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水平垂直が整っている写真が必然である理由の答え。

写真では水平垂直が大事ってよく言われるけどなんで?
これに対するアンサーを今回の記事では解説したいと思います。

初めましての方はじめまして!
いつも読んでくださってる方はこんにちは!こんばんは!
どうも、建築フォトグラファーの藤川です。
Xでは建築写真キャット🐈というアカウントで活動しています。
建築写真撮影を生業としており、普段は住宅や店舗の竣工写真や不動産物件写真など関東を中心に建築を撮って生きております。



さて、写真撮影において「水平垂直を出す」という概念は、どの分野でも重要ですが特に建築写真や風景写真、そしてポートレート写真で重要です。


まず大前提としてお話ししておきたいことがこの議題の最終結論でもあるので目次突入前から早速結論ですが、

水平垂直はわざわざ整えているのではなく整っていることこそが当然であり、
水平垂直の出ていない写真こそわざわざエフェクト(効果)を加わえた写真である

と認識し直す必要があります。
今回はなぜ水平垂直を出すことが重要なのか、そしてそれがどのような効果をもたらすのかについて詳しく解説します。


水平垂直の基本

写真撮影において、水平垂直が出ていない状態は「エフェクト」と見なされると私は考えています。これについては後ほど詳しくお話しします。
つまり、被写体そのものの美しさや構造を”純粋に”見せるためには、水平垂直を出すことが大前提です。具体的な例を挙げてみましょう。

建築写真

建築写真では、建物の構造やデザインを正確に伝えることが求められます。水平垂直が崩れていると、建物自体が歪んで見えてしまい、その美しさや精巧さが損なわれます。正確な水平垂直を保つことで、建物の真の姿を観る者に伝えることができます。

水平垂直の整っていない建築写真
水平垂直の整っている建築写真

風景写真

風景写真においても同様です。水平線が傾いていると、自然の美しさや雄大さが正確に伝わらなくなります。水平線がしっかりと出ていることで、写真全体のバランスが取れ、鑑賞者に余計な要素を与えることなく風景の魅力そのものを伝えることができます。

水平の整っている風景写真

ポートレート

ポートレート写真では、人物を引き立たせるためにも水平垂直は重要です。特に背景に建物や風景が写り込む場合、その水平垂直が整っていることで、人物の存在感が際立ちます。というより整っていない場合、人物への視線誘導に弊害が生じます。

水平と垂直の違い

日常生活において、人は物を見る際に頭を上下左右に動かしますが、水平に関しては特に無意識的に保たれています。垂直については、視点を上下に動かすことで自然に調整されますが、水平は常に一定であり、傾けて見ることはほとんどありません。そのため、水平は写真において「絶対」と言える要素なのです。

垂直の効果

垂直が出ていない写真には、「撮影者視点」というエフェクトがかかります。これは、観る者に実際にその場にいるかのような錯覚を与える効果があります。撮影者の視点を強調したい場合には、この効果を活用することができます。

水平の効果

一方で、水平がずれている写真は、観る者に違和感を与えやすくなります。水平が出ていない写真を見ると、頭を傾げたくなるような感覚に陥り、写真自体のクオリティが低く感じられてしまいます。つまりその写真で本来伝えたかった意図が伝わりにくくなります。

エフェクトとして水平垂直をずらす

冒頭にもお話ししましたが水平垂直をあえて整えないことによりエフェクト的な効果を得られるケースがあります。
特にポートレートでは多用されてる傾向にあり、視線誘導や構図バランスを考慮した際にあえて水平垂直をずらすことで撮影者の伝えたい意図を表現することが可能になります。

また、水平垂直のずれた写真には撮影者の存在が写真に間接的に写ります。その写真を見た人がまるで擬似的に自分自身がその景色を見たかのような錯覚に陥ることがあるからです。わかりやすい例でいうと親が子供を撮った写真です。
「親の目線から見下ろすように子供を撮る」
これは垂直がずれる効果により、親が見ている視界を再現する写真と感じるはずです。

ここまで徹底的に水平垂直を整えることの必然性を語ってきましたが、意図的な表現に必要なズレはむしろ素晴らしいとまで言えます。ちなみにピンボケや手ブレなども同じようにそれぞれエフェクトとして考えることが可能です。
時には建築写真や風景写真にも取り入れることで枠を飛び越えた表現に辿り着くこともできるでしょう。

水平垂直ずらし、手ブレ、ピンボケで不安定さや曖昧さを表現したスナップ


不動産物件写真における水平垂直

不動産物件写真においても、水平垂直を出すことは非常に重要です。
先ほど書いたようにエフェクトとして捉えた際、垂直がずれている写真は擬似的な内見の効果を生むことがあると考えられるかもしれませんがこれは違います。

実際に肉眼で見た際には視界の周辺情報はぼやけるため、垂直が上下に振っていても違和感は少ないです。しかし写真は周辺まですべての情報を鮮明に写し出すため、垂直がずれていると現実以上に傾いているような違和感が生じていしまい、現実とは異なる印象を与えてしまうのです。

つまり物件写真においても水平垂直を整えるのは基本的に必然であると言えます。

撮影者視点で見下ろした垂直の整っていない物件写真
水平垂直の整っている物件写真

余談ですが物件写真編集サービスをやっているので、もしご興味あれば公式LINE等からご相談ください。


まとめ

写真撮影において水平垂直を出すことは、被写体を純粋に見せるための基本中の基本です。特に建築写真や風景写真、ポートレート写真では、水平垂直を正確に出すことで被写体の魅力を最大限に引き出すことができます。

水平垂直を崩すことも一つの効果として取り入れることができますが、それはあくまで意図的なエフェクトであり、基本を押さえた上での応用技術です。

写真のクオリティを高めるためにもまずは水平垂直を正確に出すことを心がけましょう。

「そもそも水平垂直出てるかどうか写真を見てもわからないんですけど!!」という方は私のYouTubeチャンネルで”認識”について作例を踏まえながらじっくり解説した動画を投稿しているのでぜひ見てみてください。

では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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それではまた次回の記事でお会いしましょう!!

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