ニュース:古代の「貝紫色」情熱で再現 チュニジア
https://www.afpbb.com/articles/-/3312158?act=all
AFPBBニュースより。
試行錯誤で再現したのは凄いですね。良い色です。
この貝由来の紫色素は6,6'-ジブロモインディゴと言い、インディゴ、すなわち藍染で使うあのインディゴに臭素が2個付加した化合物です。
動物由来と植物由来で分子骨格のよく似た染料が取れてくるのは面白いなと思います。
苦労したとありますが、確かに、貝から抽出しただけではただの黄色なので、うまく紫にするには工夫が必要です。
発色までの過程はこちら。
https://www.chem-station.com/molecule/naturalmol/2012/02/dibromoindigo_3.html
前駆体が酸素による酸化を受けて二量化しさらに光(紫外線)があたることでメチルメルカプタンが抜けてジブロモインディゴが生成します。
光に当たって紫になっていく様子はこちらのページ中段の動画に。
https://tezomeya.com/jpblog/2019/05/11/shellpurplews/
ジブロモインディゴ自体は水に溶けないので、紫になってから染色したのでは遅くて、溶解性のある前駆体のうちにで布などに漬け込み、その後に酸化、光を当てる工程で発色させるのでしょうね。
この考え方も藍染と似ています。
日本の染め師さんと交流があったらもっと早くゴールできてたかもしれませんね。
ところで貝紫については、結晶美術館さんの説明が詳しく、とても面白いのでおすすめです。
https://sites.google.com/site/fluordoublet/home/colors_and_light/tyrian
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