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VLOOKUPを知らない高校教員が情報の免許を取得して、フリーソフトを公開するまで(その1 新採用)

簡単に自己紹介

 私は、教育系大学の小学校教員養成課程を卒業したあと、2018年に公立高校に理科(物理)の教員として採用されました。
 学部時代は、2021年にフリーソフト「採点斬り2021」を作成しYouTubeに解説動画をあげたところ、おかげさまで1万回視聴していただけました。
 2022年には結婚を機に、妻の出身地の他県に異動しました。自分が生まれ育っていない地での教員生活はなかなかハードですが、自分が当たり前だと思っていた教育観に気付かされることも多く、勉強になっています。

 現在の職場では、ずっと情報管理を担当しています。ICT推進組織は別にあるので、どちらかというと私は「環境づくり」のために働いています。教員用端末の初期設定やネットワーク整備などをやっています。もともと「パソコンいじり」は趣味だったのですが、せっかくなのでちゃんと勉強しようと思い、2022年に、通信制大学に科目履修生として入学して半年で教科「情報」の免許取得に必要な科目を習得しました。
 「どうやって情報の免許とったの?」「パソコン詳しい教員になりたいんですけど、どうすればいいですか?」と知人の教員から聞かれることが多いので、せっかくなので文章にしてみます。書きたいときに書きます。

2018年:VLOOKUPに衝撃を受ける

 新採用で赴任した高校で、私は物理室で授業を行なうことになりました。しかし、物理室は普通教室と座席の配置が違く、自分で1から座席表を作る必要がありました。今思うと「たかが座席表、なくてもなんとかなる」と思いますが、、新採用の私にとっては「初回授業までに準備しなきゃやばい!」と焦って、教員最初の土日は2日間家にこもってExcelと睨めっこしていました(名簿の持ち帰りは厳禁なので、田中一郎から田中四十郎までを並べてました)。そこで、VLOOKUP関数と出会いました。出席番号を打つと自動で名前が出てくることに、心底感動しました。

 そこからはVLOOKUPと過ごした1年間でした。「Google フォームのアンケート結果の自由記述をVLOOKUPで座席表に表示する」「定期試験や小テストの結果を座席表に表示して、サポートが必要な生徒を授業中に気付きやすくする」という小さい取り組みだけど、「作りたいものが作れる喜び」はこのときに知りました。
 また、職場には私の些細な取り組みを聞いてくれる先輩がいました。「また面白そうなもの作ってるね」と声をかけてくれて、私がはしゃいで「座席表に試験結果表示できました!」などというと「点数ごとに色分けしてみれば、条件付き書式ってのがあるよ」とか「そこに部活も載せれる?生徒同士の人間関係がイメージしやすくなるよ」とコメントやアドバイスをもらえました。OJTというほど堅苦しくなくても「小さな改善や発見の喜び」を職場で共有することの大切さと嬉しさを学びました。

 今も、同僚の先生が何か新しい取り組みをしているときは、積極的に「何やってるんですか、教えてください」「楽しそう!また聞かせてください」というようにしています。新しいことを知りたいという思いはもちろんありますが、それだけでなく「タコツボ化しやすい教員同士の情報共有を促したい」という思いはあります。

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