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第19回【ボールにかかわる身のこなし(運動協調性)を高めるために必要な6つのプレッシャーとは?】

【ボールにかかわる身のこなし(運動協調性)を高めるために必要な6つのプレッシャーとは?】
 U-12専属プロフィジカルコーチ鎌田氏が、前回は【キッズ年代で効果的な用具を操作する力を高める6つの運動】を掲載しました。今回はキッズや低学年を対象に、【ボールにかかわる身のこなし(運動協調性)を高めるために必要な6つのプレッシャー】についてのコラムです。

ドイツにはバルシューレ(Ballschule)という子どものボール運動教室があります。 運動プログラムはすでに体系化されており、3つの学習要素が存在します。その学習要素の1つの領域が身のこなし(運動協調性)です。ボールにかかわる身のこなしを高めるためには、6つのプレッシャーを意識させながらトレーニングすることが効果的です。以下に、6つのプレッシャーと簡単なトレーニングをお伝えしていきます。

【ボールにかかわる身のこなしを高める6つのプレッシャー】
1.時間
2.正確性
3.連続対応
4.同時対応
5.変化
6.負荷

【詳細】
1. 時間
『時間』によるプレッシャーとは、『時間を最小限に速度を最大限に高めなければならないプレッシャー』のことです。例えば、ある場所からある場所にボールを素早く運んだり、ボールが通過する時間を競い合ったりします。具体的なトレーニングとしては、ボールを手や足で10m先の場所へ移動させます。その時間を競い合い、左右の手や足など異なる部位でトレーニングすると効果的です。

2.正確性
『正確性』のプレッシャーとは、『正確性を最大限に高めなければならないプレッシャー』のことです。例えば、ゴルフやゲートボールなどのように、決められた場所へボールを通すことを目的に行うボール運動が一つあります。具体的なトレーニングとしては、コーンを立てて、そのコーンにボールを何回当てられるかを競い合い、少しずつ遠ざけたり、コーンを小さくしたりすると、難易度を高めていきましょう。

3.連続対応
『連続対応』のプレッシャーとは、『次々と連続する課題に対応しなければならないプレッシャー』のことです。例えば、卓球のラリーのように、一定のリズムで同じ課題を繰り返す運動があります。このような連続対応の具体的なトレーニングとしては、2人でペアになり、2人で同時にボールをワンバウンドさせて、投げ合いキャッチします。連続で何回できるか記録して、日々記録を向上させていきましょう。

4.同時対応
『同時対応』のプレッシャーとは、『同時に複数の課題に対応しなければならないプレッシャー』のことです。例えば、サッカーやバスケットボールなどのスポーツでは、一度に多くの情報を素早く処理する力が必要となります。このような同時対応の具体的なトレーニングとしては、2人でペアになり、片方が同時に2つの異なるボールを投げ、指定された方のボールだけをキャッチします。色や形が異なるボールや風船など色んなボールで試してみましょう。

5.変化
『変化』のプレッシャーとは、『変化する周りの状況に対応しなければならないプレッシャー』のことです。例えば、味方や相手、練習場所などが変わると適応能力が試されます。そのような変化にもすぐに対応できるようにトレーニングする必要があります。具体的なトレーニングとしては、指導者がフラフープを持ち、フラフープの角度をいろいろと変えながら、コート内を移動します。子どもは、そのフラフープを通るようにボールを投げさせ、楽しみながら行いましょう。

6.負荷
『負荷』のプレッシャーとは、『体力的、心理的な負荷状態で対応しなければならないプレッシャー』のことです。例えば、疲れていたり、難易度が高かったりすると判断力が低下してきます。その中でも冷静に対応できるようにトレーニングする必要があります。具体的なトレーニングとしては、指導者が大繩を回し、子どもがボールを持ちながら駆け抜けます。ボールを手で持ったり、手でドリブルしたり、足でドリブルしたりして通過させてみましょう。

これらの6つのプレッシャーはそれぞれが別々になっているわけではありません。互いに共存し合っていますので、複合的にトレーニングに組み込んでいきましょう。

【参考文献】
『バルシューレ -幼児のためのボール遊びプログラム-(奈良教育大学ブックレット)』
著者:ハイデルベルク大学スポーツ科学研究所

U-12専属プロフィジカルコーチ

鎌田豊

【所属】
○鎌田豊公式オフィシャルサイト

http://kamatayutaka.fem.jp


○ワセダJFC代表兼監督『小学生サッカーチーム』

http://waseda-jfc.jp/


○国分寺キッズアカデミー『かけっこ&サッカークラス』

http://kokubunji-kidsacademy.com/

【資格】

アジアサッカー連盟公認フィットネスライセンス レベル1(アジアで初となるサッカーに特化したフィジカルコーチライセンス)

日本サッカー協会公認A級U-12コーチライセンス

日本サッカー協会公認Gk-LEVEL1コーチライセンス

中学高等学校保健体育第一種免許

スプリントコーチ

バルシューレ指導者C級

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