宅には向いていない鍼灸師 5つの特徴

【この記事を読むとこんな事がわかるよ】
在宅現場には向いていない鍼灸師の特徴があります。興味のある人は特徴を理解した上で、自分に向いている領域を探すと入職後に「こんなはずじゃなかったのに」という不一致を無くすことができます。

ども、てっちゃんです。

今回は「こんな人は在宅分野には向いていないよ」という話をしたいと思います。

ボク自身、在宅分野にはスポーツ分野という真逆の領域から飛び込んだという経験がありました。
スポーツ分野とは、考え方や環境も全く異なるため、在宅に適応するために苦労した事も沢山あったので、皆さんもこの記事をキッカケに「自分に合った分野」を考えてみてはいかがでしょうか。

では早速話していきたいと思います。

在宅に向いていない鍼灸師には”5つの特徴”があります。
皆さんにも当てはまるか考えてみてください。

1.良くしたい願望の強い人

在宅医療の目的は、「その人が生きることを支えること」にあります。
本人の持っている力を引き出しつつ、家族を支援しながら、いつまでも安心して暮らしてゆける環境を作り出すことが極めて重要な役割です。

「痛みを取りたい」
「可動域を改善したい」など、
鍼灸師はそこを改善することにモチベーションを感じている人も多く、

「治せない」
「良くならない」
という事に対し、鍼灸師としての存在意義を見失ってしまいがちです。

"良くしたい"という気持ちは勿論大事な視点ですが、もう一歩俯瞰した立ち位置から考えてみるとどうでしょうか。

「痛みは取れないけど、治療後は自分の脚でトイレまで歩いて行ける」
「可動域は変わらないけど、治療を継続していることで膝の炎症が軽く、夜が眠りやすい」

「痛み・可動域」という身体機能面だけでなく、「ADL」という面から捉えると鍼灸師としての存在意義も非常にあることが分かりますね。

2.鍼だけで良くしたい人

これ、めちゃくちゃ多い気がします。

以前、
「俺は鍼灸師にプライド持っているんだよ!鍼で治してこそ鍼灸師だろ!と、某鍼灸師に言われたことがありました。

こういう人は在宅は向いていないですね。

「鍼灸師としてのプライド」って自分の捉え方であって、昔ながらの医療者で多いパターナリズムの典型例です。

【パターナリズムとは】
強い立場にある医療者が、弱い立場の患者さんに対し、患者さんの為になるという理由から、治療介入したりすることである。

在宅医療の医療者に求められている考え方としては「患者中心の医療(PCM)」であり、そこに自分のプライドは必要ありません。

鍼はあくまで手段の一つであり、数ある選択肢の中から最良の選択を患者さんと共に考えていくことが大切です。

患者中心の医療 = PCM(Patient Centered Clinical)

3.自分のスケジュール管理が出来ない人

ここ結構大事です!

フリーランスでやっている在宅鍼灸師、在宅の事業所に所属している鍼灸師、いずれも基本的には訪問も一人、移動も一人。

1日の大半を一人で過ごすことばかりです。
治療院勤務のように、同僚と共に助け合ったりすることは出来ません。

また、サービスは基本的に時間で区切られており、多くは「1回約30分」での訪問となります。
そんな中、患者さんとの相談話で盛り上がってしまい時間が過ぎてしまった場合、次の患者さんに迷惑がかかってしまう可能性があります。

1日のスケジュールだけでなく、訪問時間でのタイムスケジュール管理もめちゃくちゃ重要です。

4.即時効果を求めている人

在宅現場の患者さんは予備能も低く、短期的に劇的に変化するというケースは決して多くありません。

短期的な「治療前」→「治療後」で変化を考えている人も多いですが、在宅の場合には半年〜1年かけて治療計画を立てていくことが求められます。

ただし、高齢者の場合には老化により徐々に身体機能も低下していくので、鍼灸師には将来どんな風に変化していくのかを「予後予測」する知識が必要です。

5.医療者としての信念が強い人

鍼灸師としての信念を持っていることはとても大切です。我々専門家からすると「体にとって悪いこと」をついつい患者さんに押し付けてしまいがち。

例えば、
「お腹がいつもゆるく下痢気味」にも関わらず「冷たい水を大量に飲んでいる」という患者さんがいたとします。

鍼灸師であれば「冷たい水はお腹を壊しやすいから飲んではダメですよ」と言いたくなりますよね。

鍼灸師からすると、冷たい水をやめることは生活上当たり前のことですが、患者さんにとっては飲んでいる理由が何かしらあります。

「冷たい水を飲んだ時の爽快感がたまらない」と感じている患者さんにとっては、「お腹を壊すこと」よりも「冷たい水を飲む爽快感」の方が勝っている可能性もありますね。

鍼灸師の価値観ではなく、患者さんの価値観を考えていかないと信頼関係を構築することは難しくなってしまいます。

”正義の押し売り”になっていないかを、常に一歩引いた視点で考えていくことが大切になります。

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いかがでしたでしょうか。

今回は在宅には向いていない鍼灸師”5つの特徴”を話しました。

みなさんは5つの内に当てはまる項目はありましたか。

逆にこれらを気をつけてもらえば、在宅現場が働きやすくなり、楽しく臨床に臨める様になると思います。

ぜひ皆さんの考える「こんな特徴の人は在宅には合わない」と思う特徴があればコメントをください。


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