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大きく異なる「写真家」と「商業カメラマン」の違い知ってますか?それぞれの立場と役割を解説

商業カメラマンに対して「受賞歴はあるのか?」と煽っているシーンを偶然目にしたので、「写真家」と「商業カメラマン」が全く性質の異なる別の職業であるということをご存知ではない方も少なくないのかも知れないと思い、この記事を書くことにしました。

全国1億3千万人のフォトグラファーの皆さん、どうも、建築フォトグラファーの藤川です。
初めましての方はじめまして!
いつも読んでくださってる方はこんにちは!こんばんは!
Xでは建築写真キャット🐈というアカウントで活動しています。
建築写真撮影を生業としており、普段は住宅や店舗の竣工写真や不動産物件写真など関東を中心に建築を撮って生きております。

写真を撮る職業という意味で、「写真家」と「商業カメラマン」という言葉は一見同じように思えるかもしれません。しかし、両者は実際に大きな違いを持ち、その活動や目的、仕事のスタイルが異なります。この記事では、写真家と商業カメラマンの違いを解説し、それぞれの役割や特長について詳しく見ていきます。


1. 「写真家」とは?

「写真家」は主に芸術的な目的で写真を撮影する人を指します。写真家の写真は自分自身のビジョンや感性、創造力に基づいて撮られ、その作品はギャラリーや写真展、写真集などで発表されることが多いです。写真家にとって重要なのは、クライアントの指示通りに写真を撮ることよりも”独自の表現”です。

目的:芸術的な作品を制作し、自己表現や独自の視点を写真で表現する。
自由度:クライアントの制約に縛られないため、テーマやスタイルは自由です。
評価基準:評価されるのは、その作品の独自性や創造性、美的感覚。売上ではなく芸術性が重視されます。
収入源:写真展での販売、写真集の出版、アートギャラリーからの依頼などが主な収入源です。

写真家は、単に現実を記録するだけでなく、時にはその写真に個人的なメッセージや感情を込め、作品を通じて何かを伝えようとします。アートとしての写真制作が主な活動であり、創造的な自由度が高いのが特徴です。

2. 「商業カメラマン」とは?

「商業カメラマン」はクライアントの依頼を受けて、具体的な目的を持った写真を撮影するプロフェッショナルです。広告、ファッション、雑誌、商品撮影、企業のプロモーションなど、依頼主のニーズに応じた写真を撮ることが主な業務です。ここで重要なのは、写真が「商品」として扱われることです。

目的:クライアントの要求に応じて、商品の販売促進や広告効果を狙った写真を撮影する。
制約:撮影のスタイルや内容は、クライアントのニーズや指示に沿って決まるため、自由度は限られます。
評価基準:成果は写真がどれだけ商業的に成功したか、すなわち商品の売上やブランドのイメージアップにどれだけ貢献したかによって判断されます。
収入源:撮影依頼やプロモーション契約、企業との契約が主な収入源です。

商業カメラマンは、広告写真や商品写真、ファッション撮影など、商業的な目的に応じて高い技術力と知識を持ち、クライアントの要望に応えることが求められます。撮影する写真は美しさだけでなく、実用性やマーケティング効果が重視されるのが特徴です。

3. 二足のわらじを履くフォトグラファーも多い

最近では写真家と商業カメラマンの両方の活動をバランス良くこなすフォトグラファーも増えています。よくあるケースでは日常的には商業撮影を行いながら、空いた時間で個人的な芸術活動に取り組むというスタイルです。この「二足のわらじ」を履くことで、経済的な安定を得ながらも、自分の表現を追求することが可能です。

 結論:「写真家」と「商業カメラマン」の違いを理解しよう

写真家と商業カメラマンは、同じ「写真を撮る」という行為を仕事にしているものの、その目的、自由度、収入の得方には大きな違いがあります。それぞれの分野には独自の魅力があり、どちらが優れているというものではなく、”どのような価値を写真に見出すか”で道が分かれます。

写真家は個人の創造力を表現する一方、商業カメラマンはクライアントの要望に応じたプロフェッショナルな写真を提供するという異なる役割を担っています。

そして、どちらも高度な技術と経験が必要な職業であり、互いの立場を尊重し合うことが大切です。

ところで「建築写真家」には”写真家”とついているわけですが、果たして本当に写真家なのでしょうか?それとも商業カメラマンなのでしょうか?
皆さんはどう考えますか?次回はそんなお話です!

最後までお読みいただきありがとうございました!
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それではまた次回の記事でお会いしましょう!!
みなさま、良きカメラライフを!!!

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