セルロイドの化学史: 素材の発見と発展の歴史
セルロースシリーズです。
前回までに、再生セルロースを例に、化学的に溶解する手段を用いることで、応用可能な製品の幅が一気に広がったというお話をしました。今回は一歩進んだ加工品ということで、セルロイドのお話。
はじめに:セルロースの化学修飾ついて再生セルロースの手法は、セルロース分子中に多量に含まれるヒドロキシ基(水酸基、OH基)を、二硫化炭素(CS2)でフタしてしまい水素結合を遮断してセルロース同士の相互作用を弱め、アルカリに溶解する、という方法を経るものでした。この方法